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ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

愛を贈る

2020-11-27 | クリスマス

 

 

 

大学のある街の外れに、小さな古い女性修道院がある。その古い住居建物は、スパニッシュ風なレンガ造りで、建物内外は修繕することによって保たれているものの、荒れ果てた外回りや庭園は、小さいながらも、かなりの人手と人力が必要に見えた。そこでカトリック教会に許可を得て、カトリックではない私の属する教会の青少年、中学から高校の男女が、奉仕活動をすることにして、道具持参で、清掃と庭園美化のためにある土曜日に集まったのは、もう15年程前のことだった。

総勢100名近くの少年少女は、朝早くから、泥だらけになって雑草を抜き、背丈の伸びすぎた植木をきちんと見栄え良く切り込み、芝生を刈った。寄付された草花を丁寧に植え終わった頃は、もう午後の陽が傾いた頃だった。途中で大人の指導者が用意したサンドウイッチをつまみ、皆懸命になって楽しみながら働いた。修道院の修道女たちは、かなり年配で、老修道女と言った方が正しいかもしれない。彼女たちは、綺麗になった庭園を見て、ただただ感謝し、胸を打たれ、涙ぐみさえした。少年少女は、奉仕のもたらす大きなものを胸にそれぞれ抱えて家路に着いた。

普段おそらく母親に口を酸っぱくして「きちんとベッドを整えて学校へ行きなさい」と言われている少年少女だろうこの若い人たちは、実際舐めるように、修道院の庭園を綺麗にし、まさに美化し、よく働いた。娘や息子も参加したが、疲労困憊のようで、帰宅してシャワーを浴びて、夕食のすぐ後ですぐに就寝してしまったのを覚えている。お疲れ様、とその寝顔を確かめてから、夫と私は子供達のそれぞれの寝室のドアを閉めた。

手から生えたスマートフォンに四六時中かかりっきりで、お手伝いチャートに自分たちの名前が書かれた、ゴミだし、食後の皿洗い、などのおきまりの当番をおろそかにすることもあるのに、他人の、他教会のために、奉仕することは、楽しみでさえあったようだった。

それが若い人のもつ力である。精神である。普段は怠け者の仮面をかぶることがあっても、必要な時にはマントを引っ張り出して、空をも飛びかねない素晴らしさがある。今日はそんな少年少女への感謝の気持ちを伝えたい。

このコマーシャルは、Hobby Lobby(ホビーロビー)という手芸・クラフト・洋裁・アートなんでもござれの店で、大きなチェーンストアだ。いかにも十代の少年らしい息子が食べっぱなし、脱ぎっぱなしの衣服や靴下をそこら中にほっぽらかして、ゲームに遊び疲れて眠っている。看護師の母親が出勤前にざっとその居間を片付け、急いで家を出る。この先はヴィデオをご覧あれ。この少年も「仮面」を被っているだけの、スーパーヒーローなのだ。