ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

純真ということ

2020-11-15 | アメリカ事情 人間性

Credit: Jordanna Howard

マッケンジー(左)とアキラ(右)

 

現在フロリダのヴェテランズ病院で大人の患者だけを相手にしている眼科研修医の長男は、その前までマイアミで小児病棟で研修をしていた。ある機会に、友人から網膜芽細胞腫(小児がんの一種)の話を聞いた私はお決まりの日曜午後の長男との電話で、ふと息子にその治療の経験はあるか聞いてみた。彼は最初にまずこれは、15,000人に1人に見つかる症状だと言って、その症状をもつ小児患者を診たと言う。続けて、治療法は日々進歩しているし、早期発見ならば、治癒さえ可能だと言った。多くは5歳前、大体が2、3歳で発見されると聞く。「医師は人間的に可能な知恵と技術と経験で、極上の治療と治癒率を希望するけれど、そこにニンバス2000(ハリーポッターの魔法の箒)や魔法の杖もあったら、怖いもの無しなのにね。」と言う私に、息子は「ははは、それは持てないけれど、信仰はあるから、できる限りをすることにしているよ」と答えた。その通り。本当にこの世は試しの世だもの。

 

その後ほどなくしてフェイスブックでカリフォルニア大学サンフランシスコ大学病院で、網膜芽細胞腫の治療を受けるほぼ同じ年の幼い少女たちのことを知った。白人のマッケンジーは、生後3ヶ月半からその診断を受け、化学治療を続けてきた。その後一年はガンはなかったが、結局片眼摘出手術を受けなければならなかった。その手術前にマッケンジーは、同じ病院で、同じ病を持つアキラという少女と出会った。お互いを一目見てこの2人の幼い少女は、手を繋ぎ、一緒に遊び、まるで生涯の友を見つけたかのように仲良しになった。

 

それを見る両親たちは、この2人をただ一言「純真」と言い表し、それに誰もが納得する。そしてこの2人の幼い永遠の友達を見る私まで11月の寒い朝心を温められた。

 

 

コメント (2)
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