024年の日本に3大災害!関暁夫が語る最悪の未来【都市伝説】
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2024年ノーベル化学賞の受賞者(ノーベル財団の配信動画から)
スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2024年のノーベル化学賞を米グーグルの人工知能(AI)開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏とジョン・ジャンパー氏、米ワシントン大学のデービッド・ベーカー教授の英米3氏に授与すると発表した。
たんぱく質の立体構造の高精度な予測や新たなたんぱく質を人工的に設計できるAI技術を開発し、生命科学の研究や創薬に革新をもたらした功績が評価された。
授賞理由はハサビス氏とジャンパー氏が「たんぱく質の構造予測」、ベーカー氏が「コンピューターによるたんぱく質の設計」。ハサビス氏は囲碁AI「アルファ碁」で有名になった旧ディープマインドの共同創業者で、現在はグーグルディープマインドの最高経営責任者(CEO)を務める。
8日発表のノーベル物理学賞に続き、AI技術が現代の科学研究に与える影響の大きさを象徴する節目となる。ハサビス氏とジャンパー氏はたんぱく質の立体構造を予測するAI「アルファフォールド」の開発を主導した。
人をはじめ生物の体では様々なたんぱく質が働き、あらゆる生命活動を支えている。
たんぱく質の構造解析は生物学に欠かせない基礎研究であり、病気の仕組みの解明や治療法の開発といった医学の面でも重要だ。多くの薬は病気に関わるたんぱく質に結合して作用し、薬とたんぱく質の構造は鍵と鍵穴の関係にも例えられる。
たんぱく質はアミノ酸が鎖状に数十〜数百個つながったもので、鎖が立体的に折り畳んだ構造をしている。
アルファフォールドはアミノ酸の配列から、立体構造を高精度に予測する。ディープマインドは18年に初代のアルファフォールドを発表し、20年に登場した改良版「アルファフォールド2」の圧倒的な性能で科学界を驚かせた。
ハサビス氏は「AIを究極のツールとして科学の発見に応用するため、情熱をささげてきた」と語る。
アルファ碁などの開発で培った深層学習などのAI技術を駆使し、アルファフォールドを生み出した。ゲーム用AIの開発は「汎用的なアルゴリズムを構築するためだった」という。
21年にアルファフォールドを無償公開すると世界で急速に利用が広がり、今や大学や企業の研究者にとって不可欠なツールとなった。
従来、たんぱく質の複雑な構造をX線や電子顕微鏡を使って調べる実験は多くの時間と手間がかかり、費用もかさんだ。これまで研究者が構造を解明できたたんぱく質は約23万種類にとどまっていた。
アルファフォールドが突破口となり、構造を解明できた事例も増えている。
さらにディープマインドは22年、2億種類以上のたんぱく質の構造予測データを公開した。研究者は膨大な予測データを手がかりにして研究を効率的に進めることができ、がんの治療薬候補を見つけた企業も出てきた。
ベーカー氏は新たなたんぱく質を人工的に設計する研究の第一人者だ。医薬品などに役立つたんぱく質を生み出すことを目指し、狙った構造や機能のたんぱく質になるアミノ酸配列を設計できる「ロゼッタフォールド」などのAI技術を開発してきた。
ハサビス氏らは米国で最も権威ある医学賞であるラスカー賞や科学界のアカデミー賞といわれる米ブレークスルー賞、カナダのガードナー国際賞を相次いで受賞し、ノーベル賞でも有力候補と目されていた。
授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金の1100万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)は半分をベーカー氏、もう半分をハサビス氏とジャンパー氏で分け合う。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
インペリアルカレッジロンドン 講師
David Baker 教授は、僕がうちの大学にセミナーで呼びました。(Youtubeに上がっています。僕もタンパク質工学を研究しています。)
その時も、ノーベル賞はいつかは取るだろうと思いましたが、こんなに早くとるとは思いませんでした。
コンピュータ上でできる強力な創薬ツールが開発されたので、実際に韓国政府と一緒にコロナに対する薬も生まれています。 心からおめでとうございます。
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
2日続けてのAI研究の受賞は驚きました。
まさに変革を告げる受賞といえるでしょう。
ただ、前日の物理学賞と比べ、化学賞は順当な顔ぶれです。
たんぱく質の構造を予測するAIは近い将来に受賞するだろうとみられていました。
ハサビス氏は世界トップの棋士を相次いで倒した囲碁AI「アルファ碁」の開発者でもあります。
チェスの元世界王者で、ゲーム開発を手がけた後、大学院に入り直して脳科学と計算機の博士号を取得しました。
複数の専門知識と興味があったからこそ、独創的な成果を出せたのでしょう。
ひとつの道を究める日本的な思考とは反対側にいる人です。創造性を生む教育とは何か。日本は同氏の経歴に学ぶ点が多いはずです。
2024年のノーベル賞発表は10月7日(月)の生理学・医学賞からスタート。物理学賞は8日(火)、化学賞は9日(水)、文学賞は10日(木)、平和賞は11日(金)、経済学賞は14日(月)と続きます。
知的に早熟で「ギフテッド」とも呼ばれる子どもを応援する取り組みが始まった。運営主体である一般社団法人エデュケーション・ビヨンドの小林りん理事(UWC ISAKジャパン代表理事)に寄稿してもらった。
いわゆる「ギフテッド」というと数百万人に一人の天才奇才といったイメージを持つかもしれないが、必ずしもそうではない。
その定義は一定ではなく、知能指数(IQ)や学力が極端に高い子どもを指すこともあれば、並はずれて創造的だったり、リーダーシップを発揮したりする子どもに使われることもある。
小林りん・一般社団法人エデュケーション・ビヨンド理事
この問題を議論する時、「ギフテッドというラベルが子どもにプレッシャーをかけ、過度な期待を生まないか」「ギフテッドとされない子どもが劣等感を抱きかねない」といった慎重論をよく聞く。
判定基準が学業成績やIQに偏り、多様な才能を評価できていないとの批判もある。
しかし日本でも、現実としてスポーツや芸術に秀でる子どもには大会やコンクールに向けて学校が特別な配慮をすることが多い。
半面、知的好奇心が高く、学びの習熟が早い子どもについては教室内の平等を重んじるあまり、対応を怠ってきたきらいがある。
2014年にベネッセ教育総合研究所が小学校4〜6年生3400人を対象に行った調査によると、13.4%が学校の授業の内容が「簡単すぎる」と答えた。
中学生では4.0%で、一定数の小学生が学校で好奇心を満たせていない状況がうかがえる。
その多くは学校外で受験勉強や反復型の先取り学習にいそしむ傾向にあるが、中には自らの興味関心を深く掘り下げたいと願う子も多い。
しかし、その受け皿には体系だったものがない。結果として、こうした子どもの多くは知的欲求を満たせず、中には教員や友達の理解も得られず、学校生活に支障をきたす例も多いことが報告されている。
諸外国ではIQや学力検査で上位2〜5%に当たる子どもを対象に、多様な教育プログラムが展開されている。
校内に特別教室を設けて一定時間「取り出し」で授業を行う場合や、同じ教室内で他の子どもと違う複雑な課題を与える場合がある。情報通信技術(ICT)の活用が進むにつれ後者の試みが増えている。
学校外でもオンライン学習や長期の休みを利用して参加できるプログラムが多く用意されている。
45年前から続く米ジョンズホプキンス大のセンター・フォー・タレンテッド・ユース(CTY)の活動は代表例の一つだ。
14年の統計によれば、米国の公立学校の児童生徒の6.7%がギフテッド教育に類するプログラムに参加している。
対して日本では、文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)が一部の高校生のニーズに応えてきた。
だが小中学生対象のプログラムは少なく、科学技術振興機構が推進してきた「ジュニアドクター育成塾」も参加者が年1000人超と限られている。
1学年約100万人がいる日本で、仮に5%が対象になるとすれば5万人だ。
小中の9年間では45万人の対象者がいることになる。CTYだけでも近年の実績で毎年約1万3000人、45年間で延べ約16万人が参加してきた米国との差は大きい。
文科省も21〜22年、有識者会議を設けて特異な才能を持つ子どもへの支援について議論した。
そして23年度予算に8000万円が計上され、特異な才能があり学校生活に悩みを抱える子どもを支援する事業が始まった。
採択された団体の一つが長野県教育委員会だ。
私が理事を務める一般社団法人エデュケーション・ビヨンドは22年から知的好奇心が高い子ども向けの学外プログラムを提供しており、23年から同教委と夏休みの研究プログラムを共催することになった。
小学生が大学生チューターの助言を受けながら研究した(7月、長野市)
対象は県内で公募した小学生で、信州大などの大学院生・学部生のチューターと6週間、研究に取り組む。
期間中はほぼ週1回、チューターに進捗を報告し、進め方について助言を受ける。初回と最終回には保護者会も開いた。
終了後のアンケートでは回答した全員から「とても満足」か「満足」との評価が得られ、手応えを感じている。
見学に訪れた県の教育関係者から「こんな子どもたちが身近に大勢いることに驚いた」との声も聞かれた。
子どもたちの興味関心は表の通りユニークで多岐にわたる。参加者からは「自分で調べるのには限界があったが、チューターのおかげで学術論文の探し方を知ることができて世界が広がった」「自分の研究に真剣に耳を傾けてくれる大人や、話の合う同年代の友達に出会えてうれしい」などの感想が寄せられた。
2年間で延べ100人が参加したが、まだまだ少ない。同様の取り組みを広げるため複数の自治体と協議を始めている。オンラインで小学生とチューターをつなぎ全国どこからでも参加できる「ビヨンド・スクール」も拡大する。
先述のCTYプログラムを日本にいながら受講できる仕組みもつくる。
10月にジョンズホプキンス大と契約を結ぶ予定だ。CTYの講師が米国からオンラインで指導し、日本側では小学生がチューターと共にグループで受講できる体制を整える。受講生はビヨンド・スクール参加者から選抜し、奨学金を給付することも検討している。
今後はまず「どんな特性の子どもがギフテッドと呼ばれるのか」についての理解が学校関係者に広がってほしい。
それにより必要な子どもに校外のプログラムを紹介できる体制が整うだけでも、彼らの好奇心の芽を摘まずに済むかもしれない。
中長期的にはやはり、1日の大半の時間を過ごす学校において、授業の方法が工夫され、教室内外の取り組みが増えることが望ましい。
最終的には大学の教職課程でギフテッドの特性を学ぶことが必修化されるなどして、全ての教員が彼らの存在に気づき、前向きに指導・支援する社会になることが日本のイノベーション推進にも寄与するのではないだろうか。そのため私たちは各地の教育委員会や大学とも積極的に連携していきたい。
少子化と情報化、異才の支援促す
本稿にあるような取り組みが実際に動き出したことは歓迎すべきだ。
数学などでは関心を持つ子どもがネット上で最新の論文に触れながら交流する活動も生まれている。
(編集委員 中丸亮夫)
情報通信研究機構(NICT)は9日、同日午前11時ごろに太陽表面で爆発が起こる「太陽フレア」が発生したと発表した。
この爆発で放出された「高速コロナガス」が10日深夜以降に地球に到達するとみられる。数日以内に全地球測位システム(GPS)の誤差拡大や人工衛星の障害が発生する恐れがあるとしてNICTは注意を呼びかけている。
太陽フレアは中央上の明るい部分で9日に発生した=NASA/SDO提供
NICTによると、9日午前10時56分ごろに太陽フレアが発生した。
太陽フレアはA、B、C、M、Xの5段階で規模を表し、Xが最大規模。今回はX1.8のフレアが発生した。NICT宇宙環境研究室の久保勇樹副室長によると「フレアによって発生したコロナガスが比較的大規模だったため、通信に影響が出る恐れがある」という。
コロナガスは、太陽上層にある電気を帯びたガスが宇宙空間に放出されたものだ。このガスは10日深夜以降に地球に到達する恐れがある。
これによって地球を取り巻く磁気圏が乱され、電離圏の電子密度が変化する。電離圏の電波の反射などを使う短波通信が不通になったり、測位に誤差が出たりする恐れがある。久保副室長によると「地上や航空機中の人体への被曝(ひばく)の影響や、携帯電話などの通信や位置測位には影響の懸念はない」という。
太陽活動は11年周期で活発化するとされる。次の活動のピークは25年ごろと見られているが、24年に入り連続で大規模なフレアが発生している。
24年5月には8〜15日にかけてX級のフレアが13回連続して発生。各地で影響があり、北海道ではオーロラが観測された。
10月3日には7年ぶりの規模となるX9.0の太陽フレアが発生した。このときはコロナガスの規模は比較的小さかったため、大きな影響は出なかった。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
今回の大規模フレアは地球から見て太陽のほぼ中央で発生し、放出されたプラズマの塊であるCME(コロナガス)は地球を直撃しやすい方向に進みます。
必ず直撃するわけではありませんがフレア発生から2~3日で地球近辺に到達するため、10日夜から11日にかけてGPSの乱れなどに警戒が必要です。
記事にもあるようにこのところ大規模なフレアが連続して発生しているので、今回の影響が大きくなかったとしても中期的な警戒も必要になってくるでしょう。