RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

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メッセージが伝えるもの

2011-02-20 17:14:23 | スタッフ日記
昨年末あたりから、やたらとメッセージを募集している。

今度、それに絡んでワークショップを一本、やらせてもらうことになって、
それを手伝ってもらう事になった友人とその話をしていて、あらためて、なぜ今になって「性暴力への想い」という、
ある意味ではもうやり尽くしたような、そんなものを集めて、
何を私はしたいのだろうか、ということを考えた。

SODへの寄稿文の中でも書いたのだけど、
私は、性暴力とは何か、ということに未だ答えが出せていない。
もちろん、現象としてみればそれは単純に「同意のない性行為全般」を指すと思うし、
そこにはセクシュアリティー含め、条件的な項目は必要ないと思っている。
もちろんそこには社会的に構築されたジェンダーなども重要な項目になってくるから、
それぞれへの対応が同じだということではないけれども、だ。
基本的に、何が性暴力なのか、ということでは、広義での一般的な定義付けが出来る。

でも、私にとって性暴力って何?
これには定義付けが出来ない。


私は10代の頃にセクシュアルマイノリティーの人々のコミュニティーに出会った。
その中に妙な居心地の良さを感じていた。
いろんな人がいるんだな、という安心感だったと思う。
社会的にはどの程度許容されている(許容、ということ自体が暴力的だけど)かは知らないけど、
ここにいる人がそれぞれにいろんな事を抱えていて、だからといってそれがどうということでもなくて、
それでいいじゃない、だって、目の前にいる、見えていることが私にとっての全てだし、というような感覚を、
そこで始めて得た気がする。
いいんだ、このままで、というか。
それでもどこかで、周囲の人には周囲の人なりに、まぁいろいろあるんじゃないかなっていうのを、
どことなくでも思っていられることが、
なんとなく、自分が自分でいる事を支えてくれる気がした。

その頃に出会ったのが、ぷれいす東京とかがやっていた、LivingTogether計画だった。
共生を目指すのではなく、私たちが既に共生している、今現在、一緒に生きているんだということ、
私たちって、すでに人もモノもウィルスもなんもかもひっくるめて、共生してんだよってのを、
いろんな人の言葉で綴ったメッセージを見て、
また私は安心した。

Living Togetherは、私に安心の要素を沢山くれた。

それが何故なのかな、と考えると、

身近な細々とした悩み、身近な人たちへの愛、友情、
その人の人生が左右されるような出来事、行き場の無い想い、
それらが、バクっとした枠の中に沢山あって、そっか、一つのテーマについてでも、こんなに沢山の想い、表現がそこにはあって、
正しいとか正しくないとかそういうことじゃなくて、
それでいいんだ、
と、思わせてくれたからかなと思う。

今更に性暴力ってあなたにとってなんですか?なんて聞くのは、
果たして意味があるのとか無いとか、そういう事はよくわからない。

でも私は思う。
この問題を見て行くにあたって、これ以上正しさを求め、悪しきものを批判し続けても、事態はそう変わらないのではないか、と。
もっと自分たちの心に耳を澄ませてみたいな、と。
あなたはどう思う?
私は、どう思ってる?
もっともっと個人ベースに落としていって、
もっともっと、それぞれの声を聞きたいなと思った。

その、一人一人の思いにいいも悪いも全然ないんだけども、
でも、自分の言葉で表してくれたその言葉は、どんなものであれ、
なんかの想いがあるんだよね。
それは、自分への想いかもしれんし、友達へ、恋人へ、家族へ、いっそ世界中の人へとか、
いろんな想いがある。
その想いって、やっぱりどこかで共鳴しあう気がする。
一つのメッセージでは、それは表現できないんだけど、
そうした一人一人の超個人的な想いがたくさん集まれば、
塵も積もればなんとやらといって、
おっきい想いに、昇華できるんじゃないかなぁと思っている。
しかも、すごい事に、その想いは、「塵」じゃないから、
すっごい身近なものへの想いだとしても、
きっと積もったら、
すっごいおっきい、想いになるんじゃないかと思う。

その身近な声たちは、きっといろんな人の心に届くんじゃないかなって、
私は思ったりしている。



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