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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

東京オリンピック1年間延期で出費する費用は3000億円ではなくて6000億円?1年の延期で済むとはもう思えない。五輪は中止、返上しよう。

2020年04月22日 | 東京オリ・パラ問題

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 国際オリンピック委員会(IOC)が2020年4月20日に公式サイトで、2021年7月に延期になった東京五輪・パラリンピックの追加経費について、

「安倍晋三首相が現行の契約に沿って日本が引き続き負担することで同意した」

との見解を公式サイトで発表したというニュースは日本中を震撼させました。

 IOCは見解で、自らの負担額は数億ドル(数百億円)規模と書いていたのですが、オリンピック延期直後に日本経済新聞などが、延期に伴う費用は3000億円という報道をしていたので、今回委員会が安倍首相が同意したお金も3000億円と報道するマスコミが多かったからです。

 

 菅官房長官は

「延期に伴い、必要な費用については、16日に開催されたIOCと組織委との会議において、コストを含む影響の取り扱いが共通の課題であることを確認し、今後共同で評価、議論することで合意したと承知している」

と述べ、日本側の大会組織委員会は21日、掲載内容を否定し、IOCに削除を要求したため、この記述は日本時間21日夕、IOCの公式サイトからなくなりました。

 

 

 IOCのバッハ会長と安倍首相は3月24日に電話会談し、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年程度の延期を決めました。

 この会談内容について、日本の組織委は

「会談では費用負担について取り上げられた事実はなく、双方合意した内容を超えて、このような形で総理の名前が引用されたことは適切でない」

とし、会談に同席した菅義偉官房長官も21日午前の会見で

「追加費用に関する合意の事実はありません」

と述べています。

 しかし、マズイことが3つあります。

 

 一つ目は、東京都の小池知事は

「国、都、大会組織委員会が延期費用をどのように精査するかで検討を進めている」

と述べているんですが、東京都は五輪招致に名乗りを上げた時の協定さらに開催都市契約で、延期の場合の追加費用は東京都が払うと約束していることです。

 つまり、今回は向こうが安倍首相と言いきっちゃったので引いてくれましたが、この後どうがんばっても、追加費用を国際オリンピック委員会に持たせるのは無理で、東京都が全額負担するのは無理なら、日本政府と負担を分け合うしかないということです。

 てか、結局ほとんど国が払うことになりますよね。

 

 二つ目は、延期1年で3000億円というのは過小評価で、6000億円以上だろうというレポートが出ていることです。

 金融機関のLearnBondsが収集したデータによると、2021年に延期された東京オリンピック、この遅れにより、今年の損失総額は55億ドルを超えるなど、高額の財政的打撃が生じると予想されています。

 関西大学の宮本勝浩経済学教授も、東京五輪の延期が決定したことで発生する追加費用は、概算で最大57億ドル(約6327億円)程度が見込まれると詳細な報告をしています。

 宮本教授によると、大会延期にかかる諸費用は、

「競技場、選手村などの施設の1年間の維持、修理、管理の費用」約225億円

「大会に関係する各種スポーツ団体の五輪に合わせて再び準備する 1 年間の必要経費」約3900億円

「その他の広報、連絡関係の経費など」約100億円

合計約4225億円と算出しています。

 これに加え、大会延期により失われる経済効果は、

「新規恒久施設・選手村などの後利用、東京のまちづくり、環境・持続利用性のレガシー効果」「 スポーツ、都民参加・ボランティア、文化、教育・多様性のレガシー効果」「経済の活性化・先端技術の活用のレガシー効果」などから、約2183億円と算出しているんです。

 

 3つ目は、オリンピックの延期は本当に1年で済むのかわからないということです。

 緊急事態宣言も5月6日では済まず延期の可能性が高いし、仮に形式的に宣言は終わりにしても自粛は何か月も続きますよね。

 そもそも、新型コロナに対するワクチンができるのは最短で18か月と世界保健機構は発表していますし、治療薬は手探り状態。

 これに対して、日本に暮らす人70%に抗体ができるのは3年かかるともいわれています。

   そもそも、1年後に全世界から観光客に来て欲しいですか?もう、コロナ大爆発ですよ?

 となると、1年間の延期で済まなくなる可能性があり、ずるずるとまた1年、また1年と延期することになるかもしれないのです。

 

 これに対して、東京オリンピックが中止になったら、失われる経済的効果は計り知れない、最大で8兆円になるとも言われているんですが、これらはオリンピックに観光客が来てくれてお金が落ちるとか、オリンピックに伴う建設ラッシュなどゼネコンが潤うとか、テレビで放映されてCMが流れる広告宣伝費とか、これから得られる経済的利益の話ばかり。

 こういう将来得られる見込みのある経済的利益が得られなくなる損失の事を、法律学では

「逸失利益」

というのですが、いま、コロナで苦しむ日本にとって、目の前の出ていく数千億円のお金の方が来年得られるかもしれないという数兆円よりも大事じゃないですか?

 しかも、得られる利益ってほんとそんなにあるんですか?

 もう、誰も東京の不動産なんて買わないし、建設する商業施設やマンションなんて無駄だし、こんな状況でオリンピックをやっても人はそんなに来ないし、外国の人も日本の人ももう財布のひもが固くなってて、お金使わないでしょ?

 

 いつも、イベントで得られる収入見込みなんて過大であることが常で、これまでのオリンピックもここ数十年はほとんど赤字。

 2500億円で作ったというけどこれからどんどん経費がかさむのに使い道がほとんどない新国立競技場を象徴に、オリンピックを延期してまでやる費用はあとあと無駄金だったと思われるものが多いんじゃないですか。

 コロナで経済的にも息も絶え絶えなのに、オリンピックみたいなでかいけど一過性のイベントにお金をじゃぶじゃぶつぎ込んでいる場合じゃないでしょう。

 もともと、福島原発事故をコントロールできていると大ウソついて招致に成功したのが間違いだったんです。

 賢い経営者は損切りが肝心。

 もう、オリンピックはあきらめましょう。

 

関連記事

これ、2015年の記事ですからね。先見の明があるなあ(苦笑)。

さあ、地獄のオリンピック跡地めぐりを始めよう。

東京五輪開幕まで5年。新国立競技場のみならずオリンピック開催をゼロベースで考えよう。

 

 

無理やりオリンピックを開催したいがために、コロナ対策にいろいろしわ寄せが行ったわけですが、延期してでもやろうとしたらまた情報の隠蔽やコロナ対策費への悪影響が必ず出ます。

どこの国も、ここ数年内に肥大化した五輪をそのままの姿でやるのは無理です。

2024年のパリ大会は、商業化しすぎたオリンピックをスリム化した、ポストコロナでやってもらいましょう。

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五輪の追加負担 組織委は「首相同意」否定 IOCに削除要請

2020年4月21日 20時20分 NHK

IOC=国際オリンピック委員会が、東京オリンピック・パラリンピックの延期にかかる追加経費について、「日本が現行の条件に沿って引き続き負担することに安倍総理大臣は同意している」などと表明したことについて、大会組織委員会は、「会談で費用負担を取り上げた事実はなく、合意していない。総理大臣の名前が引用されたことは適切ではない」と否定し、IOCに削除を求めました。
IOCは、これを受けて該当する箇所を削除しました。

IOCは20日、東京大会の来年夏への延期にかかる追加経費について、ホームページ上に「日本が現行の契約条件に沿って引き続き負担し、IOCはその費用の分担に責任を負うことに安倍総理大臣は同意している」との見解を掲載しました。

これについて、組織委員会の広報責任者の高谷正哲スポークスパーソンは「先月24日のIOCや安倍総理大臣との電話会談では、費用負担について取り上げられた事実はなく、合意していない。掲載されたものは双方が合意した内容を越えていて、総理大臣の名前が引用されたことは適切ではない」とIOCの見解を否定しました。

そのうえでIOCに対し、該当する内容を削除するよう求めたということです。

高谷スポークスパーソンは「費用を含む延期による影響は、IOCと共同で評価することを合意している。引き続き共通の課題を議論していく」としています。

IOC 文言を削除
IOC=国際オリンピック委員会は大会延期にかかる追加経費の日本側の費用負担について安倍総理大臣が同意しているなどとホームページに掲載した文言について、大会組織委員会側からそうした事実はないとして削除を求められたことを受けて該当する箇所を削除しました。

そのうえで「日本政府は大会を主催して成功に導く責任を果たす準備ができていると繰り返し述べている。同時にIOCは東京大会の成功に向けて全面的に取り組むことを強調している。IOCと大会組織委員会を含む日本側は延期によって引き起こされるそれぞれの影響を共同で評価し議論を続ける」とする文言を付け加えました。

 

 

IOC、負担は日本の姿勢明確 21年も日本の都合

[2020年4月21日13時28分] 日刊スポーツ


バッハIOC会長(2019年7月24日撮影)

国際オリンピック委員会(IOC)は20日、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの1年延期で発生する追加経費について「日本の安倍晋三首相が、既に合意した現行の契約条件下、引き続き日本側が負担することで同意した」と見解を示した。Q&A方式で意向を明らかにした。

同日、公式サイトの「Frequently Asked Questions about Olympic Games Tokyo2020(2020年東京五輪に関する、よくある質問)」を更新。「大会を延期することによる財政的な影響は何か?」との問いの項目で、新型コロナウイルス感染拡大による延期で約3000億円規模の追加コストが見込まれている問題について、言及した。

答えは「延期は、大会の開催に関わる全ての人々、特にアスリートの健康を守り、新型コロナウイルスを終息させる一助として決断された。財政的な影響を含む、大会の延期によって引き起こされる諸問題の評価はIOCの仕事になるが、日本の安倍晋三首相は、既に合意した現行の負担割合の契約条件下、引き続き日本側が負担することで同意した」とつづられた。

続けて「IOCが、その費用を分担することで合意した」とも記し、金額は「数億ドル(数百億円)」とした。ただ、今月16日に行われたIOCと大会組織委員会のトップ級幹部による事務折衝では、IOC調整委員会のコーツ委員長が「五輪運動に関わる追加経費は負担する」と説明し、バッハ会長のドイツ紙への「数億ドル負担」発言を火消しした。

あくまでIF(各国際競技連盟)やNOC(各国・地域オリンピック委員会)への支援と強調し、大会延期の追加費用に関する直接の負担については明言を避けていただけに、今回のQ&Aに出てきた「数億ドル」が指すものは不明確だ。

これにより、IOCが日本側に延期の負担を強いる姿勢を先んじて鮮明にした形だ。緊急事態宣言を全国に拡大した新型コロナ禍の対策、休業補償などの経済対策が喫緊の課題となる中で、国民の税金をIOCの主張通りに投入すれば、世論から猛反発を受けることは避けられない。

また、新規の質問として「なぜ2022年に延期しなかったのか」も掲載。「日本のパートナー(組織委やステークホルダー)と首相が、日本が遅くとも来年の夏を超える延期には対応できない、と明確にした」と日本側の都合による決断だったと、IOCの立場として明示した。

 

 

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