将来の月面活動のイメージ=米航空宇宙局(NASA)提供
日米両政府が米国主導の有人月面探査「アルテミス計画」で、日本人の宇宙飛行士2人を月面着陸させる方針で合意することが17日、分かった。
4月10日に予定する日米首脳会談で宇宙分野での協力関係を確認し、盛山正仁文部科学相と米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官が月面活動内容を盛り込んだ文書に署名する方向だ。
文書には宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車が開発する有人月面探査車「ルナ・クルーザー」の運用も盛り込む見通し。
両政府は月周回に建設する新たな宇宙ステーション「ゲートウエー」への日本人搭乗はすでに合意し、日本人の月面着陸について人数などの詳細を詰めていた。
月面は水資源の存在が示唆され、宇宙活動の拠点や将来人類が火星に進出する足場として注目されている。
日本政府は2020年代後半に、米国に次ぐ2カ国目の有人月面着陸を果たす目標を掲げる。1960〜70年代の米国の「アポロ計画」では12人が着陸したが、いずれも米国人の白人男性だった。
アルテミス計画はアポロ計画以来の有人月面着陸を目指しており、日本も参加する。まず26年9月に宇宙飛行士を月面に送り込み、日本人宇宙飛行士は28年以降の着陸が見込まれる。
ただ、NASAの有人宇宙船の開発の遅れなどにより、今後の進捗には不透明感も漂う。
JAXAは23年2月、有人月面を見据えた新たな宇宙飛行士候補者として諏訪理さん、米田あゆさんの2人を選んだ。
諏訪さんと米田さんは現在訓練を積んでおり、24年11月にも宇宙飛行士として正式に認定される。