長かったユーロ&全米がようやく終わりましたね!
この一週間、昼夜を問わずずーっとネットストリーミングに張り付いていてドキドキワクワク
とっても楽しかった私ですが、
ピークの金曜のユーロ男子FSでは細切れに寝て夜明かしまでしたので、いい加減最後は腰と胃が痛くなっていましたよ~(>0<)
でも、そう言ってる間に27日には四大陸が始まっちゃうし
そして、そんなコンペの結果に一喜一憂してる内に、あっという間にオリンピックが始まっちゃうんですよね~。
・・・なんか、落ち着かない
まだ、心の準備が出来ていないのに、もう、オリンピックが始まっちゃうなんて。
てかね、
今回のユーロ男子の結果を見て、もしかしたら選手もそうなのかも知れないけど、
何だか焦って来てる自分がいるんです。
不安と言ってもいいかも知れない。
――その原因は、
皆様もご承知の通り、プルの復活。
全く・・・。
この彼の存在が、土壇場になってこんなにも男子の試合運びに影響を与えようとは
でも、それをとやかく言う前に、
取りあえず今回の試合を振り返ってみたいと思います。
さて、
SPが終わった時点での順位は、
1位 プル 91.30
2位 ジュベ 88.55
3位 ポンちゃん 82.40
でした。
この3人はいずれもSPからクワドを入れてほぼパーフェクトの出来、
同じくクワドを入れて来たランビは4Tでお手付き、3Aなしの2A,3Fという構成で77.75点、5位と遅れを取り、
トマシュも4Tツーフット、3Aは何とか下りるものの、3Lz-2Tでバランスを崩しては、もう、自爆がお約束になってしまった感ありありで精彩欠きまくり(T_T)
変わって同国でシニアに上がったばかりのブレジナが、クワドはないものの、安定したジャンプを跳び台頭してきたのは皮肉でしょうか。
この時点で、ユーロは早くも空中戦の様相を呈していたわけですが、
私的には最後はプルとジュベの一騎打ちで3位辺りにランビかなーと予想していたところ、意外な大番狂わせがありました。
そうそう、ここで意外と言えば、
今季プルの後塵を拝してはいましたが、本人的にはかなり好調だったヴォロが、なんとこのユーロで大自爆。
五輪代表2番手の位置をほぼ手中にしていながら、それが返ってプレッシャーになったんでしょうか?
SP、FS共にあの出来で、ロシアスケ連に直前になってそっぽを向かれてしまいボロに代表の座を奪われてしまったのが、何ともはや哀れでなりません
(まァ、それを言えばポンちゃんとプレオを差し置いて2番手をアモディオくんに決めたフランスもかなり非情だけど
)
そんな悲喜こもごもが宿ったユーロ戦は、チェコも御多分にもれずな展開でしたねー。
本来なら彼らの滑走順は逆だった筈でしょうに、悲しいかなトマシュは最終前Gからの滑走で、一方ブレジナは、プルジュベランビポンちゃんというそうそうたるメンバーが揃った最終Gに。
そして、結果は皆さんご存じの通り。
トマシュは冒頭の4Tを転倒、2番目は根性で下りるもののコンボつけられず、
その後二つ目の3Aも1Aに、最後のループもすっぽ抜けで結局コンボは一つだけになってしまい、TESはたったの58.03点。
これはあのGPFより6点程度高いだけで、PCSもあの時期とほとんど変わっていません。
ホントだったら、普通はGPFから既に1か月も経ってるわけですから段々滑り込んで来てプロもこなれてきてる筈だし、ジャンプだって彼の場合、取り立ててフィジカル的な問題もないようなのに、
何故、今季の彼はあんな地に足がついてないとゆーか、浮ついた滑りばかりしてるんでしょう?
とにかく、見た目も痩せたせいなのか覇気がちっとも感じられないし、そのせいでパワフルさも欠けているので演技に説得力がなさすぎ。
それでも、クワドを下りられるのは持って生まれた身体能力のおかげだと思うし、スケーティングだって表現力だって人並み以上にあるのに、
このままじゃ余りに宝の持ち腐れで勿体ないです
かつてユーロ覇者にもなった気概を、今一度見せて欲しい。
そんな気分ですね~
一方、それとは対象的にFSでも自分の持てる力を無理せず発揮出来たのがブレジナで、
彼は一応4S跳べるみたいですが、今季は安定したジャンプで手堅くまとめてる感が強いですよね。
それは裏返せば自爆率が少ないとゆーことで、
今回も3F-3Tのファーストジャンプがオーバーターンに、2A-2Tのこれまたファーストが1Aになった以外は2回の3Aを含む高さのあるクリーンなジャンプを跳んで、終わってみればTES72.54点、PCS72.60点の145.14点、総合では224.74点で見事4位になりました。
彼は割と3Aが安定してるし、ジャンプの質がとてもいいのが強みかなーと思います。
でも、キャラ的には今回のEXで見せたような、ちょっとねっとり感のある演技の方がハマると思うので、バトルリスペクトもいいけど、もっと己を知ってパンチのあるキャラを確立して欲しいかな。
とにかく、今季の大躍進はおめでとうと言いたいですし、
初五輪もちょっと意地悪な見方をすれば、トマシュとどっちが大舞台に強いか楽しみではありますね
彼らには、またその先のシーズンもあるのですから。
――ああ、でも。
その先がないかも知れないのがポンちゃんでしたっけ
あのスピードに乗って繰り出されるクワドが何とも爽快で、でも中盤ではいつもそのスピードに振り回されてジャンプコントロールをミスしていた彼は、それでもおフランスらしい濃ゆいキャラクターで日本でもファンを増やし、ジュベ、プレオに続く3番手辺りで何とか頑張っていたのに、
やっぱりFSでもそのまんまの展開で失速してしまいました。
プレオも今季のプロ、とても好きだったのに、
ブレジナよりも安定してないアモディオという若手に五輪代表を取って変わられたことは、中堅クラスで長いことやってきた彼らにとってはこの上ない下剋上で厳しい世界だなーとつくづく思います(泣)
でも、反対にこの4年間ずっとトップで戦ってきて、クワドの牙城を一人で守って来た感のあるジュベにとっては、
今回のこの展開をどういう気持ちで受け止めたのでしょうか。
思えば彼は、トリノ後の翌年に出た試合全部を優勝でしめた06-07シーズン以降、
いつも何かしらの怪我や病気で途中棄権したり試合に出なかったりが続いていて、今季もそう、あのルッツの練習中にブレードで足先の腱を切り全身麻酔で手術をするというアクシデントにみまわれユーロまではろくな追い込みが出来てなかった筈なんですよね。
でも、プルとかもそうですけど、鉄人的な強さを見せる人には凡人は大抵その選手が故障を抱えているという事実をすっかり忘れてしまいがち。
今回のジュベもそうで、
SPでプルに次ぐ圧倒的な演技を見せた彼に、打倒宇宙人(笑)への期待はしてもまさかあんなヘロヘロな演技をするとは夢にも思わず。
考えてみれば、練習をお休みしていた体に、SPは気力で持ってもFSはその貯金のない体力が持つ筈がないわけで。
4Tオーバーターン、2S、3A-3T、3Lz-2T、3Lz、3Lo、3Sツーフット、3FではTESも上がりようがありません。
それでもランビの演技を観た後では、ジュベの方が上ではないかと思ったのですが、
ランビの場合、二つ目のクワドコンボが決まったのが大きかったですねー。
それとやっぱり、あのスピン。
でなければ、最初の4Tはお手付きだったし、3F-3Tのセカンドの着氷も微妙、その後ステップで転倒し、最後の3Sもステップアウトしてる上、3Aが一つも入っていないのに、
プロトコル見ると基礎点ではやはりはるかにランビの方が高く、PCSでも5点以上の差をつけられてるんですよ!
ランビは3Aをもう入れないのだとしたら、それこそこのクワド2本が生命線なんでしょう。
プログラムは、ワルツを表現してみたかったというだけあって、あの3拍子に合わせた軽やかでしなやかな手の動き、楽しげで華やかな雰囲気はとてもランビらしくて良いなァ~
と思いましたけどね。
でも、インパクトとしては私はポエタの方が上だと思うし、好みかなー。
衣装も色合いがSPとかぶるので、デザインはそのままであの身ごろ部分だけボルドーとか濃紺のベロア素材でも良かったような。
あと、今回ちょっと心配だったのが、彼のジャンプ。
ランビ、前はあんなに着氷で沈み込んでいましたっけ?
見ててすごく危なっかしくて膝に悪そうで、まァ、あれでスピンもやってるんだから、大丈夫なんでしょうけど、心臓に悪いなァと思ってしまいました
何にせよ、彼が競技の場にいると厚みと華やかさが増すので、それ自体は歓迎なんですけどね。
それからジュベの話に戻りますが、
今回は体力的に仕方なかったとは言え、毎回コンボ券ちゃんと使い切らないのでそこら辺でツメが甘いとゆーか、そこをもうちょっと悪いなりにでもしっかりやってれば、SPで11点差もあったのをひっくり返されることもなかったんではないかなーと。
表彰式での引退出戻り2人組の晴れ晴れとした表情とは対象的な、物悲しいジュベの顔が忘れらないです(T_T)
彼にはこの4年、トップとクワドを死守し続けてきたという現役のプライドがある筈ですし、後でまた触れますが、ここ1,2年は表現面でも努力進化してきてるので、五輪では是非ともリベンジして欲しいのですが・・・。
もちろん、これは、いち男子シングルファンとしての感想です。
したがって、大輔くんファンの目線で語るなら、また話は別。
そう、
そういう意味で、今回のプルの圧倒的優勝は“高橋大輔”というスケーターを好きな私にとっては、すごく複雑でした。
何故か?
それはやはり、プルの存在に対する畏怖と、あの演技内容に違和感を覚えたから。
4年のブランクとあのぽっちゃり体型をものともせず、まるで彼の全盛期にタイムスリップしたかのような、SP、FS両クワドを含む圧倒的なジャンプ成功率は、彼が後でインタでクワドレスでもチャンプになれる新採点ルールを誹謗するまでもなく、
男子シングルとはこうあるべき!という姿を体現していてホント、素晴らしいと思います。
もちろん、私もクワドは見てて胸がスカッとするし、エキサイティングで迫力も増すから男子のプロには是非入れて欲しいと思ってるクチです。
けれど、残念ですが、
あの、プルの演技の、音楽なんてジャンプに合わせやすく鳴っていればさえいいみたいな、曲表現を無視した独特の振り付けや、ラストのガッツポーズだけの終わり方を見るにつけ、
そのジャンプ自体はすごいと思いこそすれ、表現に関しては何の感動も感慨も憶えないのです。
むしろ、どんどん冷めてくる。
確かに、新採点のおかげでクワドを跳ばなくてもチャンピオンになれるし、Pチャンのようなスケーターでも点数が出るのですから、ジャンプが男子の醍醐味で今のルールをクソだとと思っている人達にとっては今季のプルの復活はまさに我が意を得たりという感じなのでしょう。
でも、私自身は、男子と言えどやはりフィギュアはジャンプだけではなく、その音楽表現も必要だと思っている人間なので、
だからこそ理想はクワドも跳べて表現力も優れているスケーター=(イコール)高橋大輔なのです。
ま、海外で言えばランビが相当でしょうか。
(でも、じゃあ、なんでランビじゃなく大輔くんなのか?と言われると、困っちゃうんですけど
ここの明確な差異が未だによくわからん
しいて言えばランビの「陽」より大輔くんの「陰」の方が私の感性に合ってるからですかね)
とにかく、そういうわけで、
現時点でプルの復活は、停滞していた男子のクワドに挑戦する気概を復活させたようで、それはまことに喜ばしいことなのですが、
その代わり、それがトリノからの4年間の選手達の試行錯誤を反古にするようなことを意味するようなら、それはちょっと違うんではないかと。
だって、一部の選手を除いて、ほとんどの選手はクワドも表現も追求しながらトップを目指して来たのですから。
そして、今つくづく思うのは、オリンピックが後一年遅かったらということ。
怪我をして、柔軟性が増したとは言え、今までのスキルが全く役に立たなくなった大輔くんにとって、やはり怪我する前も後も一番修得するのが難しいのがクワドであり、
プルが完全復活して来た以上、クワドなしノーミスで滑ったとしても、それは王者の滑りとは認められません。
(そのせいか、ライサはもうはや「確率が低いものはやらない。オリンピックでは多くは望まない」なんて言ってます)
であれば、彼の性格からして意地でもクワドは跳んでくる筈で、
でも、クワド1回では、今はもう、確実に金が取れるとは言えなくなってますよね。
プルはオリンピックでクワド2回入れて来ると言ってますから。
だから、それで優勝出来たら奇跡だと。
「奇跡」でしか大輔くんの優勝が望めないなんて。
なんだか、悔し過ぎます。
せめて、今の柔軟性に、07-08シーズンのクワド2回3A2回入れていた頃の筋力や気力の充実が戻っていたら。
せめて、もう少し猶予があったら。
そしたらそれは「奇跡」ではなく、「順当」なことになっていたでしょうに。
・・・ああ、
いかん、いかん!
ファンがこんなネガティブでどーする!!(>д<)
でも、今の私の頭の中は、冷静に戦況を分析する自分と、大輔くんを応援してやまない超個人的な感情で揺れる自分がせめぎ合っていて、ユーロからこっち、めっちゃ不安定になってるんです
おまけにそんな中、昨日一昨日のやたら「メンタルの弱さ」を強調した作りになっていたTBSの特集を見たもんだから、余計ブルーになるし
――誰か、こんな私を慰めてください
もちろん、あのプルだって完璧ではないし、オリンピックでは何があるか、それこそ蓋を開けてみるまではわからないことは十分承知しているのですが、
私って大輔くんに感化され過ぎてるんでしょうか?
トップのミス待ちで勝っても嬉しくない。絶対皆を納得させる演技をして優勝して欲しい!!
そう思うからこそ、今の状況がとんでもない心理戦を呼びそうで、怖くて仕方がないのです。
どうか、大輔くん自身は自分を見失わず、冷静にオリンピックのその日を迎えられますように。
皆さんも私のような頭でっかちにならないよう、気をつけて下さいね~~~(T_T)/~~~
今回は、長くなってしまってしまいました。
とりとめもない話をここまで読んで下さって、感謝しますm(__)m