ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

寒月と夜長月

2017-12-03 | アメリカ事情

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https://www.currentresults.com/Weather/US/average-state-temperatures-in-winter.

 

NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると、太平洋岸北西部のある地域、南カリフォルニア州、そしてアリゾナ南西部の一年で一番寒い時期は、12月の中旬である。合衆国の東部とロッキー山脈の高度な地帯は、通常1月の中旬から下旬にかけて最低気温になる日々がある。 これは東部とロッキー山脈の高度な地帯での降雪量が多く、増える積雪が、太陽光を反射してしまい、低地の温度を寒くしてしまうからだと、NOAAは言う。上記地図を見てもわかるが、東部よりも中西部の寒冷地はアラスカ並の寒さである。だから、特に中西部からのSnowbirds(避寒者)が南西部アリゾナと南カリフォルニアはたまたフロリダへ渡ってくるのだ。


12月が一番寒いと言われるカリフォルニアだが、3日の晩の満月は、合衆国全区で、”Full Cold Moon"と呼ばれる。満寒月と言うわけである。これはまた”Long Nights Moon"ともアメリカ原住民に呼ばれ、これは冬至(合衆国は12月21日)まで日が短く、夜が長いから。 


12月3日の満月の出は、東部で午前10時47分と昼間である。 もう一つの楽しみは、12月の寒い夜長、特に13日と14日の午後9時過ぎから、双子座流星群を見るチャンスがある。この流星群は、他のと違って、当たりはずれが少なく、夜が最も長い時期に冬の澄んだ空気のお陰でその活動を観測できる。たくさんホカロンや昔ながらのカイロを用意して、毛布にくるまり、あたたかいココアを飲みながら夜空を見上げたい。金曜日や土曜日でないのがちょっと残念。庭にトランポリンのあった時は、夏の流星群をその上で子供達と寝転がって見上げた。聞こえるはずのない流星の音を耳にした気さえ起きたくらい、たくさん飛んでいた星のかけら。

 

https://www.almanac.com/content/full-moon-december

 

210年前の12月14日(1807年)午前6:30頃、ヴァーモント州からコネティカット州にかけて、人々は空を見上げ、満月の2/3ほどのサイズの火の玉を見た。その火の玉は、割れ、少なくともコネティカット州ウエストン(現在のイーストン)の6ヵ所、トラムボル、フェアフィールドに破片は散った。 その時人々は、ヒューっとなる音を落下地点近くで耳にし、三回衝撃波音を聞いた。 


そのニュースを聞きつけたイェール大学教授のベンジャミン・シリマンと彼の同僚のジェイムス・キングスリーが、落下地点に駆け付け、即座に調査を始めた。そして隕石の破片を集めた。中には人々がお土産として売り買いしていた物もあった。 シリマン教授は、これが隕石で、新世界(アメリカ)初の隕石落下記録と確認した。


当時宇宙から落ちて来た(隕)石、という考えはヨーロッパでは懐疑を持たれながら、ゆっくりと広まっていたが、その研究は比較的遅く、新しい科学、と見られていた。そこへその年の12月29日出版されたコネティカット州の新聞記事がヨーロッパの科学者の目にとまり、ウェストン事件は注目された。


シリマン教授は、その隕石の化学分析を行い、その結果をフィラデルフィア、ロンドン、パリで発表したが、それを疑う人々(時の大統領トーマス・ジェファソンもその一人)は、容易に隕石が落下したことを認めず、分析結果を説明されても、信じようとしなかった。


ジェファソンは、「二人のヤンキーが、天空から石が降ってきたなどとホラを吹いたと信じる方が簡単だ。」とさえ言った。あのジェファソンが?あの科学に理解のある人が? ちなみに、シリマンとキングスリーの発見した隕石のかけらは、イェール大学隕石コレクションに分類されて保管されている。これは合衆国で最も古い隕石コレクションである。 隕石の中には、宇宙でしかできないペリドットを含んだものがあり、それはとても美しい緑色である。地上で産出されるペリドットよりも少々高価だが、いつか目にしてみたいと思う12月の寒い夜長である。


https://i.ytimg.com/vi/f84IhFGhCr0/maxresdefault.jpg

コメント (2)
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