ブリュッセルにある欧州委員会本部=ロイター
【ブリュッセル=辻隆史
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は17日、米マイクロソフトに対し、検索サービス「Bing(ビング)」などを巡り情報提供を強制すると発表した。
生成AI(人工知能)がもたらすリスクに対応できていない疑いがあると指摘した。
違法コンテンツ対策などを義務付けるEUのデジタルサービス法に基づく措置で、27日までに回答がなければ、世界売上高の1%を上限とする制裁金などを科すと警告した。
欧州委は、生成AIが事実と異なる内容を生成する「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象を問題として例示した。偽動画「ディープフェイク」の拡散を含め、ビングがリスクを適切に評価し、軽減措置をとっているか疑問視した。
EUは6月に欧州議会選を控えており、誤った情報の流通を警戒している。欧州委は生成AIに関し「選挙プロセスを巡る指針で特定したリスクの一つだ」と強調。マイクロソフトに速やかな対処を求めた。
文章や画像を自動作成する生成AIに注目が高まっています。
ChatGPTなど対話型AIやMidjourneyなど画像生成AIがあります。急速な拡大を背景に、国際的な規制や著作権に関わるルールなどの策定が急がれています。
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日経記事2024.05.18より引用