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活断層と地震 (32) … 7/5 和歌山北部地震を検証

2011年07月15日 | 耐震・震災・地震
再掲] (平成23年7月11日)地震調査研究推進本部 地震調査委員会の評価
○7月5日に和歌山県北部の深さ約5kmでM5.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

以上の評価公表でしたが、活断層が無いこの地区に頻繁に発生する地震。今回は震度が震度5強で和歌山北部地震となりましたが、震災後の活発化は以前にも増して注視せざるをえません。
地震記事でも書きましたが、和歌山県北部と言っても震源地は和歌山県中央北部に位置し東側は山岳地帯の地形です。関心は、大阪府と接する本来の北部に発生確率の高い著名な日本を縦断する「中央構造線断層帯」(埼玉県から群馬、長野、静岡(愛知県三河部)三重、和歌山、四国を縦断、豊後水道を経て九州中部に至ります)があり、この断層の沈黙が、心配の種となっています。
そこで、活断層の公的評価機関の地震調査研究推進本部さん資料を紹介、引用して考察してみます。

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和歌山県に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴

和歌山県に被害を及ぼす地震は、主に太平洋側沖合で発生する地震と陸域の浅い地震である。なお、和歌山県とその周辺で発生した主な被害地震は、図7-44のとおりである。

 太平洋側沖合では、南海トラフ沿いでM8程度の巨大地震がほぼ100~150年間隔で繰り返し発生してきた。和歌山県では、これらの地震の震源域が内陸の一部まで達するため、強い揺れを感じることが多い。例えば1946年の南海地震(M8.0)では、県内のほぼ全域が震度5相当の揺れを感じた。また、その直後に大きな津波に襲われることが多く、津波の高さは高いところでは10m以上の高さになることがある。南海トラフ沿いで発生する巨大地震は紀伊半島沖を境に東側で発生する場合、西側で発生する場合、その両方を震源域として我が国最大級の地震が発生する場合がある。和歌山県は、そのいずれの場合でも、地震動や津波による被害を受けることがある。

 和歌山県の地形を見ると、県内の大部分は山地となっており、県北部に流れる紀ノ川沿いの低地や和歌山平野を除き、大きな平地はない。県内の主要な活断層は、県北部の和泉山脈の南麓に沿って中央構造線断層帯が東西方向に延びている。中央構造線は地質構造の境界線であって、その全部が活断層ではないが、和歌山県から四国地方にかけての中央構造線は規模の大きな活動度A級の中央構造線断層帯である。県内の主要な活断層はこれだけであるが、この断層帯で発生した被害地震は知られていない。
図7-45は、和歌山県の地形と主要な活断層を示したものである。また、和歌山県南部の海岸部には、南海トラフ沿いで発生する巨大地震に関係した階段状の平坦な地形(海岸段丘)が分布している。特に串本町付近では、約125,000年前に海岸線だったところが、現在では標高約60mの高さまで持ち上げられていることが知られている。

 和歌山県では、歴史の資料により938年(M7)以降、古くから数々の陸域の地震によって被害を受けてきたことが知られているが、震源が和歌山県内にあると推定されている地震の数は少ない。しかし、古い地震の震源の精度や、震源の位置はよく分からないものの紀伊半島南部に被害が生じたとの記録がいくつかあることを考えると、必ずしも県内で発生した地震が少ないかどうかは分からない。
 さらに、活断層のない地域や紀伊水道も含めて、県内のところどころで、M7より小さいが局所的に被害が生ずる地震が発生することがある。被害地震としては、明治以降では、1906年(M6.2)と1924年(M5.9)の日高川流域の地震、1938年の田辺湾沖の地震(M6.8)、1948年の田辺市付近の地震(M6.7)などが知られている。

 また、周辺地域で発生する地震や1899年の地震(M7.0、推定の深さ40~50km:紀伊大和地震と呼ぶこともある)や1952年の吉野地震(M6.8、深さ60km)のように沈み込んだフィリピン海プレート内で発生するやや深い地震によっても被害を受けることがある。また、1960年のチリ地震津波のように外国の地震によっても津波被害を受けることがある。

 また、和歌山市付近では定常的に地震活動が活発である。ほとんどがM5程度以下の中小規模の地震であるが、有感地震回数は年平均35回程度にのぼり、日本で最も有感地震回数の多い地域の一つである。特に1920年以降報告回数が増えたことが知られている。
近年この地域に大規模な地震の発生は知られていないので、この地震活動は特定の大地震の余震ではない。その規模は最大でもM5程度であるが、震源がごく浅いために、局所的に被害が生じたこともある。この付近の東側と西側では、フィリピン海プレートの沈み込む角度が違い、この付近の地下構造は複雑になっている。
 また、この付近の深さ数kmまでの浅いところは、堅いけれども脆い性質を持つ古い時代の岩石が分布している。これらのことが、和歌山市付近の定常的な地震活動の原因と考えられる。また、地震が発生する深さは数kmよりも浅いところに限られており、上記の岩石が分布している深さで発生していると考えられる。
 なお、この地震活動が発生している地域の北部には中央構造線断層帯がある。その活動を起こす力の向きは、和歌山市付近の地震活動(東西方向の圧縮力)と中央構造線断層帯の活動(北西-南東方向の圧縮力)では異なっているが、両者の関係についてまだはっきりとは分かっていない。


表7-7 和歌山県に被害を及ぼした主な地震



図7-44 和歌山県とその周辺の主な被害地震(~1997年6月)



図7-45 和歌山県の地形と活断層




引用:地震調査研究推進本部地震調査委員会
     旧版
    日本の地震活動 -被害地震から見た地域別の特徴- <追補版> (平成11年4月1日発行)


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◆考察
※ 東日本大震災発生により茨木から静岡に至る日本列島中央部を横断するフォッサマグナ、その西側(西縁)の糸魚川静岡構造線断層帯は確実に岩盤ストレス(歪)に影響与えているのは自明(静岡県西部地震の起震)ですが、日本列島の北関東から西日本を真っ二つに縦断する「中央構造線断層帯」は未知と言いますか全く影響不明です。歪解放の起震(地震発生)なく(もちろん人間に感じる有感地震以上で、震度1未満は無数に発生していますが)。不気味と言うしかなく、この中央構造線は北米プレート及び大陸(ユーラシア)プレート上にあり、フィリピン海プレートが北上し前のプレートの境である南海トラフで岩盤下へ潜り込む圧力で中央構造線の活動が変動すると考えられてます。この構造線の活断層は主に紀伊半島から四国、九州の範囲で不連続に活断層帯を形成していますから、東海、東南海、南海地震との関連性は深いと思います。
 以上から描けるのは、東日本太平洋沖海溝型地震、中央構造線活断層(内陸型地震)、そして中部・西日本海溝型地震(東海、東南海、南海地震)のトライアングルで、その発生周期が数十年から数百年ですから、地球歴史では極めて短期間に繰り返す危険な(人類にとって)断層地震となります。この関連性こそが、今、神経質な程に、固唾を呑んでではありませんが、見守る、凝視すべき重要点です。
 中央構造線活断層は日本列島内陸型発生確率が第3位。規模も阪神淡路大震災の野島断層破砕を上回ります。
 よって、今回の和歌山県北部地震は発生メカニズムや原因が良く分からないので、注目していますが、中部・西日本の内陸型活断層、海溝型の異常値は観測されてはいませんが、その中での、今回の地震は、より不気味な存在と言わざるを得ないのです。被災は幸い少なく、余り関心を集めませんが、やはり災害は忘れた頃に来るのでしょうか。名古屋大減災連携研究センターの鷺谷威教授が言われるように、何所が何時には全く分からないが、「どこで起きてもおかしくない」を心しておく必要があるのでしょう。
 昔人の言う「くわばら、桑原」は地震の際、逃げる場所と言われています。現代では、桑畑の姿もほとんど消えましたが、『備えを怠らず』で、今日の締めくくりとさせていただきます。
(筆者記)



☆地震情報・活断層情報は、
①震度、震央情報は、国土交通省気象庁ホームページ
  http://www.jma.go.jp/jma/index.html
②中央防災会議公表情報は、内閣府防災ページ
  http://www.bousai.go.jp/
③活断層情報は、独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター(AIST)
 活断層データベース
  http://riodb02.ibase.aist.go.jp/activefault/index.html
④活断層評価情報は、地震調査研究推進本部事務局
         (文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
 活断層の長期評価(位置図)
  http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka02_danso.htm
⑤NIED 独立行政法人防災科学技術研究所
  http://www.bosai.go.jp/
を参考にしてください。


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