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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

安倍首相最後の全国戦没者追悼式で、ついに「過去の歴史への反省」をかなぐり捨て、「積極的平和主義」=軍事介入を初めて盛り込む!

2020年08月16日 | #安倍晋三が諸悪の根源

必ずやらせないといけない安倍内閣総辞職。

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 こんな空疎な、行きがけの駄賃みたいなことを言いに行くくらいなら、家で寝てればいいのに。

 安倍首相は2020年8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式に参列して式辞を述べたのですが、今年の式辞では、昨年まで繰り返し用いてきた「歴史」という文言が消えたんです。

 2012年末に発足した第2次安倍政権では昨年まで「歴史」が式辞に入り、歴史に「謙虚に向き合う」などと組み合わせて表現していました。

 2019年だと

「歴史の教訓を深く胸に刻み」

としていた部分が今年は

「世界をより良い場とするため」

と変わってしまいました。

 戦没者を供養するのに、過去の歴史に言及して反省することを誓わないのだったら、無念のうちに亡くなっていった方々は死んでも死にきれないですよ。

 なにしてくれてんねん。

 

 また、とうとう安倍首相は第二次政権になってから今回まで8年連続で近隣諸国への加害責任については触れなませんでした。

 先の大戦で日本人は300万人以上がなくなりましたが、2000万人以上を殺しているのにそのことはとうとう言わなかったんです。

 なんて恥知らずなんでしょう。そんな演説をドイツの首相がしたらどれだけ批判されるか。

 日本では、1993年に非自民政権だった細川護熙首相がアジア諸国への「哀悼の意」を表明し、1994年には自社さ連立政権の村山富市氏首相が「深い反省」を加えました。

 そして、その後の自民党の首相も踏襲し、安倍首相も第1次政権時の2007年には使っていたけれど、第2次政権では一貫して式辞で過去の大日本帝国の加害行為について黙殺です。

 

 

 その代わりに、安倍首相が外交・安全保障戦略を語る時に使う

「積極的平和主義」

と言う言葉がよりによって戦没者記念式典で初めて盛り込まれたんですよ。

 字面だけ見ると、世界平和を能動的に実現することのように見えますがとんでもない。

 積極的平和主義は2013年秋、安倍首相が集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更に意欲を示してから、国家安全保障戦略(NSS)を議論した有識者会議の中で出てきた言葉です。

 その直後の臨時国会の所信表明で、安倍首相は積極的平和主義が

「我が国が背負うべき21世紀の看板」

だと演説しました。

 安倍首相は2013年12月に閣議決定したNSSの基本理念に積極的平和主義を置いて、

「国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」

ものと説明し、2014年以降の通常国会の施政方針演説にも盛り込まれています。

 

 しかし、積極的平和主義の実態は何かというと、安倍首相は、配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代わりに、敵のミサイル基地などを直接先制攻撃する

「敵基地攻撃能力」

の保有などを検討しているわけで、積極的平和主義って平和じゃなくて戦争志向なんですよ。

 

 軍隊を持たない国として知られる中米のコスタリカは、ニカラグア・エルサルバドル・ホンジュラスなど軍事的衝突を繰り返す周辺諸国に割って入って話し合い解決を図る調停外交を展開しています。

 これこそが文字通りの積極的平和主義であり、軍事力によらず外交で平和を主導するなら平和主義の名にふさわしく、平和憲法を持つ日本こそが本来はその役割を果たせるはずなのです。

 ところが、過去の加害責任には頬かむりして、敵基地攻撃能力を開発すると言い、アメリカから兵器を爆買いしているような国が平和外交ができますか?

 こんな偽物の積極的平和主義=軍拡志向を、戦没者の前で堂々と述べて帰ってくる一国の宰相なんて、有害無益でしかなく、来年は絶対演説させないことこそが、戦没者の犠牲に報いる最大の貢献です。

総理大臣が総理大臣なら、閣僚も閣僚。

日本で最後に靖国神社に公式参拝した首相である純一郎氏の息子さんだからなのか。

あとの3人が札付きの右翼なだけに、小泉進次郎氏の右翼ぶりが浮き彫りに。

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 安倍晋三首相の式辞全文は次の通り。
 天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行いたします。
 あの苛烈を極めた先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました。
 祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、遠い異郷の地にあって、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などで、無残にも犠牲となられた方々。今、全てのみ霊の御前にあって、み霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。
 今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い犠牲の上に築かれたものであることを、終戦から75年を迎えた今も、私たちは決して忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念をささげます。
 いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。
 戦後75年、わが国は、一貫して、平和を重んじる国として、歩みを進めてまいりました。世界をより良い場とするため、力の限りを尽くしてまいりました。
 戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫いてまいります。わが国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決に、これまで以上に役割を果たす決意です。現下の新型コロナウイルス感染症を乗り越え、今を生きる世代、明日を生きる世代のために、この国の未来を切り開いてまいります。
 終わりに、いま一度、戦没者のみ霊に平安を、ご遺族の皆さまにはご多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。
(共同)
 
 
 
全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)

全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)

  • 全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)
 安倍晋三首相が15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞には「歴史と向き合う」という趣旨の言葉がなかった。一方、首相が掲げる「積極的平和主義」が初登場。日本の加害責任には今年も言及せず、過去を顧みない姿勢が一段と鮮明になった。
 安倍首相は第2次安倍政権発足後の2013~19年の式辞で、毎年「歴史と謙虚に向き合い」「歴史の教訓を胸に刻み」などと述べていたが、消えたのは初めてだ。6年連続で「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓ったが、歴代首相が述べてきたアジア諸国への加害責任や反省は8年間、一貫して言及しなかった。
 今年は「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決にこれまで以上に役割を果たす決意だ」と宣言。こだわりの外交・安全保障指針を8年目で初めて盛り込み、集団的自衛権の行使容認などを推し進めてきた“安倍カラー”をにじませた。
 新型コロナウイルス感染症を「乗り越える」と強調し「明日を生きる世代のために、この国の未来を切り開く」と例年通りの言葉で締めた。
 戦没者への敬意と感謝を述べた式辞の前半部分は昨年とほとんど変わらない。「私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い犠牲の上に築かれたものであることを忘れない」「いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも忘れない」など、文面は似通っていた。
(共同)
 
 
 
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70 コメント

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Unknown (宇治金時)
2020-08-17 06:29:06
宮武さん、実は理想主義、平和主義が戦争を招くのでは?
実際民主党政権時に敵は一気に仕掛けてきましたね。日本側の"上から目線"の生ぬるい同情は、逆に相手に付け入る隙を与えてしまいました。相手に送られた莫大なODAはほとんどが軍拡、核兵器開発に使われ、今や近隣の核ミサイルは日本へ向けていつでもスイッチを押せる状態なのです。
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宇治金時さんへ (kei)
2020-08-17 10:56:08
民主党政権時代に戦争が起きていたとは知りませんでした。そういえば野田内閣時代に尖閣諸島が国有化されましたが、戦争に勝ったということでしょうか?
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宇治金時さんへ2 (kei)
2020-08-17 11:10:52
軍事の現場に居た方からの現実的な提言です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/68a24b61297c7899d7bbd65ab9465aeaa82ddd7a
これをお読みになって、妄想でパンパンになっているであろう頭をクールダウンさせてくださいね。
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軍国主義が平和を招く?? (時々拝見)
2020-08-17 13:01:05
 keiさんが一本取った後で何ですが、
 北方領土に経済援助してロシアにとっての掲示的価値を上げ、返還をさらに難しくしちゃったのって、安倍政権だったと思います。もちろん、一部の業者は儲かりました。
 そのころから、狂犬病予防接収をしてない犬を連れたロシア人の上陸が増えたりしました。ザルの防疫はアベ政権の伝統ですか。

 国防は過ぎると亡国、後に自らは戦略爆撃もやりましたが、一応、軍事の専門家のことばです。
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Unknown (raymiyatake)
2020-08-17 14:04:48
公文書のずさんな管理、隠蔽、恣意的な人事、無理な憲法法律解釈。

負の遺産が多すぎますね〜
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純粋に軍事的脅威を考えると… (sound_moon810)
2020-08-17 15:13:25
 アメリカが一番危険です。日本各地に基地がありアメリカ軍人は治外法権的に入出国ができ、関東の一部空域は航空管制もアメリカ軍が握っています。本気で日本を攻撃占領する気なら中国や北朝鮮よりも容易なのです。日本の電力網を麻痺させるウィルスまでシステムに混入させているとスノーデンの映画で言っていました。

 まさかと思います。トランプ大統領も全然そんな気持ちはないでしょう。でも日本が中国になびいたら本気で潰しにかかるかもしれません。

 そんなわけで中国に対するODAだけを問題にしてもどうしようもないのです。中国の立場に立ち切ったらわかります。まるで高度な文明を持った火星人に攻められている地球人のような感覚でしょう。通常兵器はもちろん核兵器の数でも圧倒されています。何より近代戦の軍事的経験が圧倒的に不足しています。それなのに日本を始め散々欧米諸国に国土を荒らされた上に国はまだ完全に統一を回復できていないのです。台湾、香港、チベットにウイグル、とてもうまくいっているようには見えません。ついでに北朝鮮は全く軍事的に頼りにならないのです。日米同盟とは雲泥の差です。そのアメリカからすごい圧力を受けています。中国からすれば「お前らこそ何考えてんだ」となるでしょう。

 もし地球が宇宙人に攻められたら多かれ少なかれ人類は今の中国のようになるでしょう。必死で宇宙人の技術力を盗んで軍事力を強化し一致団結して戦おうとします。地球愛のようなものも強力に流布されるに違いありません。弱気は戒められ裏切り者は処刑されます。社会は相当息苦しくなるに違いありません。今までのSFをみたら容易に想像できるでしょう。まあそんな状態が今の中国です。強力な政府が必要だと信じる指導者が出てきて当然なのです。一方で侵略宇宙人と違って中国は世界経済に貢献もしています。

 言いたいことはどっちもどっちということ。戦争は人類全体の問題として捉えないと、一方的に相手が悪い、だから理想主義はだめ平和主義はだめと言っていたら身内にしっかり裏切り者が出てしまうというのが歴史の教えるところなのです。軍隊は勝つためになんでもします。いわば合法的に味方を殺すことのできる集団なのです。中国に限らずどこの国の軍隊も敵よりも自国民の方をたくさん傷つけ殺してきた歴史をたくさん持っています。
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Unknown (宇治金時)
2020-08-17 15:15:41
最近慰安婦問題はやはり金目という真実が発覚しましたね。韓国民の方がよほど真実に気づき、文在寅を非難し始めました。日本の反日活動家が、日韓友好への道を妨害している事に気がついた方がよいでしょう。
宮武さん、疑惑は疑惑。財務省や自民党親中派は信用なりませんが、確かな事は近隣国が数多くの核ミサイルを保有し、日本人を拉致し、日本の領土、領海に侵入しているという事です。
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Unknown (宇治金時)
2020-08-17 16:43:03
sound...さん、アメリカが怖い事は、どの国よりも日本は知るところです。巨大な悪魔、原子爆弾を二発落とされ、ボコボコにされて尚、敗戦後はWGIPにより芯まで骨抜きにされましたからね。今世界は変わりました。人種差別は減少し、戦争は禁止となりました。それでもなお領土領海を欲しがり、世界を制覇しようと考える国があります。その国には自由も人権もありません。今の日本はアメリカの庇護の元なんとか生き延びています。仰る通り、あちらになびけば潰されるでしょう。バイデンが大統領になれば違うかもしれませんが、そうなったら自由世界の終わりの始まりです。
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少しうがった見方をしてみると… (sound_moon810)
2020-08-17 21:10:22
 極東アジアの争いの元は戦後のアメリカです。尖閣諸島、竹島、北方領土、アメリカがはっきりした態度をわざと示さないためにこじれました。実際日本が占領されていた時は尖閣も竹島もアメリカの施政権が及んでいました。北方領土はソ連と日本が交渉を始めた時、横槍を入れ下手に妥協したら沖縄を返さないと恫喝したと伝えられています。

 尖閣諸島をもし日本が完全に領土化し、そこに大石油基地を建設したら中国にとっては悪夢です。アメリカの息のかかった日本が資源大国になる上にそこに日米の機動艦隊が展開したら台湾はもちろんかつての南宋だった地域の主導権を失ってしまいます。それだけ今の機動部隊は大きな行動半径を有しています。中国のハリボテ空母やポンコツ潜水艦とは格が違うのです。倭寇に散々荒らされた昔の中国の悪夢が蘇ることになります。

 日本にとっては西の最果ての小島の領海侵犯でも中国にとったらいきなり本土決戦並みの必死の領土防衛となってしまう。悲劇のような喜劇のような話なのです。そのように追い込んだのは実はアメリカです。

 だから私は今のアメリカが嫌がる平和憲法をあえて堅持するべきだと考えています。実はああ見えて中国もアメリカの罠にはまらないように用心しています。実際にもし尖閣諸島が中国に占領されるような事態が発生した時は、それはアメリカが完全に日本を見捨てた時です。でもアメリカがどうぞと言っても中国は疑ってなかなか尖閣諸島に軍を進めないでしょう。罠ならとんでもないことになるからです。アメリカも尖閣で日本が資源大国になることは望みません。適当に中国から圧力を喰らっている今のままでいいと思っているでしょう。だから問題が複雑なのです。日本の政治家たちがアメリカにペコペコするのもやむを得ない事情があります。

 棚ぼた的な日本の平和憲法ですが、せっかく軍事からちょっとだけ自由になったのだから、それを活かす国家戦略を考えないと何もかも失いかねないのです。 
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Unknown (宇治金時)
2020-08-18 07:42:30
確かに自国国益だけを考えて動くのが世界の常識ですね。オバマ政権の時に、実は米中は裏取引きをしているのかと疑いましたが、本当のところはわかりません。今米のマスコミ、リベラル層はトランプを引きずり下ろそうと必死ですが、それは「中」の工作も大きいでしょう。日本でも政治家が取り込まれているのか、何に対しても優柔不断、煮え切らない態度でイライラしますが、それも一つの戦法か、、。しかし「中」の政策は強引です。天安門、香港、ウィグル、チベットなど一般国民への仕打ちは残酷です。一党独裁国家の君臨する世界は地獄でしょう。
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