華氷~はなごおり~

氷上に咲く花・・・フィギュアスケート。
ここは、そんなスケーター達にエールを送るブログです。(でも、時々脱線話もアリ)

中部ブロック大会 結果と感想

2009-09-30 09:49:00 | コンペ
スケ連のリザルトページの更新を待っていたら、UPが遅くなってしまいましたが、やっと出ましたね!


25日から3日間を通して行われた中部ブロック大会が終わりました~(^-^)


今回、シニア男子では、小塚くんと無良くんの現在男子フィギュアの次世代代表同士のガチンコ勝負と、
女子では残念ながら浅田舞ちゃんが棄権したものの、あっこちゃんの表現力に水津さんのダンスセンスがどこまで迫れるかという新たな興味に、
ジュニア女子では先日のJGPSで見事優勝した村上佳菜子ちゃんの成長っぷりを拝見できるという、見どころ満載なコンペだったせいか、観客も満員御礼、報道陣もけっこーな数が来てました!

そして、私としては、上位選手が沢山出場することによる試合自体のレベルの底上げも期待したんですが、
結果は、蓋を開けてみるとその上位選手とそれ以下の選手との差が歴然と表れてしまった大会になったように思います。


そして、シニアの二人の差というか、そのコントラストも浮き彫りになったとゆーか。



なので、詳しい順位や点数はリザルトを見ていただくとして、今回は男女シニアの二人の対比とその他の注目選手についての感想を中心に書いていこうと思います。



ではまず、シニア女子からです。

総合順位は以下の通り。

1 鈴木明子 182.06
2 後藤亜由美 140.76
3 日置檀 130.04
:
6 水津瑠美 113.73

SPではあっこちゃんと水津さんは同じグループでした。

あっこちゃんは黒とオレンジのとっても華やかな衣装で、水津さんも紫だったかな?ちょっとうろ覚えですが、系統としてはナディアの時のようなオリエンタルな感じの衣装でとてもよく似合っていました。

そして、この二人SPの曲があっこちゃんは『アンダルシア』、水津さんがcobaの『Tanghesta』で共に情熱系の曲、振り付けも同じみやけんさんというかぶりっぷり。


先に演技したのはあっこちゃん。

ちょっと昨季のEX、『リベルタンゴ』を彷彿とさせるパッションを全面に押し出した内容で、まさにあっこちゃんの得意路線!
特にラストのSlstがハマりまくりで超カッコいい!!

情熱的な音楽にのってキレのあるステップを踏み、スピード感の中にもメリハリのある構成でとてもドラマティックだったし、PCSも他の選手がほぼ5点台しか出ていないところ、一人だけ6点台後半から7点台前半をマークしていて、中には8点をつけてるジャッジもいましたから、もう、何とゆーか貫禄勝ちみたいなもんですよね。

ジャンプもとても綺麗に決まってました。

そしてFSでは一足先にFOIでお披露目していて、シェイリーンの振り付けらしい大胆かつキュートな演技がとても印象的だった『ウエストサイドストーリー』。


演技は冒頭のポージングから既に入り込んでいて、いきなり観る者をグッと惹きつけます。
映画のサントラのいいところは、選手の演技に合わせてその情景を重ね感情移入出来るところにあると思うんですけど、
まさにこのプロは『トゥナイト』などの有名な楽曲を効果的に使って、ラストのSlstまで一気に盛り上げてくれるので、観てる方もとても気持ちいい。
今季は五輪シーズンの割には今のところ王道プロが少ないように感じられる中、わかりやすく安心して観れるプロとでも言いましょうか。

まァ、しいて苦言を呈するとすれば、SP,FS両方ともテイストがちょっと似てるとこですかね。

あと、あっこちゃんは以前からそういう傾向があるように思うんですが、
FSの時のジャンプが、全部決めはしたもののちょっとつまり気味だったんです。

例えば冒頭の3Lz-2T、彼女は助走が長いのかな?
かなりショートサイドの角ギリギリでルッツを跳ぶため、セカンドジャンプがどうしても窮屈な跳び方になっちゃうので着氷が上手く流れないんですよね。
3Loからのシークエンスもそんな印象を受けたので、加点を多く貰ったり転倒を防ぐためにはもう少しそこら辺の改善がいるのかなぁと。

ジャンプのコンボが少なかったのは、本人も言ってたように攻める気持ちが足りなかったようですが、ま、地方大会でほぼ一人勝ちの状況の中、100%の力を出すにはモチベーションが上がり切らなかったのかも知れませんね。

GPSでの戦闘モードに期待したいと思います!!


一方、水津さんはと言えば、SPはcobaの洒落たタンゴ調の曲に合わせ、それなりに踊れてはいるんですが、やっぱりあっこちゃんの後ということもあり、どうしてもその曲への入り込み具合というか、内側から発せられるパッションの表出の仕方に物足りなさを感じてしまいました。

FSでも、『スペイン舞曲』という民族音楽的な曲調で彼女には合っていたにも関わらず、ジャンプがとにかく良くなくて。

冒頭の3T-2Tを決められたので、これはいくか!?と期待をしたその矢先に2T。
その後の3Loとシークエンスもステップアウトみたいな感じでしたし、ラストの2Aもうまくいかなくて、
SPでも3T-3T,3Lo<,1Aではやはり種類も精度も見劣りしてしまいます。

で、ジャンプが決まらないと、どうしてもその他の演技やエレメンツが雑になり、動きも硬くなってしまうので、どこか心ここにあらずみたいな感じに見えてしまうんですよねー。


演技自体も、彼女は持っている雰囲気はとてもいいものがあるのに、ちょっとクールなところがああいうSPのような情熱系の曲を踊る時にはマイナスになってしまうのが残念だと思います。

エキゾチックで不思議感たっぷりな『ナディア』はその点を上手くカバー出来てたので、どうせなら、そういうクールさを生かしたプロの方が彼女にはやりやすいんじゃないかなーと思うんですが、いつもそういうテイストばかりやるわけにもいかないし、
う~ん、難しいところですね。

ポーカーフェイスなところも気にはなりますが、とにかく、現状を打開するにはジャンプの精度をあげることかな。

スタイルもいいし、美人さんなので、もう一皮むけてくれるといいですね!!




さて、お次はシニア男子です。

――と行きたいところですが、その前にノービスAの宇野昌磨くんとジュニア女子の村上佳菜子ちゃんの話を先に取り上げたいと思います。
(お楽しみは後にとっておきましょう~~


ノービスAの順位はこちら。

1 宇野昌磨 94.40
2 ンボェ ジェフ 朝光 64.39
3 竹内孝太朗 53.66


今年で小学6年生になった昌磨くん。

相変わらず背はそんなに伸びてないのですが、顔立ちが以前よりだいぶ男の子っぽくなってきてました!


そして、今回のプロは新プロで『リバーダンス』。

私の現地でのヲタ仲間さんが彼のけっこーなファンなんですが、
昌磨くんはもう、何とゆーか、ミラクルですね!

だって、あんな小さいのにジャンプは3回転をフリップまで跳べるようになったみたいだし(しかも回転軸が細くて速い!)スピンも今回オールレベル4で、更に表現力もハンパないなんて、
これを奇跡と呼ばずして何と言いましょうか!?(笑)

いや、そりゃあ、皆、あの見た目の小ささにごまかされてる部分もあるかも知れませんけど、
でも、考えてみたらあれですね。
昌磨くんのあのジャンプの正確さやコンパクトな滑りは、小さいからこそ安定してるのかも知れないな~。

今回観て、改めてそう思いましたが、彼もこれからいよいよ第2次成長期に入っていき身長もグンと伸びる時期が来るでしょう。

その時彼のスケートがどう変化するか。

それを見届けたい気もしますね。


現在目覚ましい成長っぷりを見せる羽生くんのように、このまま順調に育ってくれるといいなぁと切に願います!




――そして、昨季辺りから、まさに若木のようにすくすく育ち、可憐で瑞々しい花を咲かせつつあるのがジュニア女子の村上佳菜子ちゃん。

順位は以下の通りです。

1 村上佳菜子 164.53
2 大庭雅 116.85
3 近藤里奈 115.56


彼女、すごく貫禄がつきましたね~~!びっくりしました!!


身長は彼女も他の子と並ぶと小さめなのに、リンクに上がるととても大きく見えるようになったし、
(昨季ははつらつとしてゴムまりのようだったところが目立ってはいましたけど、身長は小さいままに見えました。ってゆーか、実際身長も伸びたのもあるんでしょうけどね^_^;)
でも、何よりシニアの選手並みのオーラを身につけつつあるのがすごい!と思ってしまった。

演技もSPでは、JGPSの動画で観たのと同じフラメンコの曲を、とても大人っぽく、しなやかな動作も入れながらこなしていて、一人別次元!

元々ダンスが好きで、昨季のプロはその音感の素晴らしさとダンスセンスの良さで際立っていましたが、今季のプロでは更にその難度を上げてきている感じで、演技にスキがなくなってるとでも言いましょうか。


FSでもそれは見事に発揮されていて、あっこちゃんと同じく、もう、冒頭のポーズから既に音楽の世界に入り込んでいるところもジュニアらしくなかったし(笑)、一つ一つの所作もとても形になっていてすごく綺麗でした。

リズム感に関しては、ホント、天性ですよね!

そして、ジャンプはSP,FSともノーミス、
しなやかに、伸び伸びと、まるでさえぎるものが何もない天空目指してどこまでも枝葉を伸ばしていく若木のように、爆発的な可能性と才能を感じさせた今回の演技、
私は真央ちゃんの、'05-'06年GPF以前をほとんど知らないのですが、
きっと彼女もこんな過程と印象を皆に与えながら、あの衝撃的なブレイクを果たしたんだろうなぁと思います。


選手がグンと成長する姿をこの目で目の当たりに出来るって、ホント、我がことのように嬉しいし、ウキウキしますよね!

他の選手でこんな感覚を感じさせてくれる子が少なかったのが、残念ではありますが(特に、昨季まで良かった松原彩華ちゃんが今回は不調で、なんと総合11位だったのですFSは良かったんですけどねー)、
佳菜子ちゃんには、是非今季の全日本で台風の目になって欲しいですね!





さぁ、では、お待ちかね!

いよいよシニア男子です!!(>▽<)

ところで、私はコンペの中では競技の前の6分間練習を見るのが大好きなんですが、皆さんはどうですか?

で、フィギュアの大会をノービス辺りからずっと見て来て、どのカテゴリーも興味深く観られるのは観られるんですけど、一番心躍るとゆーか、ワクワクするのが、シニア男子の6分間練習なんです!

何たって、リンクに入って来る時の勢いから始まって、いきなり女子とは格段に違うスケーティングの力強さとスピード感を感じられるのがたまらないし、
その内ぐいぐいとスピードを上げながらリンクを何周かした後跳ぶジャンプのその高さと迫力!!

これがたまりませんね~~

・・・目線が変わる快感?とでも言いましょうか。

空を切り裂くような風が巻き起こり、明らかに空間を支配する各選手の密度が濃くなって、ピリピリとした緊迫感と張りつめた空気感がまるで武道の試合や居合の場にいるような、そんな“男の戦い”の前哨戦って感じで、こっちまでアドレナリンが高まるのがよくわかるので、ほんっと、ワクワクします(>▽<)!!

尚且つ、今回は小塚くんと無良くんとの一騎打ちみたいな空気が最初から流れてましたからね~。
(おかげで佐野くんはすっごくやりにくかったと思いますけど


とにかく、小塚くんは、そのスケーティングを見てるだけでうっとりするし、
無良くんは4Tと3Aがもう、彼にとって最近のお約束みたいにバンバン跳んでくれるもんだから、その豪快さと迫力に会場中どよめきの嵐で。


私、前にも一度書いたことがあるように思うんですけど、小塚くんって、練習の時なにげにゆっくり円を描きなが同じところをグルグル回ってることが多くて、その時に氷上に描かれる円がですね、
とってもキレイな丸=真円なんですよ~~!

これって、大したことないように思うかも知れませんけど、地味にすごいですよね!
それだけ彼のエッジ使いが毎回正確で精度が高いってことですもん。

私、それを発見した時、ちょっとカンドーしてしまいまして。


ああいうことを毎回きちんと出来るからこそ、彼のスケーティングはまるでアルファ波が出てるような心地よさを与えてくれるんだな~と。

そして、あれは、ある意味小塚くんにとっての一種の精神統一のためのルーティンなんではないかとも思っていた矢先、
彼はFSでの6分間練習の、まさにその円を描いてる時にポコッとお尻からコケてしまいまして。

その前だったかに無良くんが豪快に4Tを決めて、会場中が湧いたんですね。


果たしてそれが、小塚くんの心理になんらかの影響を与えたかどうかは、私には測りかねますが、結果はちょっと前にプロの手直しをしたばかりでまだ十分な練習が出来ていなかったというフリーの演技に、微妙な影を落としたんではないかと推測していますが、さて。


SPは最高でしたね!

THE ICEで初披露した時より格段に演技の質が向上していて、本人も「自分のものに出来ている」と言っていた通り、粋でちょっとばかりとんがったロック魂みたいなものを感じさせてくれてました

特に私は出だしの一連のポーズがお気に入りかな~。

あ、それと、小塚くん、首を使えるようになってきましたね~~。


大輔くんもトリノ当時、頭をガーッと回すのが自分の専売特許みたいに言ってた時期がありましたが、あの頭をくいんと回す仕草は独特の色気を醸し出すのでいいですよね!

それと、やっぱり彼はなんと言っても足元!!

あの足さばきを見てるだけでご飯3杯はいけちゃうとゆーか(笑)、ホント、小塚くんのあの足元の饒舌さは反則です!

加えて、彼、最近体型が変わってきたせいでしょうか?

今回SP、FSともに仮衣装のままでやったんですが、FSはあれ、'06-'07シーズンの時のビートルズメドレーの衣装だから余計違いが際立つんですけどね、
形としては何の変哲もないふつーのシャツにパンツスタイルなのに、全身黒効果もあるんでしょうが、すごーーーーーくスタイルがよく見えるんですよ!!

ま、私は元々、大輔くんのあのやたら細い腰回りも好きなんで、そこら辺は筋金入りなんですが、
小塚くんのバアイ、身長もある程度ある上、足の長さも平均的、おまけに顔がけっこー小さいので余計理想的なスタイルに見えるのかな?

男性は外見がシンプルなほど、体型の良さが際立つので、あのシンプル衣装は私には返って好印象、
試合が始まるまでは違う型やデザインを希望してましたが、今はむしろあのままがいいな~なんて、勝手なことを思っとります、ハイ(^_^;)

いや、でも、マジで、カッコいいんですよ、小塚くん!!
(あとは、オフを近くで見るとまだちょっとお顔がしまってないので、あくまでも試合モードを遠目に見るのがイイですね!)


――って、

話がずれてしまいました


演技についてです。


SPは完璧にこなして、昨季の同大会を上回る83.35点というハイスコアを出した小塚くん。

けれど、FSは前述した通り、自信のなさが動揺に繋がってしまったのか、冒頭4Tになる筈が、すっぽ抜けた形の2Tに。
次の3A-3Tや3Lz-2T-2Loは綺麗にまとめますが、続く3Loからのコンビが1Tのシークエンス扱いになってしまいます。
そして2回目の3Aも1Aに。
FOIで見せたロングイーグルは半分くらいになり、ハイドロもなくなって代わりに3Fと3Sのジャンプが入ったためでしょうか?
ちょっとプロの全体の印象が薄くなったような感じがしましたし、やっぱり演技自体まだこなれてない感じでした。

でも、曲の世界に入り込めるようになって、独特の間の作り方が出来るようになれば、あのプロはかなり他にはない印象的なプロになるような予感――即ち、小塚カラーが出来つつあるような気が私はするので、
彼には己の信じる道をコツコツと歩んでいって欲しいかなー。

今度のJOが楽しみです!!



そしてそして、昨季から小塚くんと共に躍進目覚ましい無良くんですが。

――あれは、'07-'08シーズンの全日本でしたっけ。
あの時はなみはやに、私は男子SPの日だけ観に行ってたんですが、地下鉄の駅を出てすぐのところにあるコンビニの前に無良くんがいまして。

今でもその時の彼の姿はよく憶えてるんですが、まだ背も小さく体型も細っこくて、顔立ちも女の子のようっだったのが、まさかこんなに男っぽく逞しいアスリートに成長するとは思ってもみませんでしたね~(-0-)
(しかも、しっかりジャンパー体型!)
ホント、男の子って、1,2年でガラッと変わっちゃいます。


そして、変わったのはその外見だけでく、演技スタイルもそうですよね。

一体誰が、彼があんなにジャンプにこだわる人間だと予想出来たでしょう??(笑)


最新のDaysプラスでも、クワド、ルールに関係なくやるときゃやる!なんて頼もしいこと言ってますし、
とにかく今の無良くんには若さゆえの勢いとかガッツとかやる気の塊が、それこそひとまとめになってものすごい上昇気流をつくり上げているような、
そんなエネルギーの爆発を感じて、ジュベやひと昔前のヤグプルを見る時のように、これぞまさしく男子の醍醐味!!を味あわせてくれるのでスカッとしますね~~~(>▽<)

とにかく、6分間練習から3Aは跳ぶわ、クワドは跳ぶわ、
しかも3Aなんか高さがある上にショートサイドギリギリででっかいのをガツンとやってくれるもんだから、どよめきもすごいんだけど、肝も冷えるわでまるでやんちゃ坊主を見てる親のよーな気分になっちゃいます(苦笑)


クワドは確か、この間どこかの試合で認定されたんでしたっけ?

これに関しては小塚くんより無良くんの方が勢いとパワーで先にモノにしちゃいそうな感じがしますけど、
ただ、スケーティングの質に関しては、まだまだ小塚くんの方に一日の長がありますかね~。

やっぱり、小塚くんのあの端正で氷に吸いつくようなスケーティングに比べると、まだまだ無良くんのそれは、荒くて雑な印象を受けるので。


でも、SPは曲の繊細さもあって余計その雑感が浮き彫りになった感のある彼の滑りも、FSの『ゲティスバーグ』のような勇壮な曲では、返ってその荒さがいい意味で男らしさや大胆さを醸し出していて良かったし、一転スローパートではしなやかで柔らかい動きも身につけていて、ちょっとびっくり!

あれは、タダモノではない予感!?

とにかく、FSはそういう点で、とても力強くありつつも繊細でドラマチックに演じていて、見ごたえがあったのは確か。

また新たな彼の魅力を発見した感じで、感動してしまいましたよ~~!



そう思うと、今季の男子の上位組は実に個性豊かな演目が揃いましたよね!

織田くんのFSもこの間You Tubeにあがってたのを見ましたけど、チャップリンのコミカルな演技を随所に取り入れていて面白いものに仕上がっていましたし(ただ、ラストがちょっと盛り上がりに欠けるのと、CistとSlstが似たような感じだったのが気になるかな~)
後は大輔くんの『道』さえ観られれば、これで男子のカードは全て出揃うわけで、
こんなにクオリティが高くて個性豊かな日本男子の演技を、今、この目でリアルタイムで見られることの幸せを噛みしめずしてどうする!!って感じでしょうか(笑)

いや~、ホント、ファン冥利に尽きますね



最後に今回のシニア男子、順位が後回しになりましたが、

1 小塚崇彦 224.97
2 無良崇人 214.41
3 佐野準規 144.46

でした。

FSでは無良くんが141.89点、小塚くんが141.62点でわずかの差ではありますが、PCSは低かったもののジャンプの点数で無良くんが勝っています。
けれど、これで小塚くんがジャンプをきちんと決めてくるとどうしたってPCSの差で無良くんは引き離されてしまうのが明確なので、今後彼はやっぱりスケーティングスキルやつなぎの部分など改善していかなくてはいけないでしょうね。

そして、小塚くん自身も、もう少しジャンプを確実に跳べるようにした方がいいでしょうし、PCSの表現面でまだ上位選手に比べて足りないところがあると思うので、そこら辺を頑張って欲しいかな。



振り返ってみると、
今大会は、いち地方の大会という枠に納まりきらないほどのクオリティを見せてくれた大会になり、こんなのタダで観られていいのかしらん!?と思うほどお得感に満ちた大会でしたが、
けれど、と同時にこれだけ沢山の選手がいても、そこから抜きん出て頭角を現し、常に上位の成績を残し続けられるのはほんの一握りの選手だけなんだなーいうことも激しく実感してしまった大会でもありました。


やはり、競技の世界は厳しいですね。

特にフィギュアは選手生命が短く維持するには沢山のお金がかかることからも、本人には常に現実と向き合う理性も必要なんだろうなーと、素人ながら思ってしまい、私的にはちょっぴりほろ苦い大会となってしまいましたよ


なので、ここまで散々上から目線で勝手なことをほざいて来た私の素人意見など気にせず、選手達には今出来ることをとにかく精一杯やって欲しいなーと改めて思いましたね!!(まァ、選手はこんないちブログの存在など気にもしないでしょうが^_^;)



明日から10月です。

来週には大輔くんの出るフィンランディアが始まって、その翌週はGPSもいきなり目玉のフランス戦が始まります。
そしたらバンクーバーまでなんか、あっという間。


何だか、とてもドラマティックな展開が待っていそうで、この冬はきっとどのシーズンより熱い季節になりそうですね!!


9/25 日経記事

2009-09-25 23:02:05 | 高橋大輔
皆さん、今日発売の日経とスポルティーバはGET出来ましたか~~?

私はスポルティーバは近くの書店では手に入らないので、明日モリコロへ行く途中ででもGETしようかなーと思ってます。


――で、日経記事ですが。


いやあ~、今回もまた実に読み応えありましたね~~~(>▽<)
(てか、あまりに中身がありすぎて抜粋出来ない


とにかく、

大輔くんの心と体の変化が、すごくよく理解出来た感じ。


特に私は今回心の変化の方に感心してしまいました。


携帯メールをチェックしなくなったこととか、本人曰く「ずうずうしくなった」こととか――。

リンクに出て行くのに、いっつも遠慮して最後に出ていっていた、あの大輔くんなのに。



・・・なんか、もう、これ読んだら怖いものなしって感じ(笑)


今まで弱いと言われていたメンタル面や技術面の課題がこうも次々とクリアされちゃったら、ファンはこれ以上一体何を心配すればいいんでしょう!?!?
(しかも栄養面すら、味の素がついちゃったし!!)



日スケ連の加藤トレーナーじゃないですけど、
ホント、怪我をしてここまで変われる人間はそうはいないですよね!



あと、今回の記事を書いた原真子さんって、確か前回の「駆ける魂」の記事も書いてた人のような。


きっと、彼女の目にも、明らかに変化した“新生高橋大輔”の姿が見えているんでしょうね





フィンランディアがただひたすら「楽しみ」です!!


中部ブロック大会が始まります!

2009-09-25 00:55:01 | コンペ
この間のJOの番宣に大輔くんがちらっと出てたようですね。

関東圏限定だったので、You Tubeに上がってないか昨日から見てたんですけど、今のところないようで

だから、大輔くん関連のニュースは、明日のスポルティーバ発売と日経の記事が出るまでは少しお休み。



そんな中、私の地域では明日25日から(ってゆーか日付はもう今日ですが)27日まで、モリコロにて今年で3回目の観戦となる中部ブロック大会が始まります!

出場する主な選手は、
ノービスA男子に宇野昌磨くん、女子に本郷理華ちゃん、
ジュニア男子は、今年は木原くんが出てなくて(おそらく彼はJGPSに出場するため)辻馨くんが唯一メイン
女子は村上佳菜子ちゃん出てくれますね~
後は、渡辺真央ちゃんや松原彩華ちゃんがおなじみの顔です。

そして、シニア、

男子は小塚くんと無良くんの若手対決が見られます!!
(きゃ~~ッ、超楽しみ

それから女子も見どころ多いですねー。

後藤亜由美ちゃんに水津瑠美ちゃん、浅田舞ちゃんはもちろんいるし、中村愛音ちゃん、鈴木明子ちゃん、日置檀ちゃんと、全日本クラスが目白押し!!


日程も今回、私的にはかなり都合のよいスケジュール。

前回は残念ながら観られなかった宇野昌磨くんが今回は観られるし、
中日はキツイんですけれども最終日はシニア男子が最後で8時には終わるので、去年小塚くんがファンのために握手&ツーショット会を開いてくれてて、私も運よくお話することが出来ましたし。

――あ~、でも、
今年は無良くんもいるからちょっとわかりませんね。

二人共昨季の活躍でネームバリューが上がってきてるので、混乱を避けるためにも今年はやらないかも。


ま、それはあくまで地方大会ならではのオマケみたいなもの。

メインはあくまでコンペなので、今回はとにかく上記男子二人のガチンコ対決と、女子の水津、浅田、鈴木の3人がどこまでお互いを意識した演技を見せられるかに焦点を当てたいと思います(^◇^)



それにしても、この辺りから大体月イチでコンペ観戦が入ってくるようになるので、子供達とうちのダンナ様にはホント、ゴメンナサイ&ありがとう!ですm(__)m


皆様もお近くにお住まいで、時間の都合がつく方は是非行かれてみてはいかがでしょうか?


お天気も良いようですしね!



追記:25日付けの朝日新聞記事で、無良くん、今季のプロはSP,FS共に4回転を入れてくるとのこと!

これはますます楽しみですね!!(>▽<)


ピート・バーンズ考 【整形編】 4

2009-09-24 14:32:36 | ピート・バーンズ
皆様、シルバーウィークはいかがお過ごしでしたか~?

わたくしはと言えば、相変わらずダンナの実家に御厄介になっておったのですが、今回はちょっとトラブルもあってストレス溜まりまくりな休日でした


「亭主元気で留守がいい」とはよく言いますけど、

そーいえば、ピートとマイケルの間の秋風はどうなったんでしょうなぁ(-。-)y-゜゜゜
ちゃんと解消したのかしらん?


自叙伝書いてた最中は、それこそラブラブモード全開だったピート

思えば、この時期はサイアクでありつつも、彼にとっては最も甘美な時期でもあったんだろうなぁとは、自叙伝を読んだ第3者である私の感想ですが、



――さて、その真意は?




ともあれ、続きであります。


1年半にも及んだ、辛く過酷な闘病生活も終わりに近づいた頃、それはやって来ました。

Big Brotherへのオファーです。

ところが、その頃ピートはまだ重要な手術の最中で、自分で返事が出来る状態ではなかったので、プロデューサーからの最初の連絡を受け取ったのはスティーブでした。
(闘病生活の間ピートの傍に付き添っていたのはほとんどマイケルですが、スティーブもBig Brotherの辺りまでは何やかやと彼の面倒を見てくれてたようです)


「スティーブは彼らから話を聞いて、『ノー』と言った。

オレがマイケルに話すと、彼はこう言った。

『アンタはクレイジーだ。それをやるべきだね』

だが、オレは言った。

『オレの顔を見てくれ。オレは切り刻まれたんだぜ?』

マイケルの意見はこうだった。


『アンタはテレビに出演して、その顔を皆に見てもらった方がいい』」



けれど、ピートがその出演を受けた一番の理由は、お金のためでした。

彼は、度重なる手術の費用や離婚の費用を捻出するために、家や著作権など全財産をつぎ込み、文字通り一文無しの宿無しにまでなっていたからです。


そして、それが自分の運命を変える朗報だと気付くその前に、ピートには越えなければならないもう一つの山がありました。

それは、2005年の10月に起こった上記の手術の際に起きたことで、
まるで、神様が、これが最後の試練だよ、と言わんばかりの出来事でした――。




オレは、自分の顔と唇を再建するために、イタリアで18か月もの間ひどい手術に耐えた。

その中でも一番ひどかったことの内の二つが2005年の10月にやったものだ。

一つは、優秀な外科医が皮膚と細胞と脂肪を集めるために、それらをオレの胃壁から切り取らなければならなかった時で、他に方法がなかった。
そしてその結果、オレの唇と頬には組織と血流を再生させるための注射がなされた。
それは、すごく難しい作業だった。

だが、オレは、自分の胃に施されたことがどうして必要だったのかわかった時、言葉を失った。

オレは、Big Brotherに打ち込むことにした。

もう一つの手術のためにお金が入り用だったからだ。


その手術は、どう考えても腹壁形成を意図したもので、見苦しい傷跡を残し、すごく痛いので、誰もあっさりとはやりたがらないものだ。

オレは選択肢を迷っていた。
だが、自分の腹で古くなり、ただれていた暗紫色の腐肉を見て、オレは決断した。


まずその手始めとして、オレは病院と全身麻酔への恐怖を克服しなければならなかった。そして、それには3日はかかりそうだった。
けれど、それは速やかになされなければならない。

オレは不適合で太っていたので、外科医と医療スタッフの腕にも関わらず、胃の中絶手術を受けることになってしまった。



ところが、目が覚めてみると、オレは自分の右腕の感覚が無くなっていた。

試しにそれを上げようとしてみたが、右腕は動かなかった。


オレは、ものすごいショックを受けた。

オレは胃の手術に気を取られて、自分の右腕が使えなくなるかどうかわからなかったのか?
それは、なんで起こったんだ!?

そうして、ありとあらゆる専門家が呼ばれた。
ほとんどは物理療法家だったが、誰も何が起こったのか正確に分析出来る者はいないように見えた。


一体どうやって、オレは腕一本しか使わないでテレビに出ることが出来る!?

オレは、必要不可欠だった化粧をすることは言うまでもなく、顔を洗うことさえ出来なかったし、その上、また激痛に襲われた。
それはもう、筆舌に尽くしがたいほどだった。

そしてオレは、巨大なプラスティックボトルがついたカテーテルをペニスの中に入れていたのだが、それも痛くて、2,3時間おきに中身を出さなければならなかったのだ。


オレは泣いた・・・。

オレが何をした?


オレは、ショックを受け、怯え、そして不幸を嘆いた。

新年にBig Brother Houseに入ることはおろか、オレはイギリスに帰る準備さえ出来ていなかった。
オレは、医学チームの献身と技術に対しては大いなる称賛を抱いていたが、その時は、まるで神が自分を見捨てたような気がしていた――。



やがて、3日ほどが過ぎた。

オレは全てがぼんやりしていたので、それがどのくらいの長さだったのか、はっきりとは憶えていない。
一つだけ良かったことは、オレは、鎮痛剤によって余りにぼうっとしてたので、マジで何が起こっているのかわからなかったということだ。

オレは、病院から出され、マリナのアパートへ戻された。
そして、ベッドに横になった。
胃の大手術をして、そこから流れ出てくる血を、チューブから傍に二つあるプラスティックボトルに排出させるために。

オレがバルコニーから身を投げ出さなかったのは、ただ単に大量の鎮痛剤のおかげだった。
それと、マイケル。

彼が吐かなかったのは、オレより耐えていたからだ。

オレは鎮痛剤を注射され、トイレを介助され、オレの腹周りで音を立てて流れている血のバケツをつけていた。
そしてマイケルは、オレの気を紛らすために、DVDを見せてくれ、オレのベッドの傍に座っていた。

マイケルは、その内、彼の娘に会いに行くために、クリスマスにイギリスに帰国した。

そして、どうにかオレは、自分自身を取り戻すため、倍の時間をかけて回復しなければならなかった。
だが、オレは飛行機に乗ることはおろか立ち上がることさえ出来なかったので、スティーブがオレを運ぶためにバンを運転してきてくれた。
そして、オレの所持品のほとんどは、クリスマスに間に合うようイギリスに送られた。

そんな風だったので、オレを起こすには余りに薬物を投与され過ぎているのを見た彼とドライバーのアリは、それから3日間を棒にふった。
そして、オレはやっと、かろうじて意識が回復し、思いつくままめちゃくちゃ不格好なコルセットをつけられ、バンに乗せられた。

オレ達は、ひどい状況の中を何日もドライブした。吹雪や道路の氷結と戦いながら。
イギリスへはフェリーで乗り込んだ。そして結局、ノッティングヒルのとある場所へと到着した。


やがて、オレは自分の家を見て、とても混乱した。

そこは、オレとリンが20年間一緒に過ごした場所だった。
彼女はその頃には既に引っ越していたが、オレを出迎えるために家を飾りつけて待っていたのだ。

そこは、ほとんど空っぽだった。
オレが働くことが出来なくなってから、2年の間をカバーするために売られていたその家は、そうなる前に最期のクリスマスを迎えた。
リンは、オレがそれを好きだということを知っていたので、豆電球を買いに街へ行こうとしていた。彼女はマジで帰宅するつもりだったらしい。

だが、オレは、反応することさえ忘れていた。

全てが奇妙だった。

オレの友人のGozraもやって来たが、オレは自分が「やぁ」と言ったかどうかさえ、憶えていない。


リンは、オレの胃の包帯を変えるため、一晩中傍にいてくれた。
――ひどい作業だ。
だが、誰かがそれをしなければならない。
彼女はそれを見て、危うく吐き気をもよおしたが、明るくやろうと努めてくれた。

「あなたのためにお腹を洗うのは、やりがいがあるわ」



だが、そのクリスマスの期間のほとんどが台無しになった。

オレは、その時はそれがわからなかったが、あらゆる麻酔薬や鎮痛剤、そして、それによって受けたトラウマが自分に影響を与えているのだと思った。
それは、オレの精神的な安定を損ない、気分を害していた。

オレは目覚めると、舞い上がる凧のように気分が高揚したり、路上の缶のように低くなったりしていた。そして、激しい一瞬はオレ自身を二の次にした。


多分、一番サイアクだったのは、不眠症だった。
それは、ほとんどずっと続いていて、オレが横になっている時経験したフラッシュバックが原因だったのだろう。


やがて、オレは知らない内に手術台に戻っていた。

オレは眩しい光を見た。

そして、手術の間着用していたに違いない外科用手袋の匂いを嗅いだ。

オレは、すっかり目を覚まし、暴れた。
そして、どんなに大量の睡眠薬を飲まされても、オレは目が覚めたままだった――。



長い間目覚めたままでいることの影響の内の一つは活動亢進だ。

オレは、スピードがアップし、大勢の人間が心配しないよう気の利いたパーティの盛り上げ役になることも出来た。
それは、オレとマイケルがいつもやってたことだった。


ロンドンを目前にして、Big Brother Houseに入る前、そんな短い時があったのだ。


やがて、マイケルが、クリスマスイヴの前日にロンドンに戻って来た。

そして、オレ達はロンドンで一緒に、一日狂ったように買い物をした。

オレ達は大抵、その時期の家をクリスマス一色にする。
マイケルはクリスマスディナーを用意してくれる。

だが、今回オレ達は二人っきりだった。

彼と一緒に時を過ごすのは素晴らしかったが、理性は違っていた。

オレの旧友は、オレがマイケルといるようになってから、オレが変わったと思うようになった。そして、彼らはそれをよく思わなかったし、マイケルをよく見ようともしなかった。

それで、彼らはオレから離れていった。

もちろん、オレは変わった。

オレは、自分が探していたものを見つけた――マイケルだ。
そしてオレ達は、それほどお互いが通じ合っていた。

それは、誰もが理解しがたいやり方でオレ達を結び付かせた。

だが、それで二人っきりでクリスマスを?


オレは、あまり幸せではなかった。



クリスマスの直後になっても、オレの容体が芳しくなかったので、オレはイタリアに戻らなければならなかった。
まだ、再建された唇にも多くの修正が必要でもあった。

そのため、帰宅から4日後の12月27日に、オレはジェノバ行きの飛行機に乗っていた。
スティーブがオレと一緒に来てくれ、マイケルは家の灯りを絶やさないでいてくれた。
それは日帰り旅行ですむと思われた。
だが、事態はそんな単純じゃなかった。


ドクターがオレに注射した時、オレの唇は黒ずんだ。彼は、それが壊死だと思った。
――言い変えると“死”だ。
彼はオレが唇を失うかも知れないこと、そして、要観察のために3日間はそこにいなければならないことをオレに伝えた。

オレは、ものすごく怖かった。

オレの上唇がなくなる?こんなことで!?

オレは、自分がその時どう感じたのか話すことが出来ない。


幸いにも、それは、もう一回手術をした後は全て上手くいった。


そして、オレはBig Brotherの新年のインタビューを受けるためにちょうど間に合うように、飛行機で帰ることを許可された――。





さて。

ここから話はBig Brotherへと繋がっていくのですが、

皆さんはここまでを読んで、どう思われましたか?

途中事実関係が曖昧なところや、その後の展開に飛躍があったり、どこまでが薬物による妄想かわからないところもなきにしもあらずですが、

ただ、明らかなことは、彼は整形によってあまりにも多くのものを失い、それによって自分と自分の周りの人達の運命をも変えてしまったということ。


そして、ピートは、動画を見ると全然そんな風には見えませんけど、Big Brotherに入る直前まで何らかの手術を受けていて、一応回復はした形でハウスに行きますが、
実は撮影中に2回ドクターを呼び、薬物による不眠症と、疲労と、マイケルの不在という事実に悩まされ不安を抱えながら、精神的にも肉体的にもまだまだ本調子ではない中、本人はベティ・デイビスやジェーン・ハドソンの役を演じつつ、何とかこの復活ショーをやり遂げたのです。


そう、それはまさに復活でした。


ピートは、多分、自身でも「それが、自分に与えられたもののように思えた」と言っているように、このBig Brotherがなかったら、二度と表舞台に復活してはこれなかったんじゃないかと思います。


そして、その結果、社会に受け入れられ、理解と発言権を得た今、彼は自分のショーをやることと、本を書きたいと言っています。
(ショーはもうすでにやっていますけどね)


その本とはもちろん、美容外科に関する本で、暴露モノではなく、ちゃんとしたアドバイスや情報を得られるものにしたいそうです。

「オレは人々にアドバイス出来る資格が欲しい。
なぜなら、美容外科はこの頃ほとんど義務的で、オレは医者が彼らのやることに対処することが出来ないことを恐ろしく思うからだ。

そこには、新しいモノに対する競争がある。
そして、それらの内の幾つかは、長い間をかけて十分なテストをされているわけではなく、とても危険な領域に入り込んでいるので、常に本当の利益をもたらすとは限らない。

オレは、再建手術や合併症をカバー出来る何らかの新しい医療保険がなければならないと思う。

なぜ、オレがこれら全ての整形手術に対して特に発言するのかというと、彼らはその痛みや苦しみを見せないからだ。

彼らは結果は見せる。

けれど、その複雑なプロセスの現実を見せようとはしないのだ。


それは、とても痛むのに!」

これは、まさに、ピートの実感から出た言葉ですよね。

ピートが自叙伝の中で、自分の病んだ唇の写真を載せているのも、このためです。


自分が未知の美容整形をした結果、どうなったか。


それを、皆に知ってもらうこと。


そういう意味では、彼は新たな人生のやりがいを見出だしたのかも知れません。

でも、私達一般ピープルからすれば、その犠牲はあまりにも大きすぎて、多分ピートのような精神的境地には、私なんかきっと一生なれないです(^_^;)


ただ、そうは言っても、ピ~チクさんがコメントで仰っていたように、これはピート一人では絶対乗り越えられなかったことでもあると思います。

彼が苦しんでいた時、傍にてくれたマイケル、スティーブ、リン、それからマリナ、もちろんピートの顔を治してくれたドクター、医療スタッフ、

――そして、Big Brother。


ピートのこれまでの人生の大転換点であるこの時期は、それこそ上記の人達が複雑に絡まり合ってそれぞれの運命を分かち合っています。

特にマイケルとBig Brotherとの出逢い抜きには、この【整形編】全体もまだ未完であると言っても過言ではないくらい。
(ピートとリンが離婚した原因の一端はマイケルとの出逢いにあるのですが、それを書こうと思うと、必然的にBig Brotherがからんでくるのです^_^;)

なので、読者の皆様には【自叙伝編】に入る前にもう一つ、【Big Brother編】なるものを【整形編】の補完という形でお届けしたいなと。


そこでは、マイケルとの出逢いから今回の【整形編】を通りつつ、Big Brotherでの動画も交え、ピートの心情を追っていけたらと思っています。


ただ、皆様に予めお断りしておきますが、
ピートがマイケルのことに関して書いてる時は、めっちゃバリバリ“恋するオトメ”モードになってるので、そこら辺だけ心しておいて下さいませ
(ホント、これが50オトコの言動か!?とマジで思うくらいのオトメっぷりなんで^_^;
・・・まァ、
そこがまたピートのもう一つの顔って感じで、可愛くもあるんですけどね~~~


てか、

マジな恋愛体験したことのある方ならきっと、これは自分と重ねて「わかる、わかる~!」とか、「あー、でも思い出すとこっぱずかし~
てな類いのエピソードや感情満載の話になると思いますので、こうご期待!!

ピート・バーンズ考 【整形編】 3

2009-09-19 11:26:46 | ピート・バーンズ
昨日、久しぶりにピートの公式を覗いたら、トップページが変わってましたね~。

あれは、ダーティ・ディスコとのコラボCDのカバー写真なんですかね?

“Pete・Burns”の文字の方がでかくてちょっとビックリしました
(やっぱり、腐っても鯛、過去の業績や知名度は侮れないもんがあるんでしょう)

でも、何にしても、自叙伝の中ではもう歌はあきらめたみたいに書いていたピートが、またこうして彼の歌声を聴かせてくれるというのは、やっぱり嬉しいです。


それから、ピートが初めてそのビジュアルに心を動かされたP・P&マリーの女性シンガー、マリー・トラバースが亡くなったという報道もありました。

時の流れを感じつつも、私は未だ彼の原点と今後の行方を追っている最中です。



その、途中経過の【整形編】、

ある女性がピートの公式サイトを見て、彼にイタリアの有名な再建手術医を紹介したところまでが前回までの内容でしたね。

今回はいよいよ、その彼の顔を再建するまでの過酷な闘病生活と、そこからBig Brotherに出演するに至るまでの経緯、現在のピートの心境までを字数が許す限り彼の言葉でお伝えしていこうと思います。
(ま、例のごとく、字数が足りなくなったらまた次回ということで、ご了承いただきますようm(__)m)



それでは、どうぞ。


「イタリアに形成外科医がいます。私から彼に、話をしましょうか?」

オレはすぐに返事をした。
そして、間もなく彼から電話を受け取った。
その医者はイタリアで数え切れないくらいの症例を見て来たので、それがどんな症状か、はっきりとわかっていた。
彼と、彼の手術の時のシニアドクターが、1週間の内に飛行機に乗ってやって来た。オレが、飛行機に乗って行けなかったからだ。

オレの顔は、ものすごく腫れていた。
彼らは、それが現在進行形で起こっていることに、少なからず動揺した。

その形成外科医は、ガン再建のスペシャリストだった。
彼はオレに、問題のある物質は取り除くことが出来ると話してくれた。だが、オレは顔の大部分を、その構造部から取り除いてもらわなければならなかった。

全ての毒素を、そこから削り取らねばならない。
そして、顔にはオレの背中の皮膚を縫い付ける。

オレは、イタリアへ飛んだ。

ところが、彼がオレの顔を開いた時、その症状は彼が思っていたよりもひどかった。それで、1時間ほどの手術になると踏んでいたところを、5時間半もの時間がかかってしまった。
そして、全てが回復するには4か月かかるだろうということだったが、実際には1年半もの歳月がかかってしまったのだ。
再建手術も、その時は4つだけする予定だったところ、結局100以上もすることになってしまった。

オレは、(ガンではなかったが)顔中と首に腫瘍が出来ていたので、それを全部取り除かなければならなかった。
その腫瘍を取り除くことの出来るたった一人の人間は、表面が蝕まれた状態になっている患者を専門に扱っている、ガン再建のスペシャリストだった。

彼は、もしオレが火傷をしたり、手榴弾で顔を爆破させられたり、または、もし顔面でフロントガラスを割ったりしたなら、その方がもっと簡単なことだったろうと言った。


オレの道のりはそこから始まった。

そして、やれやれ、
それは何ていう道のりだっただろう。

オレは、唇の大部分を失くした。
オレはそのプロセスを皮膚の折り返し運転と呼んで、ほとんどの唇の組織を取り除いてもらった。それから幹細胞を入れ――その目的のために幹細胞を唇に入れたのは、オレが世界で初めての人間だった。
それから彼らは、オレの胃壁を摘出し、新しい皮膚を再生させるため、古い皮膚を全部剥がした。
そして、既に無かった唇の場所に組織を作り直し、再び成長させ、血流を延ばした。

彼らは皮膚の一部を切り取らなければならなかった。それは帝王切開よりも大変だったが、幹細胞をオレの顔で再生させるために、それを切り出した。

オレの腹部には、ヘソより下にマイケルの名前を彫ったタトゥーがあった。

“Micheal, you are my love, you are my heaven, it's written in the stars of the day we met”
(マイケル、アンタはオレの愛、アンタはオレの天国、それは、オレ達が出逢った星の下に書かれている)

それは、とても美しかった。

だが、彼らは尻から尻へ、ヘソの辺りまで皮膚を切り取ってしまったので、オレはその辺りの感覚を全く失ってしまった。
そして、今ではそこの部分は、岩のように固い。

その後、克服しなくちゃならないもう一つのハードルが出来た。

オレの唇は、両方閉じられ封をされていたのだ。

何人かの人間は、それを天の配剤だと思うかも知れない。だが、ジョークを言ってる場合じゃなかった。
オレは、顔の横に穴を一つ開けていた。
オレには唇がなかった。

――組織を発達させ、それから切り離し、口に辿り着かせなくちゃならなかったから。

オレは、もう一度話すことを学ばなければならなかった。

7か月もの間、オレは、食べることも、キスすることも、歯を磨くことさえ出来なかった。


もう一つの要素は、影響を受けたのはオレの唇だけじゃなかったということだ。

それは、唇から始まったが、やがてあらゆる場所へ移動した。
頬、顎、首に至るまで、それはしみ込んでいたのだ。
そしてオレは、重要な神経の損傷をも負っていたので、それで話すことも、食べることも、飲むことさえ出来なかった。
オレは、意識不明だった。

ある段階で、彼らはひょっとしたら、両方の唇と鼻の一部も取り除くつもりだったのかも知れない。
オレは、自分が目覚めた時に、侵された領域の一部――唇か、顎の一部か、頬か、咽喉仏、あるいは目を切り取らなければならないという趣旨の同意書に、サインしなければならなかった。

それで、オレは起きた時不思議に思った。

・・・それはまだ、そこにあるのか?

オレは18か月の間まるまる、毎日ずっと監視下にあった。
なぜなら、組織が壊死するか、拒絶反応を起こす可能性があったからだ。
ドクターが休みを取った8月の2、3週間を除いて、オレは1週間に2つづつ手術をした。

それが、オレが自分の再建手術を通してやったことだった。


オレのドクターはなんという天才だ。
オレは、彼に出会えたことを神に跪いて感謝する――彼は英語をほとんど話せなかったのに。

それはなんて、すごいんだ!

彼らにとって“ピアノ”を意味するイタリア語は“ゆっくり”で、それは、オレにとっては精神的な拷問だった。
彼らには、それが“カルバリの丘”(注:ラテン語で“ゴルゴダの丘”。言わずと知れたキリスト磔刑の場所)への道だということがわかっていた。
だから、ドクターはオレが自制心を失っていないことに驚愕した。

――オレは、やり遂げたんだ。

オレの粘り強さ、体力、そして回復力に対するドクターの敬意は、オレを全く新しいレベルに引き上げてくれた。
人はそれをおかしなことと笑うかも知れないが、けれど、そんなヤツにはオレが何をやったかなんて想像がつかないだろう。

それは、降りかかると、とんでもない災難だ。
だが、他にもオレの顔に入れられたポリアクリルアミドと同じものを打っている人間が数千もいる。
オレのような問題は、4年くらい前までは全く起こらなかった。

そう、それは、仮想時限爆弾のようなものだ。

医者は、まだアイルランドでそれを使っていた。オレが助けを求めたドクターのほとんどもまた、それをやっていた。

だから、彼らは、オレの状態に対して誓願書を与えることを拒否したのだ。
彼らはそう判断した。
そして、オレをきちんと取り扱うと言った。

それは、それほど大したケースではなかった。
それは、ワンショットで起こすことが出来た。それは、1回の注入でオレが耳にした何人かに起こっていた。

そして、それはまだ進行中だ。

オレにはまだリンパ節に若干の腫瘍があって、腋の下と首に移動している。
ドクターは、システムがそれを消化するまで、まだ4、5年はかかると言っていた。

一方で、それは出てくるのを止められてしまうので、天然物質で常に包んでおかなければならない。でなければ、それはまた我が道を押し通そうとするからだ。
そこには、オレのシステムがずっと残っていく。
それは、組織片に巻き込まれ、層の上に層を作り、やがて組織の一部になる。

だが、いずれ組織は退化する。
それはポリアクリルアミドもそうなのだ。


オレは今、電話チェックと薬物でその炎症性の経過をコントロールしながら、モニターで毎日コンスタントに管理されている。
それは、多分10日を基本としてあともう3年続くだろう。


だが、オレがイタリアで耐えなければならなかったのは、手術だけじゃなかった。

長い遠征からではなく、彼らがオレを病院に入れてくれなかったからだ。

オレは、その手術のほとんどを外科医の別荘でやらなくちゃならなかった。
そこは、全てを修道女によって運営されていたカソリックの病院だったのだ。

初めての5時間の手術は、ジェノバのヴィラ・セリーナという病院で行われた。その後は、彼らは非常時に鎮痛してもらう時にだけオレを入れた。

その時、オレの顔は6倍のサイズに膨れあがっていた。炎症が視神経を襲っていたので、視力も失いかけていた。
オレは吐いた。そして、余りにも痛みがひどくて腸と膀胱から汚物を垂れ流していた。

その間、8時間オレは外科医と接触することが出来なかった。
なぜなら言葉の壁があったからだ。
やがて彼らはその場所へ、ヴィラ・セリーナ病院へ急いでオレを連れていき、モルヒネとペチジン(注:鎮痛剤の一種)と大量のバリアムを全て静脈注射で入れた。

最後の手術では、オレの胃壁の部分と脂肪の層を取り出す必要があったが、これはすぐに病院で行われた。時間も正確に利用出来た。

オレは、手術が終わってもメイクをしないよう言われた。
それで、もちろん、オレはその時集めることが出来た化粧を全てやった。

それからオレは、自分の座興のために、彼らが血圧を測りに来た時、黒いベビードールのネグリジェを着ていてやろうと思った。
それはマジでオレを面白がらせ、彼らを困惑させるだろう!

そうして、それは敢行された――彼らは全員でやって来てオレにサインを求め、花束をオレにくれたんだ!


メイクアップすることは、オレの生き様だ。
だが、オレがメイクするもう一つの理由は、外観を損なうもの――傷のためだった。
その傷跡は、オレが自分自身と向き合うことが出来なかったほど恐ろしく、直視しなければならなかったものは、公的な体面を保てる範囲内で済む程度のものではなかった。
なぜなら、オレが街へ出かけると、メイクをちゃんとしている時でさえ、人はオレに“醜い”という意味の「ブルート!」という言葉を叫んだから。

だからそれは、今までオレに起こった何よりもトラウマになるのだ。


だが、オレは傑作で護られた。

オレはクリスマスを過ぎ、次の年の夏もぶっ通しで、年中マイケル・ジャクソンのようなマスクをつけていた。
それは、黒のヴィトンのスカーフで出来ていたが、それでもやはり、外科用マスクだった。


イタリアでの時を通じて、オレを支えてくれたのはマイケルだった。

オレは、自分の周りの人間なら誰でもそうするように、身を隠した。
オレは、何が起こったのか、誰にも話すことが出来なかった。

オレは、嘘をついた。

イタリアへはレコードを作りに行くと言って。
精神的にまいっていたオレは、シャットダウンモードになっていた。


オレは、死にたかった。

オレは麻酔にかかる前――バルビツール(鎮静剤)の錠剤を大量に飲んでいた。

オレは、自分が心臓マヒを起こすことを望んでいた。


・・・だが、あのな?

オレは、毎回目が覚めた。


そんなんで、仕事に行けなかったことは明白だろう。


オレ達がアパートを探していたことも、影響を与えた。
(注:この当時、ピートは既にリンと別居状態で、マイケルと二人でアパートに住んでいました)
オレ達はアパートを借りていた。そこは、女主人が向かいに住んでいて、オレにバルコニーに出てこないよう言っていた。
「テラスに出ないでちょうだい。あなたはお日様が好きじゃないんでしょう?」
だが、オレ達は何度かテラスに出ていた。

やがて、賃貸契約が切れると、オレ達はそれを書き変えるのに疲れてしまった。
オレ達は許可されなかったのだ。

それで、オレ達はホームレスになった。


やがて一人の天使――マリナ・ザッコーがオレ達を助けてくれた。

彼女は、カナダ人とユーゴスラビア人とイタリア人の混血で、イギリスの学校で英語の教師をしていた。
そして、オレの外科医の患者仲間で、彼に英語を教えていたのだ。

ドクターがオレを検査した時、彼は彼女に翻訳をするためにロンドンへ飛んでくれるよう話した。
そして、彼女はすぐにオレに会い――彼女はオレが誰だか知りはしなかったが、こう言ったのだ。

「聞いて、アナタは私の家に来て暮らせばいいわ」


彼女は、Bogliascoと呼ばれるジェノバの近くの海辺に住んでいた。
そこは、小さな家で、彼女は2匹のハスキー犬を飼っていたが、そいつらは今まで一度も建物から外に出たことがなかった。

なので、オレ達は別のアパートを探した。
そして、マリナが最初に物件を見に行った。オレ達はアパートを勧めてもらったので、2つ見に行ったのだが、その内の一つは7年の契約をするために6か月利用出来なかった。
それで、オレ達は7年分の賃貸料を払うと言ったにもかかわらず、彼らはこう言った。
「ああ、ダメ、あなたには無理」

オレ達はもう一つのアパートに行った。
オレ達は言葉がわからなかったが、彼らは1年間の契約はおろか、オレ達にそこにいてほしくないという態度が見え見えだった。
家主は多分オレ達が出て行って、金持ちで有名なポップスターにでもなっていれば「考えなくもない」というようなことを実際言っていた。

オレは、ものすごく傷ついた。
オレは、アパートさえ手に入れることが出来なかったのだ。


それで結局、オレ達はマリナのところに住むことになった。

マリナは、どうやっても裕福な人間ではなかった。それでも、彼女は毎日オレ達に2,3ユーロを送金してくれていた。
(注:当時はいくらだったかわかりませんが、現在1ユーロは日本円で換算すると、およそ134円です^_^;)

だが、オレ達はどのくらい貧しかったんだ?

オレは手術から回復しつつあったが、家から出ることが出来なかった。
村には何もなくて、オレとマイケルには英語のテレビも、英語の本も、英語の雑誌も新聞もなかった。
オレ達は、それが都会にしかなかったからブロックバスターでDVDを借りることも出来なかったし、旅をするために2ユーロを払う金さえなかった。

オレ達には髪を洗うシャンプーもなかったし、歯磨き粉もなかった。

そしてオレは、以前の仕事に戻ることも出来なかったので、他人の夢を利用することも出来なかった。

マイケルは何枚かのナイキのショートパンツとベストを着ていたが、オレは一対のトラックスーツのボトムと1枚のTシャツを何カ月も着ていた。

それは、オレが持っていた全てだった。
そして、オレ達は何を食べていたのか。

オレ達はコーヒーの中にヨーグルトを入れていた。そして、そこに多少の味をつけるために、ベーコンの欠片を入れて補っていた。
ツナは贅沢品だった。

オレ達は、自分の名前に実質的なものは何一つ持っていなかった。

だが、それでもオレ達の頭上に屋根があり、体の下にはソファベッドがあったことは、マリナのおかげだった。


ささやかな幸運を感謝しよう。

オレは今まで、スーパーで40ユーロ使ったことがある。
それは自分達の家での話だ。

一体誰が、食べ物に40ユーロも使うんだ?



オレは、マジでイタリアで全て失くしたと思った。

マイケルはオレの傍にいてくれたが、オレは薬物を投与され、とても不安だったので、彼と一緒にいたくはなかった。

時々、人は、心は余りに離れているのに誰かと一緒にいたがる。
オレは、自分が戻って来た時、誰といたかったのか、あるいは何が出来たのかわからなかった。

オレ達を互いに支えていたものは何だろう?

マイケルは、オレのために仕事を辞めていたので、金を稼ぐためにオレは何をすべきだったのか。
そして、彼はもちろん、オレに護ってもらうためにやって来たわけじゃなかった。
だからと言って、ああ・・・、何てことだ。

彼は、おかげでひどい目にあった。

オレは彼にとって、全くサイテーなヤツだ。

マジで、最低だった。



そんなあらゆることがあった後では、Big Brotherなんて子供の遊びだった。

片手でバットを打つようなもの。
象のケツにスズメバチが針を刺すようなモンだった――。



フランス マスターズ動画

2009-09-18 16:35:20 | その他のスケーター
少し遅くなりましたが、フランスで行われたマスターズの動画がUPされてたので、プレオ、ポンちゃん、ジュベ、アモディオくんの順番で取り上げてみました。

でも、去年もそうでしたが、この時期に開催されるマスターズは皆、滑り込み的にまだまだって感じで選手のコンディション自体はあまり参考にはならないんですが、
プロ的に「これは来そう!!」っていう目安にはなるので、なかなか観てて楽しいですよね(*^_^*)


それではまず、プレオちゃんのSP、FSから。




私的に、らしいとゆーか、OPシーズンにプレオちゃん、これやるか!?みたいな選曲とノリに思わずのけぞってしまったこのSP(笑)

多分、これは日本限定の、しかも「オレ達ひょうきん族」をリアルタイムで観てた世代にしかわからないずっこけなんでしょうが、

プレオちゃん、『ウィリアム・テル』とは・・・

でも、曲に合わせて馬を操る騎手のような振り付けが、何とも言えずコミカルでプレオちゃんのキャラにハマりまくりで、これは案外お気に入りプロになりそーな予感がしてコワいデス(^_^;)


それに、なにげに衣装が上品でおふらんすクオリティ


いや~、ハズしませんねぇ、彼は。

これで、思いっ切り会場を沸かせて欲しいです!!(>▽<)



さて、そんなSPとは打って変わって、FSはこれ、ストーンズメドレーですよね?

衣装のTシャツもあの有名な舌ジャケのデザインだし、『黒ぬくれ』や『悲しみのアンジー』なんて、なかなかシブい選択ですよ~
(途中、エアギターもやってますね




ただ、観たところ、プレオちゃんらしいと言えばらしいんですけど、ロックだから難しいのかな~、あまり意味のない手の振りが多くてちょっと曲の雰囲気に合わないなと。

ま、これからまた手直し入るでしょうけどね。


それにしても、今季の男子、小塚くんといいアボちゃんといい、なにげにギター系が多いような!?



さて、お次はポンちゃん。




このSP、最初のポンちゃんの横顔のアップ、片側の壁一面が窓の会場で夕方だったせいかセピア色に見えて、ポンちゃんがまるで昭和の頃の俳優みたいに見えてしまった(^_^;)

ジャンプはまだまだ調整不足な感じですが、滑りは相変わらず綺麗~

小気味よいステップが気持ちいいですね!


でも、曲自体がちょっと大人しい印象を受けるので、後半もっと盛り上がるといいのになぁと思いました。


そして、FSは昨季の持ち越し。『Sing Sing Sing』





去年のNHK杯の神演技を観てるせいですかね?
何だか、今回、ラストのSingまでがやたら長く感じてしまいました。

ちょっと痩せたせいでしょうか・・・もしかしたらそこら辺の調節が上手くいってないのかも知れないですが、
彼の面白EXが観られるのも今季が最後なので、ポンちゃんには是非頑張って上位に喰い込んで欲しいです!



そして、

立ち上がりはいつもこんな調子、ジュベくんです(笑)




SPは昨季とおんなじ『Rise』

今季のマスターズのお客さん、やたら「アレーー!」とか「ヒューヒュー』の声援が多いのに、何だかジュベのは去年の方が歓声高かったような???
(ま、見慣れたせいもあるのかも^_^;)

相変わらず、このノリ大好きなんですが、ラストちょっと曲を変えてますかね?

で、去年はこのマスターズで初モヒカンを観て、これは良プロ!と思った記憶がありますけど、今季のFSも私的にはストライクかも~~~(^◇^)




曲名は『アンシエント・ランド』っていうんですか。

何でも、昔ヤグディンがEXで使用した曲らしいですが、ドラマチックでありながらも男らしい力強さも感じさせるプロで、ふつーにカッコいい!!
(ただ、衣装もふつーになっちゃったのが、ちとザンネン!?笑)

後半CistからSlstまでが音楽と振り付けがピタッと合ってて、勇壮で逞しくて迫力満点で!!これぞジュベ!!って感じでトリハダもんでした~~~!!!(>▽<)


これはジャンプが決まったらかなり凄みが増すかも。絶対今季来ますねッ!
(ええのんか?今から予言しちゃって~


そんな中、ジュベやプレオちゃんなど国内の並みいる強豪を抑えて今回優勝したのが、フローラン・アモディオくん。



このSPは、キレがあって完成度高いですね~。


お次はFS。『アメリ』です。




彼は昨季のジュニアから目立ってきた選手ですけど、今回の勝因は何かと言えば、やはりジャンプがそれなりに安定してたことと、その滑りのそつのなさでしょうか。
綺麗な滑りしてて、お客さんも大喝采ですよね。

プロとしては、最初しっとり系でメランコリックに滑ってたかと思えば、途中曲調が変わって操り人形みたいな振り付けを入れたりしてコミカルに見せてみたりと、ちょっとまとまりがない印象とコンセプトがわかりにくい感じがしたので、私的には入り込みにくいプロでした。

あと、もう少し個性が欲しいかなー。

ま、個性と言えばどこにもひけを取らないおふらんすクオリティ。
心配せずとも彼もその内、先輩方に負けないくらいのキョーレツな個性を発揮してくれますよね!?




――と、

ここまでマスターズの感想を書いてきましたが、この間のJGPSポーランド大会で優勝した羽生くん、佳菜子ちゃん、高橋&トラン組の動画もそれぞれデイリーモーションに動画あがってまして。

いや~、羽生くん、SP、FSとも以前より更に進化!
佳菜子ちゃん、SPすごく大人っぽくなってて、Slstちょーカッコいい!

そして、高橋&トラン組のFS、ノーミスで前回よりますますシンクロ率と呼吸の合わせ方が上手くなっててびっくり!!

自信つけたんでしょうねぇ!


ホントに、2羽の蝶が仲睦まじく舞ってるような、とってもステキなバタフライラバーズでした!

ファイナルが楽しみです~!!




ところで、来る10月のJOは、ライサが来れなくなってアボちゃんが代わりにINしましたね!

新プロお披露目は、もちろんどちらの選手も楽しみなんですけど、ライサはここのところずっと生で観てたから、ここに来て早めにアボちゃんが観られるのはかなり嬉しいかも


その前に中部ブロックもあって、今季は出ないかなーと思っていた小塚くんもやっぱり出てくれるし、後は中京大に入学した無良くんに水津さんも?

そうそう、あっこちゃんはどうなんだろう??

佳菜子ちゃんも俄然観たくなってきたし、これはさっさとエントリーをチェックしなければ~~~!!


と、私的にシルバーウィークよりもウキウキな月末~月初になりそうです!!


ピート・バーンズ考 【整形編】 2

2009-09-17 08:53:41 | ピート・バーンズ
前回のエントリーでは、ピートがいかにして整形をするに至ったかとその理由について、書きました。

で、今回はそれを踏まえて、では実際彼がどのようなことをやったのかを書いていきたいと思っているのですが、
ピートはその自叙伝の中の“plastic fantastic(ステキな整形)”の章で、自分がやった整形手術とその顛末について微に入り細にわたって語ってくれているので、
せっかくだから彼のその言葉をそのまま引用しようと思います。

その、彼の話が終わった後で、私なりの感想など挟ませていただこうかなと。
(翻訳自体も、もし間違いなどありましたら、その時は是非ご指摘いただけると有難いですm(__)m)


では、皆様、どうぞ。


オレは1985年に鼻を手術した。だが、それは曲がってしまった。
その時オレはトップオブザポップスで『You Spin Me Round』を歌わなくちゃいけなかったから、5日後には包帯を取った。なので、副木をあてる時間がなかったんだ。
それが、オレがアイパッチをつけていた時期で、傷をカバーしていたのさ。

その後、オレは頬にインプラントを入れた。
オレは有名な形成外科医を訪ねた。彼は、移植用の組織片でオレの鼻を治してくれ、頬にインプラントを入れ続けてくれたが、それをやったにも関わらず、あまり上手くいかなかった。

1987年には、オレはおそらくイギリスで最初のボトックス注射をやった人間だった。
オレは歌を歌っている時、自分の鼻が小さくはなっても、額に皺が寄るという事実がイヤだった。
オレはそれを、“ジョージ・マイケルの不愉快な額”と呼んだ。なぜなら、ジョージ・マイケルの額は、眉間に小さな男の子がかがんでいるように見えるからだ。
オレには、それが自分をグレムリンみたいに見えさせると思った。

オレはそれをいじる方法があることを知っていた。
ある特定のハリウッドセレブ達が無表情のように見えたからだ。それは、ほとんどデスマスクの顔に近かった。
それで、オレはその分野の外科医へ行って、それがどういうものなのか尋ねた。

「その施術は、頭部の筋肉を切るのです」
彼は、言った。
「しかし、それ以外にも方法はあります。それは、ボツリヌス菌という毒素を使用するもので、子供の痙攣やひきつけに使うものです。我々は眉の間の筋肉――眉間で試しにやってみました。すると、それは完全に麻痺するのです」
参考:ボトックス(A型ボツリヌス菌毒素)について

オレはためらわなかった。
「ドクター、それをちょっとオレに打ってくれ!」
それで、オレは大体8か月おきぐらいの割合で、この医者のところへ出向いた。
そして、少しずつ打ってもらった。

「バカげてる」
「お前はモンスターだ。何をやったのか話してみろ。お前はオレがお前のつま先を踏みつけても、瞬きさえしないじゃないか!」
誰もがこう言った。

まぁ、いいさ、今に見てるがいい!


だが、オレは決して自分の目だけは何もしなかった。そして、額もリフトアップしなかった。
そしてそれはやがて、唇を厚くすることに向けられていった。


それは、物事がマジで悪くなって行き始めた時期だった――。


オレが最初に上唇に組織片を入れたのは、1992年のことだ。

それは、“アロダーム”と呼ばれ、赤ん坊の包皮から作られたもので、関節炎にかかった人が脊椎や膝に使うものだった。
組織片は骨が摩擦を起こすのを喰い止めてくれる。それは、完璧に適合した有機的な組織片の一部で、不変的なものだと思われていた。

だが、それはオレの上唇の中で縮んでしまい、灯りの下で小刻みに動く虫のように見えた。

それでオレは、その組織片を取り除いてもらうためにハーレー通りのスペシャリストのところへ行った。
すると、オレが一対のピンセットを使って自分でそれをやっているところで、彼はこう言った。
「組織片を取り除く代わりに、完璧に適合した別の溶液を、唇の中と周りに入れてみませんか?」

彼は、それが何なのかオレに教えてくれた。そして、何も問題はないと話した。

それは、ポリアクリルアミドという、何度もやる必要のない注入物質で、半永久的だと――あるいは、そう信じ込まされただけなのかも知れないが、全く安全なものだということだった。

ポリアクリルアミドはソフトコンタクトレンズの原料に使われているものだ。
それは眼球や粘液、膜に刺激を与えないので唇にも応用されるのだが、基本的に同じものなので、そこに刺激があってはいけないのだ。
参考:アクアミド・アクアジェルについて


1回目の注射をした時、オレは少し充血したが、スペシャリストは心配ないと言った。
その注射には微小球体が含まれていたからで、それはコラーゲンで覆われたソフトコンタクトレンズ溶液の小さな球体だった。
「それでは、この姉妹製品を注射しましょう」
彼は言った。
「これは『アウトライン』というもので、微小球体を浮かすジェルですから」

彼が、そのジェルをオレに注射したのが1999年のことだ。
それからしばらく経ったクリスマスの後、ジェルが少し吸収されてしまったので、彼は、もう2,3回注射をした。
やがて、今度は10日ごとに注射し始めた。なぜなら、その物質が急速に吸収されていたからだ。

そうして、医者は5日から10日ごとに注射をするようになった。

オレ達はストップをかけた。
唇がすごく大きくなっていたからだ。

彼は5日ごとに注射するようになっていたが、やがてオレは、突然、全てが何かものすごく、ものすごくよくない事態になっていると感じた。


オレは痛みで苦しみ始めた。

そこには唇の周りに幾つかのしこりがあって――丸くて、固いしこりだ。
オレには、それが何なのかわからなかった。
けれど、医者はそのしこりを引き伸ばし始めた。

さて、オレの唇は大きくなったり、小さくなったりした。
その内、オレは顎の中が痛くなって苦しみだした。

唇は“スピン・ミー”のビデオを撮った頃に比べてとても巨大になっていた――今ではどっちが本来のものだったのか――

それは、とても不釣り合いに見えた。

そこで、スペシャリストは顎にインプラントを入れることを提案した。
それはオレが希望したものじゃなかった。だが、それは、役立たずの映画監督に役立たずの照明係をあてがうように、莫大な金額を支払わずに済んだのだ。

そして、彼はオレの顎にインプラントを入れた。
その小さなシリコンバッグは、前顎の骨のポケットの中に固定された。

それから8か月後くらいだったか・・・、
オレはゲイプライドでパフォーマンスをするためにステージに立った。
そこで、オレは、自分の口の内側に裂け目を感じた。顎の中のインプラントが、そのオレの口の裂け目を通して押し出された。

オレは、ショーを終え、月曜の朝一番に彼のところへ戻った。


彼は、製品の中から別の物を取り寄せた。オレはバリアム(精神安定剤)を5錠飲んだ。
彼は局所麻酔をかけ、それを入れ替えた。
ところが数ヵ月後、オレは顎の部分に不快な異変を感じ取った。
オレは彼にこう言った。
「それは、ちゃんとした場所に納まっていない。正しい位置にないんじゃないか?
オレは顎の神経が傷ついている。何かが間違ってるんだ」

彼は、オレを観察し続けた。だが、オレは超音波診断を希望した。
結局彼はそれに同意したが、超音波診断ではシリコンバッグを明確に映し出すことは出来なかった。
そこで、医者は、それが正しい位置にあるということを、彼の兄弟からセカンドオピニオンを取って、オレに保証した。

オレは、おおよそ1年後になって、それが正しい位置になかったばかりか、顎の邪魔をして、下顎にまで達していることに気付いた。
そして、彼は、バッグを縫っていたので、そこからシリコンが漏れ、顔の皮膚や咽喉、咽喉仏にまで到達していた。

その頃のオレは、まるで猿のようだった。
スペシャリストは、上唇があまりに重く見えるのでリフティングする必要があると言った。
実は、これは事実ではなかった。
ジェルは重量がないので、重く見える筈がないのだ。

だが、オレはその時はそんなことを知らなかった。
それで彼は、唇を引き上げるためにその境界線をカットすることを主張した。
それは、今日ではフツーに行われている施術だ。アンタはテレビでそういう人達を沢山目にすることが出来る。

その施術は、口の輪郭の周りをカットし、唇を持ち上げ、皮膚を2,3ミリ取り出して、それからまた唇を結合させるのだ。

オレは、それに余りいい印象を持たなかったので、2回キャンセルした。
だが、彼はこう言った。
「よく考えて下さい。私はこれに関してはとても肯定的です。私達が証明書にサインする必要さえありません」

それで、オレは手術を受けた。
オレは、口ひげのような縫い目をつけられた。

だが、それは治らなかった。

次に知ったことは、唇が組織片と分離し始めたということで、それは治りはしなかった。
やがて、穴が現れ出した。


それから2004年の2月、
オレはペットショップボーイズとレコードを作った。
そして、Scissor Sistersとギグをやったのだが、オレは18錠ものニューロフェン(イギリスでポピュラーな鎮痛薬)を飲まなければいけないほどの痛みで目が覚めた。
その痛みは信じられないほどで――オレは叫びながら、床を転げまわっていた。

それは、もう、口だけじゃなかった。顔の全てだった。

そのいたる所に開いていた穴から、膿が出ていたのだ。


オレは、黄色くて悪臭を放つ液体を、数リットルも流していた。数リットルだ!
それは、流れ続けていた。
オレはそこに座り込んで、わずか1インチではあるが顔を振り続けなければならなかった。
皮膚は裂け、この恐ろしくヌルヌルした汚物がオレの頬から噴き出してくる。
そしてそれは、数フィートも飛んでいた。

やがて、浮腫が現れ出し、オレは目を開けることが出来なくなった。
そして、段々その穴はタバコの火傷のように広がっていき、また汚物を流し続ける。

オレは、試しにそれを絞ってみたが、膿は止まらず、また再び流れ出し――、
タオルはずぶ濡れ、Tシャツもずぶ濡れになった。
それはグラス3杯より多かった。

それから、この黄色いヘドロはオレの直腸からも同じように、流れ出し始めた。それは炎症を起こしていたので、オレは直腸検査やありとあらゆる検査をしなければならず、そして、歩いていると、まるでオレの尻が燃えているようだった。

だが、ヘドロはクリームのせいで酸化していたし、沢山出ていたので、それはオレの体から滴っていた。
その量は少なくはなかった。だから、漏れ出さないようにタンポンをしなけりゃならなかったほどだ。
そしてそれを取り出すと、タンポンは完全にびしょ濡れで、それがずっと続いた。

オレは自殺するタイプじゃないが、
1日に20錠か30錠の睡眠薬を飲んで、もう、二度とそんなことが起こらないようにしたかったくらい、
モルヒネと鎮痛剤を飲んでいたが、それでも痛みはまだ信じられないくらい激しかった。


アウトライン――オレの唇に入れられたその注入溶液は、自分の組織に巻き込むタイプのジェルだった。それが、安定していると言われる理由だ。

アンタは大きな注射器で、出来るだけ離れたポイントからそれを注入するための穴を開けられる。それから引き上げられ、やがて穴の先は元通りになる。
けれど、ジェルは徐々にトンネルを侵食していって不安定になり、あちこちに移動する。アンタの体はその後、黄色い色の抗炎症性液体を作り出すのだ。
そして、汚染された液体でジェルを洗浄しようとする。
ポリアクリルアミドの方は内側から我が道を開こうとするが、刺激的な液体がそれを押し出そうとするので穴は閉じることが出来ず、ジェルも組織に巻き込まれるため、押し出せない。

そうしてそれは、アンタの顔をも蝕んでいき、顔の内部から唇の右側の部分を蝕んでいった。
やがて上に行ったり、下に行ったりして、完全にオレの顔を侵食した。

それは、1960年代に起こったシリコン薬害と同じだった。
その当時、女性達はシリコンを彼女らの顔に注入した。べガスのショーガールは、豊胸手術を受ける代わりにシリコンを胸の中に入れた。
そして、何が起こったか。
それは脳に行ったのだ。そして腎臓に行き――彼女らは死んだ。

オレは、自分に起こったことによって、死にかけた。


言葉は何が起こったかについて、きちんと説明出来るわけじゃない。
言葉は夜に窒息しかけた時のことを、きちんと伝えられるわけでもない。
なぜなら、オレのその炎症は咽喉仏まで拡がり、呼吸も出来ず、唾を飲むことさえ出来なかったからだ。
そして、言葉は、世界で最も尊敬されている再建手術医の一人が、どうやってオフィスに到着するかを表現出来ない。

彼は言う。「あなたは顔全体を吸引してもらわなければならない」と。
「そして、もう二度と話すことも、食べることも、歌うことさえ出来なくなるという事実を受け入れなければならない・・・」

やがて、アンタは恐ろしい奇形になるだろう。


アンタは脂肪吸引パイプなるものを見るに違いない。それは、アンタの内部に挿入される巨大な口径をもつパイプだ。
彼らはオレの顔にそれをやろうとした。
アンタなら、それをやることが出来ないかも知れないな――それが余りに大きくて、余りに侵略的だからだ。

だが、それは、窒息するか失明するかのどちらかだったオレから、溶液を取り除いてくれた。
穴自体は、内側から外側に蝕んでいたので、治らなかった。

穴は開いたままだった――。

もし、医者がその穴を閉じる奇跡的な方法を発見していたなら、それは右目をそれていただろう。
なぜかというと、それは目の方に向かって拡がっていて、やがて、目を侵食していただろうから。

それから、彼らは、それが筋繊維にも停滞していて、余りに深く真皮の奥まで注入されていたので、血流の中にも入っていることを確認した。
そのためにオレの腎臓は、ジェルを追い出そうとしていたのだ。

やがて、オレが血栓症と塞栓症になり発作を起こし始めると、オレ達はマジで悩んだ。


オレが、失明と、腎不全と、腸不全の危機に瀕していた時、一時的にオレの左の腎臓に取り付けられた基盤をステントと言う。
ステントは、腎臓の中で異物のかけらが大きくなって、それが尿道のところまで降りて来た時に使われる。
そしてそれは、ペニスの中の尿道を真っ直ぐ通してゴムパイプを入れなくちゃならない。オレは、一週間くらいそのカテーテルを挿入されていた。
なぜなら、それが腕と、足の血栓症を含めて、残った自分の体中に広範囲の炎症を起こしていたからだ。


身体は完全な物質だ。
それは、いろんな外傷に対処し、闘うためにベストを尽くす。
身体は、体の中を異質な物体が移動していたので、己が身を守るためにあらゆる刺激的な液体を出していた。
そして、オレの全身はそれがどうして起こり続けているのかさっぱりわからなかったために、大打撃を受けていたのだ。

身長に対してオレの顔は、通常のサイズの4倍にもなっていた。


アンタは自分がこんなことになったら、どうやって助けを求める?

アンタはインターネットを使っている。そして、世界中を探し始める――ロンドンには望みはない。ニューヨークにも希望はない・・・ロスにもだ。

ところが、やがて、オレの公式ウェブサイト『ライトスタッフ』の中のファンフォーラムのメンバーである人から助けが来た。
その人は、ローズ・キーフという人で、ウェブサイトを見ていてオレに話を持ちかけてきた。

「イタリアに形成外科医がいます。彼に、私から話をしましょうか?」





・・・さてさて。

ピートの話は一旦ここでおしまい。

ここから彼は藁をもつかむ気持ちでイタリアに飛び、凄まじい闘病生活とどん底生活を送ることになります。

途中、マイケルとの出逢いとリンとの別れを挟み、ピートの人生はまさに天国と地獄の両極を体験していくことになるのですが――。



では、続きはまた次回にて。



                      

フィンランディア杯と朝日新聞記事、その他

2009-09-15 12:00:45 | 高橋大輔
えいこさんからのコメントにもありましたように、フィンランディア杯、エントリーでましたね~

こちら


いや~、こうして改めて実際大輔くんの名前が載っているのを見ると、ものすごーーーーく感慨深いものがありますよ~~~(>_<)
(それにしても、日本人選手3人の名前、見事にかぶってますね~。まるでアナグラムみたい海外の人、区別つくかしらん???笑)


そして、エントリーの発表があるまでは、プルが出場するとまことしやかに囁かれていたんですが、蓋を開けてみれば彼はエントリー来なかったですね。

まぁ、私達ファンからすると、嬉しいような悲しいような!?


でも、前回のプルの国内戦での成績と中身を見るにつけ、今回パスしてもらったのは、やっぱりありがたかったかも。

昨日の関大ブログにお知らせが載ってましたけど(最近、ウェッブマスターさん、仕事マメ!)、今朝付けの朝日新聞記事で、大輔くん的にも今回のフィンランディア杯では
「現在出来ることをしっかりこなしたい。試合感覚を取り戻すことが大切」
と言っていて、それらをクリアしながら
「自分の演技を試すだけではなく、今、自分が世界のどの位置にいるのかを確かめていきたい」
と語っているので、
やはり、試運転みたいな要素が強い中、プル相手にリキが入りすぎてはいけませんからね。

その他の主なエントリー選手にしても、ケヴィン、ヴォロノフ、ベルントソン、キャリエールに、後は個人的にブレジナくんやリーバースくん、ゼレンカやメンショフくんまで出てて、けっこー楽しみなメンツですし(もちろん、無良くんや村上くんはいわずもがな)、
ま、このメンツの中でだったら、大輔くんも試合に対する緊張はするでしょうが、相手に対する緊張はそんなにしなさそうなので、いいかなーと。


でも、そーいえば、滑走順はどこら辺になるんでしょうね。

ISUのワールドスタンディングを見ると、現在大輔くんは20位。

それより上で、今回フィンランディアに出る選手は、上位から、KVDP(4位!!ウソ!?)、ブレジナ(12位!これもビックリ!)、ヴォロノフ(14位)、キャリエール(17位)なので、この通りに滑るとしたら、大輔くんは何とか最終Gの2番滑走になりますけどね~、果たして。

何にせよ、彼の朝日での締め括りの言葉を読むだけでも、いよいよ試合モードに変わってきたんだなーとしみじみ思います。
曰く、

「選手である限り優勝はしたいし、全試合で優勝を狙ってます」

大輔くん、一時期(確かイェーテボリで4位だった後)は、「あまり全試合で優勝みたいなことは考えずに行きたい」って言ってたことがあったように思うんですけど、またそこら辺のモチべが変わったのかしらん?



――これをどう捉えるか。

私的には、以前より明らかに自信が増した証拠のような気がしてますけどね~

プロの通し練習もこれまでは週イチだったのを、今週から密度を濃くしていくようだし、クワドもいい具合に仕上がりつつあるならこんな順調なことはないですよね!



あ、あと、お知らせですが、

今季一番乗りかも?

9/29にDAI-X出版から『フィギュアスケートDays 2009-2010 男子シングル読本』がまた発売されるようですよ!
(ブックマークから入ってみて下さいね~

久々に大輔くんが表紙を飾っているし、シーズンインを前におさらいのように各選手のインタを読めるのはすごく楽しみ!!(>▽<)
(そう考えると、去年はフィギュア本を買っても、大輔くんの記事が載ってなくてマジ寂しかった


どうやら、カーニバルオンアイスも4日に無事オンエアされるみたいだし、これからは毎月がイベントですね!!


ピート・バーンズ考 【整形編】 1

2009-09-15 00:18:59 | ピート・バーンズ
ピートファンの皆様、長らくお待たせしました~
いよいよ【整形編】に突入です!!

フィギュアスケートの高橋大輔くんが華麗に復活して、シーズンが本格的に始まってきたため、ここのところ怒涛の情報ラッシュで、日々の翻訳がなかなか進まず私自身やきもきしておりましたが、やっと次を書くことができますよ~(*^_^*)

そして、今までは年代を振って分けてきたタイトル名も、ここからはおさらいも兼ねてトータルでお話するべく、単純に【整形編】、【自叙伝編】とすることにしました。


では、その【整形編】を始める前に、ここで一つおさらいを。


ピートを絶頂時から好きな方、ここ最近ハマりだした方など、コメントを下さる方々はそれこそいろんな時期、理由から彼を好きになっているわけですが、
(私も含め)そんな方々が、彼の人生の変遷を見て大体一様に疑問に思うのが、

あんなに綺麗だった顔を、なんで整形してあんなヒドイ顔にしてしまったの!?

ということ。


それは、日本のイロモノ番組である、『世界仰天ニュース』に取り上げられるほど、センセーショナルでショッキングな出来事でした。
(私もあれを見た時、一瞬誰のことを言ってるのかわからなくて我が目を疑いましたから^_^;)

で、私の場合は、その番組を見た時はまだそれでもピンと来てなくて、自分の中でも放ってあったんですが、
その後フィギュアスケートでアメリカのジョニー・ウィアー選手の今季のアイスショーナンバー『Poker Face』を観た時、元々ちょっと女性的な仕草やお顔立ちでフィギュア界でもオトメ系に分類されてたジョニちゃんが、そのプログラムであからさまにおねぇちっくな演技をご披露してくれたもんだから、
そこで、ああ~、そーいえばアタシって元々こーゆー系統が好きだったんだぁ
あれ?そーいえばこーゆー系統の代表格で、アタシの青春時代めっちゃ流行ってたDead Or Aliveのピート・バーンズって、ものすごキレイだったよなぁ~、
歌も大好きだったけー、
ああ~、なんか彼の歌がめっちゃ聴きたくなってきた!

そーだ、今はYou Tubeですぐ聴けるんじゃーん!!
ネットの時代って便利だわあ・・・、ん??

そーいや、ピートってこないだ世界仰天に出てたよーな。

あれは確か整形で顔面崩壊がどうのこうのとか・・・いかん、うろ覚えだわ
ちょっとネットで検索してみよう――、


ぎゃ!!





・・・いや~~、

その時のショックっていったらなかったですね!!

特に画像検索した時の、あのピートのオバQのような顔面のオンパレードにゃあ、頭がクラクラしてしまったほど(@_@;)
その後、ピート関連のよそのブログを読んでも、やれ清川虹子だとか、岸田今日子だとか、鈴木その子だとか(よくて叶恭子だった)そりゃあもう、皆さん言いたい放題で(/_;)
(てか、アタシもそーとーヒドイこと言ってるし
でも、ぶっちゃけ、私もまだその頃は、そこまでピートに思い入れてはなかったんです。

ただ、あの'80年代後半の彼の美貌は、ホントに、この世のものとは思えないほど綺麗だったし、音楽的にも(特に日本で)絶頂期を迎えていて、きっと今で言うセレブとして順風満帆な人生を送っているんだろうなぁと思っていたら、どうも違うらしいことがおぼろげながら分かってきた。
そしたら、どんどん彼のことが知りたくなってしまって。


読めもしない自叙伝買ったのも、そういう気持ちの高ぶりからだったんですが、

そんな自分が今や機械翻訳までして、ピートの謎を知りたがってる。


即ち、なぜ、整形なんかしたのか?

何が不満だったのか?

何かトラウマがあったのか?



――その答えは、自叙伝にちゃんと書いてありました。

そして、その結果に関してはピートも予期していなかったということも。



そう、あの今のピートの顔は、なりたくてなった顔ではなく、全ては“ポリアクリルアミド”というジェル状の注入物質の過剰投与によるなれの果てであり、
彼はそのせいで死にかけ、ひょっとしたら唇のない顔になっていたかも知れないという、とんでもない状況を引き起こしてしまったのです。
(ここら辺の経緯は上記にリンクした世界仰天のサイトにも載ってます)

そんな、自分の人生を狂わすほどのことを、ピートは一体いつから、どのような考えで行っていったのか?


そのお話をする前に、ここで一つ皆さんに聞きたいことが。

皆さんは、この“整形”なるものをどこまで許容出来ますか?

もし、自分が整形をするとしたら、一体どこまでやりますか?


そして、根本的な質問、

整形には賛成ですか?反対ですか?



・・・難しいですよね。

ひと口に整形といっても、それは“美容”整形と、“外科”整形の2種類がありますし、一昔前までは、ピートもその自叙伝の中で言っているように、整形手術自体悪名の方が高くて(もちろん、ここで言う“悪名”が高かったのは美容整形の方です)、それをやっているのがバレると後ろ指を差され、こそこそと陰口を叩かれる時代が確かにあったのですが、
最近では皆さんもご承知の通り、“プチ整形”なる言葉があるぐらい、簡単な施術なら誰でも手軽に出来て、しかも昔よりずっとクリーンでオープンになったことから、あまり抵抗を感じる人は少なくなっているように思います。

かくいう私も、外科整形はいわずもがなですが、
美容整形に関しても、本人がそれをすることによって、性格が明るくなったり、仕事が上手くいくようになったりするのなら大いに結構だと思っています。

ただ、ことこれが自分自身の身の上に降りかかった場合、即ち、整形した方がいいと思われる状況になった時どうするかと言えば、ちょっと考えるんじゃないかと。


というのも、基本、私は痛いのが嫌いだから
(正確に言うと、痛いことを想像するのが嫌いだからです)

ピアスもその理由から、今まで一度も開けたことがありません(笑)


そして、一番抵抗を感じるのが、自分の体の内部に異物が入るということ。

これが、ダメですね。


人間の体には、皆さんの中にもご存じの方があると思いますが、本来ホメオスタシス(生体恒常性機能)という働きが備わっています。
これは、人間が体温や血圧、体液の浸透圧など生体の内部や外部を常に一定の状態に保っておこうとする働きで、
そこには病原菌やウイルスといった異物の排除、怪我の修復といったものも含まれていて、これら生体の状態が変化した時、それを元に戻そうとする機能全般を差すわけですが、
整形とはまさにあるカテゴリーにおいては、体の内部にいろんな異物を入れますよね。

もちろん、それはシリコンであったり、コラーゲンやヒアルロン酸であったり、ピートの自叙伝の中にも出てきた、アロダームなる赤ん坊の包皮から出来た人工皮膚であったり、ボトックス注射の原材料であるボツリヌス菌であったり、
それらは大概、体には害のないものや量として、表向きはそう宣伝されて使用されているわけです。

でも、所詮、それは生体にとってみれば、外部からの侵入物であり、それが本当に体になじむかどうかはその異物の純度や適合性、施術者の技量、施された人間の個体差によってかなり違ってくると思います。

そして、幸いにもそれらが全部クリアされれば、それは成功と言えるのでしょうが、中にはそうではなく、何らかの原因で体がそれを受けつけなかった場合、その時生体は、それを排除しようとして激しい抵抗に出る。

それが、最終的に自己の体を痛めつけ、奇形に変えるとしても。

己の体を元通りの状態にしたいから――。



扇風機おばさんや、ピートは、まさにそれだったのです!
(更にピートの場合、医者も想定外なことが起こってしまったことも事態を悪化させた要因でした)


ところで、ピートは、(外科的なものを含む)整形を、その悪名高き時代から既に支持していました。

けれど、それを率先してやり出したわりには、当初、整形に対するリサーチを全くしなかった。

彼の整形に対する考えはこうです。

「誰もが皆分刻みで起きて変身するが、その許容範囲をどこに置く?

男は毎朝起きてヒゲを剃り、下着をつけ、ズボンを履き、靴下を履く。女は自分達の髪をブリーチして、それをブロンドだと主張する。
それは皆変身のプロセスで、だがそれは一時的なものだ。

誰もがみな、ある程度の部分修整をしている。

オレは若さの泉なんて信じない。
美容クリーム~びんの中の希望~それは、オレにとっては絶対の偽善と金の無駄だ。それを留めておく唯一の方法は老化を断ち切ることだ。

だが、皆は言う。
『それ(整形)が全て上手く行かなかったら?』

人が髪を切りに行く時、彼らはそこに座って、
『おお、神よ、もし、これが上手く行かなかったら?』
なんて言うか?

アンタ達は髪ならまた生えてくると言うかもしれない。
だが、鼻や頬は永遠に傷付くと。

けれど、それは造り直すことが出来る。
それは、ボクサーにだって、自動車事故でだっていつでも起こりうることだ。
彼らが元に戻すのに、出来ないことは何もない。
彼らはアンタの耳から、ほんの少しの組織片を切り取って挿入し、また元に戻すことが出来るのだ」


この、ピートの考えをどう思うかは、皆さんの自由です。

それに、私達にはまだ考慮しなくてはいけない要因があって、

その要因の内の一つが――これは私も意外だったんですが、
ピートは自分の顔に対して、具体的になりたい容姿についての概念がなかったということ。

彼は、自分がどうするつもりなのか、わかっていませんでした。
彼は、ただ自分の顔に絵を描いていただけ。


とは言え、人にはそれぞれ好みというものがありますよね。

ピートが自分の顔にその時々で描いていた顔にはやはり、その時々の自分の好みが反映されていたと思うのです。

例えば彼が文中で取り上げてきた女優や歌手陣――古くはディートリッヒから、バルドー、モンロー、ジュディーやデボラ・ハリーなどは、女性性のシンボルと言ってもいいくらい、唇が厚く、肉感的で女らしいフォルムを持つタイプで、彼が1992年に初めて唇にアロダームなる組織片を入れ出した前後のピートの容姿は明らかにそのテのタイプの女性像を描いていたんだろうなーというのが見てとれるほど。

でも、私なんかは彼とは正反対で、そういう肉感的な女性が苦手だったため、好きになる女優陣は専ら、知的でボーイッシュでクールビューティなタイプばかりでした。

即ち、ディートリッヒよりもガルボ、バルドーよりもヘプバーン、モンローよりもグレース・ケリー、ジュディーよりもヴィヴィアン・リーといった具合。
(特にヘプバーンが好きだったなぁ。その内、キム・ノヴァクやナスターシャ・キンスキーみたいな混合タイプも好きになりましたけど)

ピートは、でも、そういうクールタイプに関しては一つも言及していないし、やはり彼が女性像で絶賛してるのは、バルドーやデボラタイプの美女ばかり。

一方で、マリー・トラバースやシェール、シルヴェスターなんかはこれまた、ちょっとボーイッシュというよりも男性的な香りのする人達ですし、'80年代の時の顔はむしろこっちタイプでしたよね。

つまり、そうするとピートの場合、なりたい容姿についての概念がなかったわけじゃなく、固定化したい容姿がなかっただけなんじゃないかと。


だから、ちょっとぐらい肉を削っただけじゃ満足できなかった。

「マイナーな変化は大きな違いを生む。

オレは、中心点から出発して外へ向かっていく必要があった。
唇、鼻、頬・・・、目と眉だけはいじらずに、他を全部リフトアップした」



でも、それなら一体、ピートをそこまで整形に駆り立てた最大の原因は何だったのでしょう?



それは、違和感でした。


「This isn't me これは、オレじゃない」


ピートは、3,4歳の頃、既に自分の容姿のことをこう思っていたよう。


彼は、小さい時から絵を描くことが大好きでした。
でも、その当時は紙がそんなにない時代だったので、彼はその紙の代わりに自分の顔中、体中、壁中に子供用のペンキを塗りたくっていた。

やがて、それは彫刻への興味に移り、工作用粘土でいろんな物を作ったり、またある時は天井中にスピログラフを描いたりもしていたピート。

お母様自身が自分の美を保つこと――化粧に執着していたことも影響しているのでしょう。
ピートは、そのごく小さい頃から当たり前のように化粧をして遊んでいました。


ここで、ちょっとまた、彼の言葉を引用しましょうか。

「化粧はごまかしのように見えるかも知れない。だが、アンタ達はその重要性を理解しなくちゃいけない。
この世にマックスファクターがなかったら、オレ達には大作映画もスターもあり得なかった。それは、オレ達に神と女神を与えてくれた。
化粧は、憧れであり、夢であり、社会にとってとても重要なものだ。

もし、ありし日の映画スター達――ディートリッヒやガルボ、クラーク・ゲーブルやモンゴメリー・クリフト、それにリズ・テイラー達が化粧をしていなかったら、オレ達には何も見るべきものがない。

化粧は人の顔を上げさせた。そしてまた、積極的な態度をももたらす。
それは間違っているように言われるが、でも、そうじゃない。

それは、ボリュームアップさせ、際立たせ、そこにあるものを強調させるのだ。

もし、オレが政治家になったなら、化粧を奨励するだろう。
なぜなら、それをすることによって、人が既にそこにある何かを表現することが出来るかも知れないからだ。

それは、防臭剤より役に立つと思わないか?」

また、ピートはこんな風にも言っています。

「オレは見た目が悪いのにいい匂いがするヤツより、イヤな匂いがしても見た目がいいヤツの方がいい。
それは、オレ達が心で愛さなけりゃならない理由だ。

オレ達はみんな盲目であるべきだろう。
そして、目ではなく、心で愛すること。

ただ、この社会では、余りにも皆忙しすぎて、相手の性格について語る暇などないし、オレ達は人の心が読めるわけじゃない。
だが、どれくらいの店がアンタがレンガ作りの門の前にいることがわかる?
誰も中に入るつもりはない。

オレ達は、自分の中に何があるか知らせるための自分の店の窓なんだ。そうして、オレ達は手持ちの宝石を全部展示する。

率直に言って、オレの宝石は全部見せ物だ。
オレはそれを楽しんでいる。
そして、それらは全て売りに出されるのだ」

つまり、彼にとって、化粧とは、その人が何者であるかを知る手掛かりなるってこと言いたいのではないかと思うのですが、

一方で、ピートは前世の存在を信じています。

(ここからの話はその手の世界を信じていない方には、ちょっと厳しいものがあるかも知れませんが、どうか我慢してお付き合いを)
彼は実際、幾つかの過去生を憶えているらしく、その最たるものは“Dr.ダーレクのロボット”を操縦する自分のお話です(ま、でも、これは昔『ムー』少女だった私でも読んでいてちょっと眉唾モノだったんですがね
それ以外にも、彼の前世はいろいろ大変だったらしくて、今生でやっと調和と理解のみずがめ座の時代に入り、「おお、すげぇ!1959年じゃん!」と喜んで産道を通ってきて世界を見渡してみたところ、また元の場所に帰りたくなったと書いていますから、
彼には生まれてきた時から既に、今生での厳しさがわかっていたのかも知れませんね。

そんなピートが、化粧の他に小さい頃取りつかれていたことが、もう一つありました。

それは、インディアンの仮装をすること。

ポートサンライトのピートの家には彼のために両親が買ってくれたのか、あるいは元々そこにあったのかはわかりませんが、アメリカ・インディアンのテントと衣装、お面が一式揃っていて、ピートはそれが大のお気に入りでいつもそれを身に付けていました。
(特に黒い髪を三つあみにし、フェイスペイントを施したお面の顔が好きだったそうで)、それは、ウェスタンに対してトラウマを抱くほどでした。

ピートは、子供がこんな風に小さいうちから何かの物事に取りつかれたり、ピアノを簡単に弾くことが出来るのは、前世の記憶があるせいだと言っています。


「それじゃあ、なぜ、オレにとって肉を削り取ることが、そんなに大事だったのか?

それがオレだったからだ!

オレは過去生では、素晴らしい美貌だったと思う。でも、今のオレはそうじゃない・・・。


オレは、バーブラ・ストライザンドはとても美しいと思う。だが、もしオレが朝起きて、彼女のような顔になって鏡に映っていたら、ちょっとショックを受けるだろう。

ウーピー・ゴールドバーグはとても素敵だ。
だが、もしオレがある朝起きて、鏡の中に彼女を見たら、オレの目と心はそれが自分じゃないと思って傷付くだろう。

アンタが白人だとして、目覚めると翌日黒人になっていたら、どう思うか。
同じように黒人の自分が白人になっていたとしたら?

アンタは男で、翌朝起きてみたら胸が大きくなっていた。

その時、アンタはどう思う?


アンタはちょっと考えるだろう。“これは、自分じゃない”と」


思うに、ここから先は私の単なる推測なので、受け入れられない方にはスルーしていただきたいのですが、
ピートはおそらく、前世でインディアンの部族の中の巫女さんのような立場の女性だったことがあるんじゃないかと思います。

その容姿はとても美しくて、漆黒の黒髪をしていて・・・そう、彼の好きなシェールのような、綺麗で強くてちょっと男性的な、そんな女性。


だから、彼は自分の現生の顔に違和感を覚えた。


そこで、それを何とかしようとして、ピートは最初、大人が使っているアクセサリーのように、ちゃんと社会で認められているアイテムを使用して、その違和感を埋めようとします。

即ち、アメリカ・インディアンのヘッドドレスや女性用のフリンジドレス、ウクレレなど・・・。

「だが、それでは十分じゃなかった。それは、一時的なものだ。外れてしまう。

オレは、自分が自分であるために、外れないものが欲しかった」


ピートは、化粧や巧妙な写真技術で得られるような人工器官ではなく、整形による本物が欲しかったのです。
(整形で造られた顔が本物かどうかの議論はさておき)



――そうして、彼の整形手術は始まりました。


最初の部位は鼻。

1985年のことでした。



そこから、彼の大いなる迷走と闘いが始まるのです・・・。




                             To be continued 

JGPS ポーランド大会

2009-09-14 14:43:03 | その他のスケーター
前回、レイクプラシッドでのJr.の子達の活躍を書いたばかりで、またもや嬉しいお知らせが!


ポーランド大会に出ていた羽生くん、佳菜子ちゃん、高橋&トラン組(彼女ら連戦だったんですね、気付かなくてごめんなさい!)が、なんとそれぞれ皆1位になってトリプル優勝!!


すごーーーーーい

これは日本のジュニア史上、快挙なのではないでしょうか!?


特に羽生くんは去年やっと習得した筈の3Aを見事に決めて(しかもFSでは3A,3A-3T跳んでます!!)PBも大幅更新!

リザルトはこちら

PCSも一挙に6点台をつけてきて、総合198.65点は2位と20点以上もの差!


DOIで観たSP『ミッションインポッシブル』は確かに羽生くんの元からあるしなやかさに加えて男らしい力強さが加わっていて、あの時期既に今季の彼はいいかもしんないとは思っていましたが、
まさかこれほどとは!

そして、女子の村上佳菜子ちゃんも同じく、2位とは15点差をつけた総合160.85点で、高橋&トラン組も前回3位だったのが、今回は見事優勝!!


あ~~~、これ、どっかに動画あがらないですかねぇ

も、観たくてしょうがないですよお!



あ、それから、

こないだから気になっていたあのお方、

SPで驚異の点数とクワドを跳んで、4年のブランクなど全く感じさせなかったあのプルが、FSではまたもや4-3-2と4を入れてきて(ま、後半はバテバテだったみたいですけど)SP95.05点、FS164.09点、総合259.14点で見事サンクトペテルブルグカップ優勝!

いや~、

点数は国内の初戦ということで、あまりアテにはならないかも知れませんが、それにしても相変わらずクワドを複数回入れてこられるポテンシャルの高さには脱帽です!!
向こうのニュース映像でちらっと見ましたが、体型も在りし日の彼に近い、スレンダーボディに戻っていたし、
ジャンプはちょっとつまり気味ではあったものの、今あれだけ跳べれば十分ってぐらいの精度だったので、
何にせよ、やっぱ彼は皇帝と呼ばれるだけのことはあるなぁと改めて思った次第。


大輔くんのことを思えば、こんな驚異的なライバルはいないに越したことありませんが(~_~;)、
ここ2年間の男子の高難度の技術に対する評価の下がりっぷりを思えば、またプルやランビ、大輔くんなど、当たり前のようにプロの中に4を入れてこれて、尚且つPCSも高い選手が戻ってくるのは、やっぱり全体の底上げと奮起に繋がるので、いいのではないかなーと思います。

あの、男子のクワドが決まった時の豪快さや爽快感っていうのは、他では得られないものですもんね!


そういう意味では、ホント、オリンピックのメンツが楽しみです!!


大輔くんも、今頃、プルのニュースを聞いて、自分を奮い立たせているかも知れないですね!