では、22日最後のカテゴリ、女子SPです。
第一グループはフランスのレナ・マロコ選手、カナダのダイアン・スミット選手、
スウェーデンのビクトリア・ヘルゲソン選手、イギリスのジェナ・マッコーケル選手、
アシュリー・ワグナー選手、村上佳菜子選手の6人でしたが、
地上波生では下位4人がカットされてたんですね。
でも、BSの男子ショートの後にその4人の演技をちゃんと流してくれてたので、ナイスフォロー
◆まずは一番滑走のマロコ選手からです。
私はフランス女子だと2人のディディェちゃんぐらいしか憶えていなかったので、
彼女は今回のN杯が初見でしたが、
出だしから体で音楽を捉えるのがとても上手く、ムーディかつ躍動的で、
とても踊り心がある選手だなァと思いました。
ただ、ところどころ硬いところがあったし、ジャンプは精彩を欠いてしまったけれど、
そのジャンプが決まって演技に集中出来るようになれば、
きっと佳菜子ちゃんと同じくらいその表現で観客を惹きつけられる選手になるんではないかな~
とは言え、フランス女子はここのところ長らく低迷してるのが現状なので、
マロコ選手には是非!代表として今後も伸びてきて欲しいですね
それにしても、フランス女子はいつも衣装がシンプルだなァ。
それが返って彼女達のノーブルな美しさを引き立てていて、いいですけどね
◆お次はカナダのスミット選手です。
彼女も初見なので、本来の演技がどんなものかわからないのですが、
ま、GPS初参戦で緊張したのもあったのでしょう。
コンボにする予定のジャンプを転倒してしまい、続く3Fも2Fに、2Aも1Aになってしまった上に、
ステップでもよろけてしまってはTESは壊滅状態。
おまけに演技は硬いし、笑顔もなくではジャッジはおろか観客に印象づけられるわけもなく。
彼女にとっては今回は実力を十二分に発揮出来ない、ほろ苦いGPSデビュー戦となってしまいましたが、これに懲りず、また次の試合に向けて精度を磨いて欲しいですね。
個人的には、もう少し体重を絞ればジャンプコントロール出来るんじゃないかと思いますが、
どうでしょう?
◆続いてはいかにも北欧系らしい金髪美女、スウェーデンのヘルゲソン選手。
スカイブルーの衣装がとってもお似合いの彼女

最初のコンボは転倒してしまいましたが、3Loは入りから着氷までめっちゃ綺麗でしたね~
でも、曲がトゥーランドットの割にはステップがせわしないとゆーか、
私的にはあれはもっと優雅に情感豊かに滑って欲しいプロなので、
もう少し感情込めて滑って欲しかったし、それかせめてスパイラルが欲しかったな~と。
なんか、思えば私って、
スパイラルがあった頃はそんなにこのエレメンツが好きではなかったんですけど、
いざ無くなってしまうと男子との差別化を図る意味でも、
やっぱスパイラルはあった方がいいなァと思いだしまして。
だって、今季の女子、男子と同じ構成を見てるみたいで、
でも迫力や力強さ、プログラムの個性という点では女子はどう逆立ちしたって勝てないじゃないですか。
それだったら、やっぱり優雅さや美ポジを極めるしか方向性がないんじゃないかと思うんですよ。
技の難易度だって、3A跳べる選手は今のところ実質真央ちゃん一人だけで、
この先一足飛びに上がるもんでもないですからね。
反対にいくらスピンのバリエを増やすためとは言え、
今季のバカみたいな男子ドーナツ祭りもいただけないですけど
やっぱり、住み分けと差別化はきっちり図った方がいいんじゃないかなァ?
なんて、今回の大会を観て思ったことでした。
――話がそれましたね
それでも、彼女は滑っているだけで華がある選手なので、
これからどんどん技や表現を磨いて、外見にふさわしい演技をしてほしいですね!
◆お次は、ヴァンデルペレンの奥様でいらっしゃるマッコーケル選手です。
試合が終わった後は、真っ先に関係者席に2人で座って仲良く第二グループの演技を観てたマッコーケル選手。
ダンナのケヴィンもおっとこマエなスケーターで、日本人はあーゆー気骨のある選手が大好きですが、奥様のジェナもダンナに負けず劣らず漢前な滑りをするスケーターで(笑)
何たって、今回のプロが『死の舞踏』ですからね!
ジャンプは彼女の番になってよーやくコンボが入り、
長身なので動きがダイナミックで曲負けしてないところがさすがです
でも、惜しむらくは彼女もダンナと一緒でスピードがないんですよねー
あれでスピードが出てSSが上がり、リズム感がもう少しあったら最強なんだろーなーと思うんですけど、24歳という年齢を考えると今後はちょっと厳しいのかな?
もうひと華咲かせて欲しい気がします。
◆そうやって、なかなか変わり映えがしない選手がいるかと思えば、
ここ数年で格段にエレガントさを身につけたのがワグナー選手。
彼女はシニアデビューしたての頃はどちらかとゆーと、いかにもアメリカンガールって感じの、
ハツラツさを売りにしてた選手で、演技も割と荒削りな印象だったのに、
2年前くらいから、所作やスケーティングがすっかり女性らしく細やかな滑りに変わり、
加えて衣装も毎回素晴らしく丁寧でデザイン性に優れたものを着るようになって印象が見違えましたねー

特に私は昨季の韃靼人の紫衣装が超お気に入りだったので、
今季もどんなステキ衣装着てくれるかな~~
と思って楽しみにしていたら、
いや~~~、さすがアシュリーちゃん
期待を裏切らないドラマティックな超美麗衣装で私は双眼鏡ごしに思わずうっとり

(でも、実は今回私が一番気に入った衣装は、SP,FS合わせてコストナーです
)
そのアシュリー、演技では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に合わせて、
エレガントさに力強さまで備えた大人っぽい滑りで私達を魅了。
ジャンプも3F-2T、3Lz、2A全て決めノーミスの演技で大喝采。
これは55点以上は出る~~~!と思って期待していたんですが、
蓋を空けてみたら52.93点と意外に低い点数で。
今回は最高点を出せる筈の真央ちゃんがああいう点数だったので、
ルール改正され実施要素が男女とも減った今季の平均点数と上限っていうものが一体どれくらいなのか、皆さん実際本格的なコンペが始まるまで見当つかなかったと思うんですが、
どうやら今季は昨季に比べて5~7点前後くらい低いのかなーという気がしますねー。
でも、その全体の傾向が何となーくわかったのは男子のSPが終わってから。
なので、女子のSPが終わるまではスクリーンに映し出される点数を見ても、
皆イマイチ首をひねるよーな感じが続いてたと思います。
(だって、大輔くんのSPで78点とか、ここしばらくあり得なかった点数ですもの!
)
それでもこの時点でアシュリーはトップに躍り出ます。
◆そして、そんな点数に対する違和感をも一瞬吹き飛ばして、
彼女の持つとびきり明るくポップな世界に観客を連れて行ってくれたのが、
今季鳴り物入りでシニアデビュー初参戦を果たした村上佳菜子ちゃん

衣装はブロック大会の色違いって感じで、
シニアにしてはちょっと子供っぽいかな?とも思ったんですが、
まァ、あのSPには合っているのでいいですよね
この日の佳菜子ちゃんは6分間練習からジャンプキレキレで、
まるで水の中をスイスイ泳ぐ魚のように他選手の間をすり抜け滑っていく様は、
やっぱり観ていて思わず引きつけられます。
そして、演技開始直前のあの笑顔
あれで、会場中の笑いを誘い、
更に佳菜子ちゃん自身もジャッジの人が笑ってくれたので、自分も笑ってしまったと言っていたように、彼女の笑顔はホント、周りを明るくしますよね
その100万ドルの笑顔はもちろん、演技中も健在で
『ジャンピング・ジャック』の軽快な曲調に合わせて、まさに、はねる、ハジける、飛びまわる!
会場中に元気玉を振りまいて、
皆の視線を一気に集めたのはさすがとしか言いようがありません

ホント、ああいう演技をやらせたら佳菜子ちゃんはピカイチ
演技終了後、入退場口のところでファンからのプレゼントを受け取りそこないコケちゃったのもご愛嬌で、いい意味で会場の雰囲気を和らげてくれたと思います
そんな彼女の点数は56.10点で暫定1位
シニアデビュー戦としては申し分のない点数とアピールになったと思いますねー。
これで、否が応でもFSに対する期待が高まりましたよ~~~
――さあ、そして!
ここからは、いよいよ女子の第二グループです
メンツはゲデちゃんにキャロ、フラットにコルピ、コストナー、そして真央ちゃんと、そうそうたるメンバーで、皆それぞれいい演技が期待出来る選手ばかりだったのですが、
でもその中で6分間練習を見ていて大丈夫かな?と気になった選手が2人いました。
それは、キャロと真央ちゃんです。
キャロはまず、パッと見た瞬間、それが彼女だとはすぐに気付かなかったほど、
体がだいぶお育ちになってたこと。
特にあの鳩胸は、昨季の四大陸ではまだそれほどでもなかったのに、
今回いきなりすっかり女性らしい体型になってしまっていたので、ビックリしてしまって、
そして、そのせいかどうかはわかりませんが、
どうも滑っていても体が重そうだし、何よりこれが試合に挑む選手の姿か?と思うほど滑りに覇気がなかったこと。
とにかく何かオズオズしてて、ある選手とぶつかりそうになった時もやたら気にしてる風だったりして、
あんな集中力を欠いた選手も珍しいなァと思ったのです。
そして、真央ちゃんもまた、
今までの彼女だったら入って来た瞬間から会場中の視線を一気に集めてしまうほどのオーラをまとっていたのに、
今回はそれが全然なくて、気付くと6人の中にすっかり埋もれていたほど、
そのほっそりした体がより細く頼りなく見え、
私はこれから始まる試合の展開に一抹の不安を感じてしまうほどでした。
なので、どーも始まる前から不安でしょうがなかったんですが、
果たしてその結果は。
◆まず、第二グループの一番手はゲデちゃんです。
ゲデちゃん、金髪姿ももうすっかりおなじみになった感はあるものの、
私的にはアレ、あんまり好きではないんですよねェ
というのも、ただでさえ彼女ってナイスバディで、女性のフェロモンむんむんなのに、
今回の曲が『セル・ブロック・タンゴ』ときて、あの衣装にあの金髪だとちょっとケバ過ぎるとゆーか。
メイクまではさすがに現地ではわからなかったんですが、
テレビで観返すと、う~~ん、やっぱ不自然ですねェ
アレだったら、元のブルネットの方がずっと落ち着いていてナチュラルな色気があって良かったし、
てか、金髪なんかにしなくても、彼女は前のままでも十分キュートで魅力的だったのにね
なんか、とっても勿体ない。
で、そう思ったのは演技もおんなじで、
ジャンプ最初のルッツは綺麗に入ったものの、その後の3-3でオーバーターン、何でもない2Aもシングルになって、
彼女お得意のスピンでもイマイチ正確さに欠けていたのがとてもザンネンでした。
そして、やっぱり何かが足りないな~~と思ったら、
あのゲデちゃんの代名詞ともいえる柔軟性を生かした超美麗なI字スパイラル。
あれがあったればこそ、ジャンプ決まらなくても、多少ステップもたついても全部帳消しになったのに、
このプログラム全体が締まらない感じは、一体どーしたら解消するんだ
ああ~、つくづく物足りない!
◆そんな、漠然とした不満を抱えながら、次に滑ったのがキャロでした。
曲はまたも『リベルタンゴ』(苦笑)
(ホント、今季はタンゴやフラメンコ系が多いですねー。
ピアソラやロクサ、この日だけでどれだけ聞いたことか!)
彼女はジャンプの矯正をしてたようで、
今回あの独特のクセが治ってたのにはビックリしました。
そして、6分間練習では余り調子が良くなさそうだったジャンプも本番ではしっかり決めて、
スピンも相変わらず軸がぶれない美しいスピンだったので当初私が思ったより演技は良かったのですが、
でも、ジャンプ重そうに跳んでるのとか、スピードが以前に比べたら無くなったのがちと気にはなりましたねー。
現地で滑りがオズオズしてるように感じたのも、
テレビの解説でジャンプ矯正にともないスケーティングが崩れたと言っていたので、
それが原因だったんだとわかりましたけど。
けれど、こういう時はSPが良くても大概それより長く滑るFSでボロが出やすいもの。
私的には翌日のフリーに不安を残した出来だったと思います。
◆次に滑ったのは、そのキャロとは対象的に、
どっしりした安定感と何とも言えない貫禄が出てきた感のあるフラット選手。
彼女も体型的には今のキャロと変わらないちょっとぽっちゃり型のスケーターですが、
そのぽっちゃりが昔からだからなのか、ジャンプがそのせいで崩れるっていうのを見たことがないですよね。
今回も3-3こそ跳ばなかったものの、3-2をそつなくこなし、続く3Fも2Aも余裕で決めて、
ステップはまるでショーガールのように小粋にこなし、
一つの見せ物のように完成度の高いプログラムだったと思います。
衣装の着痩せ効果で、体のラインもとてもスッキリ見えましたし
点数的には佳菜子ちゃんに2.5点の差をつけられ暫定2位でしたけど、
FSでの地力と安定感を考えると余り気にならない差でもありましたね。
◆さて、続いては北欧の美女スケーター、コルピの登場です。
彼女、今季は珍しくヘン衣装じゃなくて、まとも衣装とゆーか
ふつーに綺麗なスカイブルーの衣装がとってもお似合いでしたね~~。
そして、やっぱり氷上のグリンダは、観ている私達をあっという間に魔法にかけてしまって、
まるで夢の世界にいるような気分にさせてくれました~~
ただ、彼女はジャンプに余り安定感がないので、
そこら辺もう少し改善されるともっと上へ行けるのになァ~と、
いつも思ってしまいます。
◆次に滑ったコストナーに関しては、
今回私はとにかくその衣装が超気に入ってしまいまして

あの背中まで配した黒のチュールレースを大胆に斜めにカッティングしたデザインも、
それにブルーの生地を合わせ、アクセントのように髪に刺した深紅の薔薇の配色がとにかく絶妙で、
私は双眼鏡越しに何度もうっとり
そして、その衣装に負けないくらいスタイリッシュに情熱的に踊ったフラメンコがまた素晴らしかった
ステップは大きく流れるよう。
その長い手足を使ったメリハリのある動きも、攻撃的でないくらいの投げかける視線も、
イヤミがなく彼女らしい所作にあふれていて、とても美しかったと思います。
何より、ここ数年安定してなかったジャンプをそつなくこなせたことが、
今回のプログラムを引き立てた要素の一つだったのではないかと。
これはもう、文句なく1位でしたねー。
ひょっとして今季のコスはイケるかも

そう思わせてくれるプロでした

◆さて。
最後はいよいよ、オーラス、真央ちゃんの登場です。
6分間練習からどれだけ気合い入れ直して来てるだろうと思って見てた彼女ですが、
やっぱりまだまだオーラも勢いも復活してなかった今回のSP。
最初の3Aが高さが余りなかったせいで両足になり、
3Lo-2Loも回転不足、そして3Fがすっぽ抜けではTESは出る筈もなく。
JOから引き続き同じようなミスの出方で、
矯正中とはわかっていても、ファンも本人もこの事態には思わず絶句してしまうのではないでしょうか?
特に私はあのフリップやルッツのタイミングの合わなさ加減がどうにももどかしく、
見ていて苦しくなってくるほどなんですが、
こないだの記事で私は彼女ならきっと戻って来られると書きましたし、その思いは今も同じなんですけど、
それでも実際本番でジャンプが跳べるかどうかの鍵は、
大輔くんが今季練習でクワド跳べてなくても、本番では気合いで跳べてるように、
やっぱり最終的には本人の気持ちの問題とゆーか、
いくら技術的に修整出来たとしても、肝心のハートがどこかで吹っ切って大胆にならないとダメだと思うんですよね。
それを今は待つしかないのかなーと。
でも、プログラム自体は他のタンゴとはちょっとテイストが違っていて独特のリズムだし、
真央ちゃんもそれに合わせてどこかアンニュイで大人っぽい雰囲気が出ていて、私はすごく気にいったので、
このままあの表現に情熱をプラスして極めていって欲しいですねー。
そして、ジャンプがダメでも、それはわかってやっていることだから、
余り演技中でもキスクラでも気落ちしないで欲しい。
目標もなく、何が悪いかもわからず不調なのよりはずっとマシなのだから。
女王としてほとんどのタイトルを取った彼女が、
こんな茨の道を敢て歩むなんて、並大抵の人には決して出来ないことです。
(だって、人はキャリアを手に入れたら大概は守りに入ってしまうものですからね)
でもだからこそ、そんなチャレンジャーな真央ちゃんを私達はどこまでも応援したくなるので、
彼女にはホント、今は長い目で見守ってあげる姿勢が必要なんでしょうね。
22日は皆ちょっぴりブルーな気持ちで帰った人が多かったかも知れません。
果たして23日はどうだったでしょうか。
大輔くんのSPマンボもいよいよ初披露です
第一グループはフランスのレナ・マロコ選手、カナダのダイアン・スミット選手、
スウェーデンのビクトリア・ヘルゲソン選手、イギリスのジェナ・マッコーケル選手、
アシュリー・ワグナー選手、村上佳菜子選手の6人でしたが、
地上波生では下位4人がカットされてたんですね。
でも、BSの男子ショートの後にその4人の演技をちゃんと流してくれてたので、ナイスフォロー

◆まずは一番滑走のマロコ選手からです。
私はフランス女子だと2人のディディェちゃんぐらいしか憶えていなかったので、
彼女は今回のN杯が初見でしたが、
出だしから体で音楽を捉えるのがとても上手く、ムーディかつ躍動的で、
とても踊り心がある選手だなァと思いました。
ただ、ところどころ硬いところがあったし、ジャンプは精彩を欠いてしまったけれど、
そのジャンプが決まって演技に集中出来るようになれば、
きっと佳菜子ちゃんと同じくらいその表現で観客を惹きつけられる選手になるんではないかな~

とは言え、フランス女子はここのところ長らく低迷してるのが現状なので、
マロコ選手には是非!代表として今後も伸びてきて欲しいですね

それにしても、フランス女子はいつも衣装がシンプルだなァ。
それが返って彼女達のノーブルな美しさを引き立てていて、いいですけどね

◆お次はカナダのスミット選手です。
彼女も初見なので、本来の演技がどんなものかわからないのですが、
ま、GPS初参戦で緊張したのもあったのでしょう。
コンボにする予定のジャンプを転倒してしまい、続く3Fも2Fに、2Aも1Aになってしまった上に、
ステップでもよろけてしまってはTESは壊滅状態。
おまけに演技は硬いし、笑顔もなくではジャッジはおろか観客に印象づけられるわけもなく。
彼女にとっては今回は実力を十二分に発揮出来ない、ほろ苦いGPSデビュー戦となってしまいましたが、これに懲りず、また次の試合に向けて精度を磨いて欲しいですね。
個人的には、もう少し体重を絞ればジャンプコントロール出来るんじゃないかと思いますが、
どうでしょう?
◆続いてはいかにも北欧系らしい金髪美女、スウェーデンのヘルゲソン選手。
スカイブルーの衣装がとってもお似合いの彼女


最初のコンボは転倒してしまいましたが、3Loは入りから着氷までめっちゃ綺麗でしたね~

でも、曲がトゥーランドットの割にはステップがせわしないとゆーか、
私的にはあれはもっと優雅に情感豊かに滑って欲しいプロなので、
もう少し感情込めて滑って欲しかったし、それかせめてスパイラルが欲しかったな~と。
なんか、思えば私って、
スパイラルがあった頃はそんなにこのエレメンツが好きではなかったんですけど、
いざ無くなってしまうと男子との差別化を図る意味でも、
やっぱスパイラルはあった方がいいなァと思いだしまして。
だって、今季の女子、男子と同じ構成を見てるみたいで、
でも迫力や力強さ、プログラムの個性という点では女子はどう逆立ちしたって勝てないじゃないですか。
それだったら、やっぱり優雅さや美ポジを極めるしか方向性がないんじゃないかと思うんですよ。
技の難易度だって、3A跳べる選手は今のところ実質真央ちゃん一人だけで、
この先一足飛びに上がるもんでもないですからね。
反対にいくらスピンのバリエを増やすためとは言え、
今季のバカみたいな男子ドーナツ祭りもいただけないですけど

やっぱり、住み分けと差別化はきっちり図った方がいいんじゃないかなァ?
なんて、今回の大会を観て思ったことでした。
――話がそれましたね

それでも、彼女は滑っているだけで華がある選手なので、
これからどんどん技や表現を磨いて、外見にふさわしい演技をしてほしいですね!
◆お次は、ヴァンデルペレンの奥様でいらっしゃるマッコーケル選手です。
試合が終わった後は、真っ先に関係者席に2人で座って仲良く第二グループの演技を観てたマッコーケル選手。
ダンナのケヴィンもおっとこマエなスケーターで、日本人はあーゆー気骨のある選手が大好きですが、奥様のジェナもダンナに負けず劣らず漢前な滑りをするスケーターで(笑)
何たって、今回のプロが『死の舞踏』ですからね!
ジャンプは彼女の番になってよーやくコンボが入り、
長身なので動きがダイナミックで曲負けしてないところがさすがです

でも、惜しむらくは彼女もダンナと一緒でスピードがないんですよねー

あれでスピードが出てSSが上がり、リズム感がもう少しあったら最強なんだろーなーと思うんですけど、24歳という年齢を考えると今後はちょっと厳しいのかな?
もうひと華咲かせて欲しい気がします。
◆そうやって、なかなか変わり映えがしない選手がいるかと思えば、
ここ数年で格段にエレガントさを身につけたのがワグナー選手。
彼女はシニアデビューしたての頃はどちらかとゆーと、いかにもアメリカンガールって感じの、
ハツラツさを売りにしてた選手で、演技も割と荒削りな印象だったのに、
2年前くらいから、所作やスケーティングがすっかり女性らしく細やかな滑りに変わり、
加えて衣装も毎回素晴らしく丁寧でデザイン性に優れたものを着るようになって印象が見違えましたねー


特に私は昨季の韃靼人の紫衣装が超お気に入りだったので、
今季もどんなステキ衣装着てくれるかな~~

いや~~~、さすがアシュリーちゃん

期待を裏切らないドラマティックな超美麗衣装で私は双眼鏡ごしに思わずうっとり


(でも、実は今回私が一番気に入った衣装は、SP,FS合わせてコストナーです

そのアシュリー、演技では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に合わせて、
エレガントさに力強さまで備えた大人っぽい滑りで私達を魅了。
ジャンプも3F-2T、3Lz、2A全て決めノーミスの演技で大喝采。
これは55点以上は出る~~~!と思って期待していたんですが、
蓋を空けてみたら52.93点と意外に低い点数で。
今回は最高点を出せる筈の真央ちゃんがああいう点数だったので、
ルール改正され実施要素が男女とも減った今季の平均点数と上限っていうものが一体どれくらいなのか、皆さん実際本格的なコンペが始まるまで見当つかなかったと思うんですが、
どうやら今季は昨季に比べて5~7点前後くらい低いのかなーという気がしますねー。
でも、その全体の傾向が何となーくわかったのは男子のSPが終わってから。
なので、女子のSPが終わるまではスクリーンに映し出される点数を見ても、
皆イマイチ首をひねるよーな感じが続いてたと思います。
(だって、大輔くんのSPで78点とか、ここしばらくあり得なかった点数ですもの!

それでもこの時点でアシュリーはトップに躍り出ます。
◆そして、そんな点数に対する違和感をも一瞬吹き飛ばして、
彼女の持つとびきり明るくポップな世界に観客を連れて行ってくれたのが、
今季鳴り物入りでシニアデビュー初参戦を果たした村上佳菜子ちゃん


衣装はブロック大会の色違いって感じで、
シニアにしてはちょっと子供っぽいかな?とも思ったんですが、
まァ、あのSPには合っているのでいいですよね

この日の佳菜子ちゃんは6分間練習からジャンプキレキレで、
まるで水の中をスイスイ泳ぐ魚のように他選手の間をすり抜け滑っていく様は、
やっぱり観ていて思わず引きつけられます。
そして、演技開始直前のあの笑顔

あれで、会場中の笑いを誘い、
更に佳菜子ちゃん自身もジャッジの人が笑ってくれたので、自分も笑ってしまったと言っていたように、彼女の笑顔はホント、周りを明るくしますよね

その100万ドルの笑顔はもちろん、演技中も健在で

『ジャンピング・ジャック』の軽快な曲調に合わせて、まさに、はねる、ハジける、飛びまわる!
会場中に元気玉を振りまいて、
皆の視線を一気に集めたのはさすがとしか言いようがありません


ホント、ああいう演技をやらせたら佳菜子ちゃんはピカイチ

演技終了後、入退場口のところでファンからのプレゼントを受け取りそこないコケちゃったのもご愛嬌で、いい意味で会場の雰囲気を和らげてくれたと思います

そんな彼女の点数は56.10点で暫定1位

シニアデビュー戦としては申し分のない点数とアピールになったと思いますねー。
これで、否が応でもFSに対する期待が高まりましたよ~~~

――さあ、そして!
ここからは、いよいよ女子の第二グループです

メンツはゲデちゃんにキャロ、フラットにコルピ、コストナー、そして真央ちゃんと、そうそうたるメンバーで、皆それぞれいい演技が期待出来る選手ばかりだったのですが、
でもその中で6分間練習を見ていて大丈夫かな?と気になった選手が2人いました。
それは、キャロと真央ちゃんです。
キャロはまず、パッと見た瞬間、それが彼女だとはすぐに気付かなかったほど、
体がだいぶお育ちになってたこと。
特にあの鳩胸は、昨季の四大陸ではまだそれほどでもなかったのに、
今回いきなりすっかり女性らしい体型になってしまっていたので、ビックリしてしまって、
そして、そのせいかどうかはわかりませんが、
どうも滑っていても体が重そうだし、何よりこれが試合に挑む選手の姿か?と思うほど滑りに覇気がなかったこと。
とにかく何かオズオズしてて、ある選手とぶつかりそうになった時もやたら気にしてる風だったりして、
あんな集中力を欠いた選手も珍しいなァと思ったのです。
そして、真央ちゃんもまた、
今までの彼女だったら入って来た瞬間から会場中の視線を一気に集めてしまうほどのオーラをまとっていたのに、
今回はそれが全然なくて、気付くと6人の中にすっかり埋もれていたほど、
そのほっそりした体がより細く頼りなく見え、
私はこれから始まる試合の展開に一抹の不安を感じてしまうほどでした。
なので、どーも始まる前から不安でしょうがなかったんですが、
果たしてその結果は。
◆まず、第二グループの一番手はゲデちゃんです。
ゲデちゃん、金髪姿ももうすっかりおなじみになった感はあるものの、
私的にはアレ、あんまり好きではないんですよねェ

というのも、ただでさえ彼女ってナイスバディで、女性のフェロモンむんむんなのに、
今回の曲が『セル・ブロック・タンゴ』ときて、あの衣装にあの金髪だとちょっとケバ過ぎるとゆーか。
メイクまではさすがに現地ではわからなかったんですが、
テレビで観返すと、う~~ん、やっぱ不自然ですねェ

アレだったら、元のブルネットの方がずっと落ち着いていてナチュラルな色気があって良かったし、
てか、金髪なんかにしなくても、彼女は前のままでも十分キュートで魅力的だったのにね

なんか、とっても勿体ない。
で、そう思ったのは演技もおんなじで、
ジャンプ最初のルッツは綺麗に入ったものの、その後の3-3でオーバーターン、何でもない2Aもシングルになって、
彼女お得意のスピンでもイマイチ正確さに欠けていたのがとてもザンネンでした。
そして、やっぱり何かが足りないな~~と思ったら、
あのゲデちゃんの代名詞ともいえる柔軟性を生かした超美麗なI字スパイラル。
あれがあったればこそ、ジャンプ決まらなくても、多少ステップもたついても全部帳消しになったのに、
このプログラム全体が締まらない感じは、一体どーしたら解消するんだ

ああ~、つくづく物足りない!
◆そんな、漠然とした不満を抱えながら、次に滑ったのがキャロでした。
曲はまたも『リベルタンゴ』(苦笑)
(ホント、今季はタンゴやフラメンコ系が多いですねー。
ピアソラやロクサ、この日だけでどれだけ聞いたことか!)
彼女はジャンプの矯正をしてたようで、
今回あの独特のクセが治ってたのにはビックリしました。
そして、6分間練習では余り調子が良くなさそうだったジャンプも本番ではしっかり決めて、
スピンも相変わらず軸がぶれない美しいスピンだったので当初私が思ったより演技は良かったのですが、
でも、ジャンプ重そうに跳んでるのとか、スピードが以前に比べたら無くなったのがちと気にはなりましたねー。
現地で滑りがオズオズしてるように感じたのも、
テレビの解説でジャンプ矯正にともないスケーティングが崩れたと言っていたので、
それが原因だったんだとわかりましたけど。
けれど、こういう時はSPが良くても大概それより長く滑るFSでボロが出やすいもの。
私的には翌日のフリーに不安を残した出来だったと思います。
◆次に滑ったのは、そのキャロとは対象的に、
どっしりした安定感と何とも言えない貫禄が出てきた感のあるフラット選手。
彼女も体型的には今のキャロと変わらないちょっとぽっちゃり型のスケーターですが、
そのぽっちゃりが昔からだからなのか、ジャンプがそのせいで崩れるっていうのを見たことがないですよね。
今回も3-3こそ跳ばなかったものの、3-2をそつなくこなし、続く3Fも2Aも余裕で決めて、
ステップはまるでショーガールのように小粋にこなし、
一つの見せ物のように完成度の高いプログラムだったと思います。
衣装の着痩せ効果で、体のラインもとてもスッキリ見えましたし

点数的には佳菜子ちゃんに2.5点の差をつけられ暫定2位でしたけど、
FSでの地力と安定感を考えると余り気にならない差でもありましたね。
◆さて、続いては北欧の美女スケーター、コルピの登場です。
彼女、今季は珍しくヘン衣装じゃなくて、まとも衣装とゆーか

ふつーに綺麗なスカイブルーの衣装がとってもお似合いでしたね~~。
そして、やっぱり氷上のグリンダは、観ている私達をあっという間に魔法にかけてしまって、
まるで夢の世界にいるような気分にさせてくれました~~

ただ、彼女はジャンプに余り安定感がないので、
そこら辺もう少し改善されるともっと上へ行けるのになァ~と、
いつも思ってしまいます。
◆次に滑ったコストナーに関しては、
今回私はとにかくその衣装が超気に入ってしまいまして


あの背中まで配した黒のチュールレースを大胆に斜めにカッティングしたデザインも、
それにブルーの生地を合わせ、アクセントのように髪に刺した深紅の薔薇の配色がとにかく絶妙で、
私は双眼鏡越しに何度もうっとり

そして、その衣装に負けないくらいスタイリッシュに情熱的に踊ったフラメンコがまた素晴らしかった

ステップは大きく流れるよう。
その長い手足を使ったメリハリのある動きも、攻撃的でないくらいの投げかける視線も、
イヤミがなく彼女らしい所作にあふれていて、とても美しかったと思います。
何より、ここ数年安定してなかったジャンプをそつなくこなせたことが、
今回のプログラムを引き立てた要素の一つだったのではないかと。
これはもう、文句なく1位でしたねー。
ひょっとして今季のコスはイケるかも


そう思わせてくれるプロでした


◆さて。
最後はいよいよ、オーラス、真央ちゃんの登場です。
6分間練習からどれだけ気合い入れ直して来てるだろうと思って見てた彼女ですが、
やっぱりまだまだオーラも勢いも復活してなかった今回のSP。
最初の3Aが高さが余りなかったせいで両足になり、
3Lo-2Loも回転不足、そして3Fがすっぽ抜けではTESは出る筈もなく。
JOから引き続き同じようなミスの出方で、
矯正中とはわかっていても、ファンも本人もこの事態には思わず絶句してしまうのではないでしょうか?
特に私はあのフリップやルッツのタイミングの合わなさ加減がどうにももどかしく、
見ていて苦しくなってくるほどなんですが、
こないだの記事で私は彼女ならきっと戻って来られると書きましたし、その思いは今も同じなんですけど、
それでも実際本番でジャンプが跳べるかどうかの鍵は、
大輔くんが今季練習でクワド跳べてなくても、本番では気合いで跳べてるように、
やっぱり最終的には本人の気持ちの問題とゆーか、
いくら技術的に修整出来たとしても、肝心のハートがどこかで吹っ切って大胆にならないとダメだと思うんですよね。
それを今は待つしかないのかなーと。
でも、プログラム自体は他のタンゴとはちょっとテイストが違っていて独特のリズムだし、
真央ちゃんもそれに合わせてどこかアンニュイで大人っぽい雰囲気が出ていて、私はすごく気にいったので、
このままあの表現に情熱をプラスして極めていって欲しいですねー。
そして、ジャンプがダメでも、それはわかってやっていることだから、
余り演技中でもキスクラでも気落ちしないで欲しい。
目標もなく、何が悪いかもわからず不調なのよりはずっとマシなのだから。
女王としてほとんどのタイトルを取った彼女が、
こんな茨の道を敢て歩むなんて、並大抵の人には決して出来ないことです。
(だって、人はキャリアを手に入れたら大概は守りに入ってしまうものですからね)
でもだからこそ、そんなチャレンジャーな真央ちゃんを私達はどこまでも応援したくなるので、
彼女にはホント、今は長い目で見守ってあげる姿勢が必要なんでしょうね。
22日は皆ちょっぴりブルーな気持ちで帰った人が多かったかも知れません。
果たして23日はどうだったでしょうか。
大輔くんのSPマンボもいよいよ初披露です
