枝野氏は政治の現状について「今、日本は政治の新しいステージへと進んでいかなければならない大きな分岐点にある。足踏みを続けて社会と経済の変化に取り残された政治を時代に合わせてアップデートすることが急がれる」と指摘した。

その上で「大きな時代状況、時代認識の中で逃げることなくその転換の先頭に立ち、次の世代がその力を最大限に発揮できるようバトンを引き継ぐ。それが私に課せられた使命であると考えるに至った。

立憲民主党の代表選挙と同時期に自由民主党の総裁選挙も行われる。与野党を超えて、これから10年、20年それ以上にわたる政治の大きな方針と、それを実現するリーダーシップを国民の前で競い合う9月にしなければならない。私なりの選択肢を示し、広く国民の皆さん、直接的には党員・サポーターの皆さんに問いたいとの思いから出馬を決意した」と述べた。

具体的な政策などは21日に正式な出馬会見を開く際に明らかにするという。

立憲の代表選挙は、9月7日に告示、23日に投開票が行われる。

枝野氏のほか、泉代表が再選に向けて準備を進めていて、野田元首相や小川前政調会長の立候補を期待する声も出ている。

さらに馬淵元国交相や重徳衆議院議員の名前もあがっていて、20人の推薦人確保をめぐる駆け引きが今後本格化する。

 

 

立憲民主党の枝野幸男前代表(60)は9日、任期満了に伴う党代表選(9月7日告示、23日投開票)について「私なりの選択肢を示し、広く国民、直接的にはサポーターの皆さんに問いたい」と述べ、立候補を表明した。お盆明けの21日にも記者会見を開き、政策などを発表する。国会内で記者団に語った。代表選への出馬の意思を明らかにしたのは枝野氏が初めて。(長崎高大)
立憲民主党代表選への立候補を表明する枝野幸男前代表=国会内で(佐藤哲紀撮影)

立憲民主党代表選への立候補を表明する枝野幸男前代表=国会内で(佐藤哲紀撮影)

◆「まだ推薦人のお願いはしていない」

代表選には泉健太代表(50)が再選に意欲を示しているほか、野田佳彦元首相(67)の登板を期待する声も上がる。
枝野氏は、党内最大グループ「サンクチュアリ」(約30人)に所属。立候補に必要な20人の推薦人については「20人以上が期待できる状況だとは思っているが、まだ具体的に推薦人のお願いはしていない」と説明した。

◆2021年衆院選で議席減、代表を辞任

枝野氏は民主党政権で党幹事長や官房長官、経済産業相などを歴任。官房長官時代は、2011年に発生した東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の対応に当たった。
2017年、東京都の小池百合子知事が希望の党を立ち上げたことで当時の民進党が分裂したのを受け、立憲民主党を結党。2020年には、希望の党を源流とする国民民主党の一部議員らとの合流新党(現在の立憲民主党)の設立を主導し、衆参で150人の体制を築いたが、21年の衆院選で議席を大きく減らし、責任を取って代表を退いた。
報道陣の取材に応じる枝野幸男氏=国会内で(佐藤哲紀撮影)

報道陣の取材に応じる枝野幸男氏=国会内で(佐藤哲紀撮影)