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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

東京大学の歴史学者ら83人の研究者有志が、関東大震災で虐殺された朝鮮人の方々の追悼式に追悼文を出すことを拒絶する小池百合子都知事に要請文。「定まった評価を受けている学説への信頼を損ねている」

2024年08月08日 | 小池百合子東京都知事による都政の問題

実は本文と全然関係ないのですが、2024年8月6日に神宮球場であったプロ野球・ヤクルト―阪神戦の試合で始球式に臨んだ際に、左膝の関節を剥離骨折した小池百合子東京都知事。

動画で見たのですが、照れ隠しで最初は笑っておられましたがめちゃくちゃ痛そうでした。これはお気の毒です。お大事になさってください。

それにしても、始球式で骨折する人など聞いたことがありません。年齢のことも影響していると思うので、バイデン米大統領にならって勇退も考えたらいかがでしょうか。

また、この事故が神宮球場で起きただけに、小池氏が膝に痛みを感じるたびに、外苑再開発の天罰ではないかと考えてくださるとありがたいです。

参考記事 kojitakenの日記さんより 『山田哲人の逆転3ランと村上宗隆のサヨナラ打でヤクルトが勝ったが、10安打4失点の阪神・才木浩人は神宮の蒸し暑さで消耗したのでは」』

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 激闘だった東京都知事選が終わった後、都知事選で指摘された小池都政の問題点や学歴詐称疑惑など小池百合子氏個人のさまざまな問題点が全く報道されなくなりました。

 報道されるのは負けた蓮舫氏を叩く話や、2位になった石丸伸二氏を取り上げる話ばかり。

 これから「偉く」なってやろうという石丸氏は「悪名は無名に勝る」のですから、功罪どちらを取り上げられても好都合。

 そして、3選を果たした小池都知事にとっては、蓮舫氏や石丸氏の話題にばかりにマスコミが集中して、外苑再開発など利権も絡む自分の都政の問題から都民の目をそらすことができて、これまたほくそ笑んでいたと思います。

【#石丸伸二の化けの皮】石丸伸二氏が自分のポスター代を不払いで訴えられた訴訟で最高裁まで争ってまた敗訴。ドケチなのか(笑)。紀藤正樹弁護士が「ほとんどモンスタークレーマー」と評したのももっともだ。

 

3位の蓮舫さんを寄ってたかっていじめるテレビ局。「【都知事選】蓮舫氏“2位にもなれず” 日テレ出口調査」「2位はドコなんですか?石丸氏 蓮舫氏 開票所別では…」(NHK)。だからマスゴミと言われるのだ

 

 

 そんな中、頂門の一針とばかりにキツいお灸をすえたのが我が?東大の先生たち。

 毎年9月1日に東京都墨田区で開かれている、1923年の関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典に小池都知事が初当選翌年の2017年以降、追悼文を送っていない問題について、東大の研究者有志が東京都に要請文を出しました。

小池百合子氏が都議会定例会の最終日に東京都知事選出馬表明。答弁拒否が凄まじく都合の悪いことは答弁しないと指摘した立憲民主党議員の発言をさらに動議で取り消しさせる小池都知事は議会制民主主義の破壊者だ。

 

 

  関東大震災で少なくとも数千人の朝鮮人が大日本帝国の官憲や一般市民によって虐殺されたのはまぎれもない歴史的事実。

 人数の多寡はあれど、多数の公文書にも残っていますし、日本政府も虐殺の事実自体は認めています。

 この虐殺の発端は、「不逞朝鮮人が井戸に毒を入れた」などという流言飛語=デマが流れたからですが、その背景には日本が朝鮮半島を強制併合したことへの罪悪感と不安感があります。

 そして実は極右である小池都知事が石原慎太郎都知事でさえ送っていた追悼文を送るのをやめたのは、彼女の根深い歴史修正主義、つまり日本に都合の悪いことは極力認めたくないという信条が原因なのです。

始球式でまさかの骨折 小池都知事「スポーツで盛り上げていきましょう!」のはずが…投球後動けず全治2カ月 当面テレワークに|FNNプライムオンライン

【#蓮舫一択】小池都知事は日本会議国会議員懇談会の元副会長で、関東大震災での朝鮮人虐殺を否定する歴史修正主義者で、核武装論者で、幸福実現党と選挙協力したこともある極右政治家【#蓮舫と次の都政へ】

 

 

 さて、この要請文は、東大大学院総合文化研究科の外村大(とのむらまさる)、市野川容孝(いちのかわやすたか)両教授や名誉教授ら83人の連名によるもので、小池都知事が

「虐殺の事実があったかどうかの認識を示さないあいまいな回答」

しか述べないことで

評価が定まった学説への信頼を毀損している」

と批判しました。

関東大震災での朝鮮・中国人虐殺について「調査した限り、政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらない」と記者会見で述べた松野博一官房長官が、政府の公文書を元に朝鮮人虐殺について国会質問していた。

安倍派の松野官房長官が関東大震災での朝鮮人虐殺について「政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらない」と答えたのは、第二次安倍政権の答弁書に合わせたものだった。

 

 

 さらに、現代のネット社会で非常に大切な点だと思うのは、この要請文で

「在日コリアンへの差別や、災害時に外国人を危険視するデマの拡散」

が現在もあると指摘して、小池都知事が

「差別や偏見を背景にした殺害の史実を認めることはますます重要」

と説いて、これは

「都の掲げる人権尊重、ダイバーシティー推進に合致する」

とも強調している部分です。

 記者会見で市野川教授は

「震災時に朝鮮人らが虐殺されたのは疑う余地のない歴史的事実というのが、東大の公式見解」

と指摘していますが、いやいやいや東大だけじゃなくて、日本の世界の歴史学者の定説です。

 そして、外村教授も

「行政は事実にもとづいて行われるのが当然であり、確定した歴史的事実や学説を否定するのはおかしい」

と語っていますが、それをするのが右翼であり、歴史修正主義者なんですよね。

 こんな憲法が規定する国際協調主義にも反する小池都政が3期目に入ったのは返す返すも残念ですが、まずここから正していかないといけません。

 

2023年9月1日は関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺から100年目。歴史修正主義の政府を正し、内なる差別意識を直視し、我々のような普通の市民が二度と同じ惨劇を繰り返さないようにしたい。

 

参考記事 村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより

自国と自国民の過去の過ちの史実を事実として認めない小池百合子の態度は、彼女が間違い続ける可能性の高い政治家であることを示している。

不動産業界や小池百合子都知事の経済的・政治的利益のために東京の木や森を伐ってさらに沸とう京化、高温化を進める小池百合子都政・不動産業界

 

 

小池都知事が始球式に登場したのはデフリンピックや世界陸上の宣伝のためというのですが、コロナ禍での東京五輪強行開催とか、大阪万博凶行開催の維新の会と全く同じで、新自由主義の政治家は本当に無能でイベントしか売りがないのには呆れます。

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 関東大震災直後の朝鮮人虐殺を巡り、東京大の教職員が5日、東京都の小池百合子知事宛てに、虐殺の認定などを求める要請書を初めて提出した。虐殺問題を研究する外村大(とのむら・まさる)教授(近代日本史)ら83人の連名。記者会見などで虐殺について明確に答えない小池知事に「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損(きそん)している」と批判した。

◆犠牲者に追悼のメッセージを求める

 要請書では、朝鮮人が暴動を起こしたというデマが原因となり、無実の朝鮮人らが多数殺害された史実を認定し、犠牲者に追悼のメッセージを出すことを求めている。都秘書課は取材に「要請文は庁内の関係部署で共有する」と話した。
記者会見で朝鮮人虐殺の史実について語る外村大・東京大教授=5日、東京都庁で

記者会見で朝鮮人虐殺の史実について語る外村大・東京大教授=5日、東京都庁で

 虐殺を巡っては、歴代知事が毎年9月1日に開かれる犠牲者の追悼式典に追悼文を寄せてきたが、小池知事は就任2年目の2017年以降「都慰霊協会が営む大法要で、関東大震災のすべての犠牲者に哀悼の意を表している」として見送っている。事実認定についても、記者会見で明言を避けている。
 外村教授は都庁で会見し、外国籍や海外にルーツを持つ住民が増えている現状を踏まえ「行政も過ちを犯したが、そうならないように取り組むというメッセージを出すことに意味がある」と訴えた。(原田遼)

 

100年あまり前、関東大震災の混乱で朝鮮人が殺害されたことについて東京大学の教授らが、東京都の小池知事に対し歴史的な事実として認定したうえで、追悼のメッセージを出すよう求める要請文を提出しました。

大正12年の関東大震災の混乱のさなか、殺害された朝鮮人犠牲者をめぐっては、震災が発生した毎年9月1日に民間の実行委員会などが追悼式を行っています。
都は以前、この式典に知事の名前で追悼文を送っていましたが、2017年から送付しておらず、発生から100年にあたる去年も見送りました。
これについて、東京大学で在日朝鮮人の歴史が専門の外村大教授らは5日、都庁で会見を開き「小池知事は追悼文の送付をやめ、虐殺の事実があったかどうかの認識を示していない。定まった評価を受けている学説への信頼を損ねている」と述べました。
そのうえで、小池知事に対し震災直後のデマが原因で朝鮮人などが多数殺害されたことを歴史的事実として認定することや、当時殺害された人びとに対する追悼のメッセージを出すことを求める要請文を提出したと説明しました。
一方、これまでに小池知事は毎年、東京都慰霊協会が開いている大法要ですべての犠牲者に哀悼の意を表しているとしています。

 

 

100年余り前、関東大震災の混乱で朝鮮人が殺害されたことについて東京大学の教授らが、東京都の小池知事に対し歴史的な事実として認定したうえで、追悼のメッセージを出すよう求める要請文を提出しました。

大正12年の関東大震災の混乱のさなか、殺害された朝鮮人犠牲者をめぐっては、震災が発生した毎年9月1日に民間の実行委員会などが追悼式を行っています。

都は以前、この式典に知事の名前で追悼文を送っていましたが、7年前から送付しておらず、発生から100年にあたる去年も見送りました。

これについて、東京大学で在日朝鮮人の歴史が専門の外村大教授らは5日、都庁で会見を開き「小池知事は追悼文の送付をやめ、虐殺の事実があったかどうかの認識を示していない。定まった評価を受けている学説への信頼を損ねている」と述べました。

そのうえで、小池知事に対し、震災直後のデマが原因で朝鮮人などが多数殺害されたことを歴史的事実として認定することや、当時殺害された人々に対する追悼のメッセージを出すことを求める要請文を提出したと説明しました。

一方、これまでに小池知事は毎年、東京都慰霊協会が開いている大法要で、すべての犠牲者に哀悼の意を表しているとしています。

 

 

関東大震災100 周年にあたっての東京大学教職員声明

本声明の賛同者(呼びかけ人を含む)は、2024年2月末日締切で、以下の計159名となりました。各賛同者の所属は、同日時点のものです。

2023年12月31日

2023 年は関東大震災から100 年の年でした。犠牲者追悼の行事や、そこで得らえた教訓をもとに災害に備えていくための記念の活動がなされました。東京大学でも、学術的見地から議論を深めるべく様々な分野の研究者を集めたシンポジウム等が開催されました。

関東大震災にかかわる人命被害は、単純に自然現象としての災害やそれに付随する火災だけによるものではありません。混乱の中で発生した「朝鮮人が暴動を起こしている」といったデマが原因で、朝鮮人・中国人や朝鮮人であると疑われた日本人などへの殺害事件が多数発生しています。日本の共産主義者・社会主義者・無政府主義者も殺されました。

しかし、日本社会の一部では、朝鮮人・中国人虐殺の史実そのものの否定の動きがあります。さらには、朝鮮人暴動がデマであったことは明白であるにもかかわらず、殺害はそれを防いだものだとして正当化する言動すら見られます。しかも、一部の行政当局者は、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の史実についての見解を明らかにしないという態度をとっています。このことは、朝鮮人・中国人虐殺やその背景について語りにくくなる状態を作り出し、それについての確定した学説はないとの誤解を生んでいます。

こうした事態を私たちは、看過することができません。1923 年の朝鮮人・中国人虐殺の史実の否定、歪曲や、殺害行為を正当化する主張が流布し、それが社会のなかで放置され、影響力を持つことは、マイノリティとして存在せざるを得ない者に、不安を与えます。自分たちの祖先が、迫害され、虐殺されたり、あるいはその危険にさらされてきたりしてきた、在日コリアンや韓国人・中国人にとっては、それは、恐怖であり、耐え難いことであります。

東京大学では、そうした人びとを含む、多様な国籍、民族的バックグラウンドを持つ人びとがともに、研究、教育の活動を続けています。今後も、さまざまな国から、学生や同僚を迎え入れていくことが予想されますし、そのことを目標として掲げています。したがって、これまで以上に、国籍や民族、用いる言語、宗教などにおいてマイノリティとなっている人びとの置かれている状況について留意しなければなりません。そして、そのためにも、100年前の悲劇についても想起する必要があります。

本年7 月23 日と30 日に本学で開催されたシンポジウム「関東大震災と東京大学」では、朝鮮人虐殺に関する研究の積み重ねによって、報道や行政機関などが「外国人をめぐる流言蜚語が起こらない、あるいはそれによる暴行事件などが起こらないように、常に意識するようになったのは、歴史の教訓が生かされた最大の成果ではないか」との発言がありました。ついで、8 月26 日には、総合文化研究科韓国学研究センター長による、朝鮮人虐殺事件に触れて現在もなお差別や偏見が存在するとの声明が公表されました。そして、9 月22 日の秋季学位記授与式・卒業式の式辞で、藤井輝夫総長は、「日本に多く来住していた朝鮮人に対する暴行・虐殺という悲劇」の原因となった「日常のなかに潜む意識的・無意識的な偏見」などの問題の存在を指摘したうえで、その克服が「現代のわれわれの課題」であると訴えました。

関東大震災から100年の年を終えるにあたり、私たちは、このことを評価するとともに、改めて、自己点検を図り、東京大学を、そのすべての構成員が偏見や差別の不安におびえることなしに、研究、教育を続けられる共同体とするべく、改善の努力を続けていきます。そして、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の史実を記憶にとどめ、その犠牲者を追悼するとともに、植民地支配や侵略戦争を批判的に問いなおしながら、民族的偏見の克服をめざしていきます。そのうえで、すべての人びとが、対等な関係を築き互いの価値を認められる社会を築くために、研究、教育を通じて貢献していく所存です。


▷▷ 呼びかけ人(所属部局別,50音順):

隠岐 さや香(教育学研究科)

勝野 正章(同上)

本田 由紀(同上)

加藤 陽子(人文社会系研究科)

鈴木 晃仁(同上)

鈴木 淳(同上)

鈴木 泉(同上)

高谷 幸(同上)

阿古 智子(総合文化研究科)

市野川 容孝(同上)

國分 功一郎(同上)

齋藤 幸平(同上)

瀬地山 角(同上)

谷垣 真理子(同上)

外村 大(同上)

佐藤 健二(文書館)

石川 健治(法学政治学研究科)

▷▷  賛同人(順不同):

額賀 美紗子(教育学研究科)

仁平 典宏(教育学研究科)

村上 克尚(総合文化研究科)

関谷 雄一(総合文化研究科)

廣野 喜幸(総合文化研究科)

小松 美彦(総合文化研究科)

河合 祥一郎(総合文化研究科)

武田 竜一(教育学部附属中等教育学校)

小野 将(史料編纂所)

板倉 博(生産技術研究所)

星埜 守之(総合文化研究科)

中西 徹(総合文化研究科)

速水 淑子(総合文化研究科)

土屋 和代(総合文化研究科)

平松 英人(総合文化研究科)

渡辺 美季(総合文化研究科)

Hermann Gottschewski(総合文化研究科)

塩川 伸明(名誉教授)

朝火 里津子(理学系研究科)

岡田 泰平(総合文化研究科)

梶谷 真司(総合文化研究科)

黒田 舞(工学系研究科)

内海 正文(工学系研究科)

東 史(数理科学研究科)

高橋 哲哉(名誉教授)

保谷 徹(名誉教授)

西田 友広(史料編纂所)

徳盛 誠(総合文化研究科)

井口 高志(人文社会系研究科)

祐成 保志(人文社会系研究科)

冨善 一敏(経済学部)

小野塚 知二(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)

瀧川 裕貴(人文社会系研究科)

本田 洋(人文社会系研究科)

小島 庸平(経済学研究科)

大沢 真理(名誉教授)

福永 玄弥(教養学部教養教育高度化機構)

アルヴィ なほ子(総合文化研究科)

鶴見 太郎(総合文化研究科)

川島 真(総合文化研究科)

佐々木 悠介(総合文化研究科)

石田 淳(総合文化研究科)

寺田 寅彦(総合文化研究科)

井上 博之(総合文化研究科)

中野 耕太郎(総合文化研究科)

鈴木 啓之(総合文化研究科)

石原 俊時(経済学研究科)

阪本 拓人(総合文化研究科)

熊谷 晋一郎(先端科学技術研究センター)

上野 千鶴子(名誉教授)

石井 規衛(名誉教授)

中西 啓太(文書館)

逆井 聡人(総合文化研究科)

佐藤 学(名誉教授)

廣渡 清吾(名誉教授)

石田 勇治(名誉教授)

和田 春樹(名誉教授)

三ツ井 崇(総合文化研究科)

金 志善(総合文化研究科)

河崎 啓剛(総合文化研究科)

木宮 正史(総合文化研究科)

川本 隆史(名誉教授)

島薗 進(名誉教授)

小森 陽一(名誉教授)

影浦 峡(教育学研究科)

大塚 類(教育学研究科)

村松 真理子(総合文化研究科)

矢口 祐人(総合文化研究科)

林 香里(大学院情報学環)

韓 燕麗(総合文化研究科)

小玉 重夫(教育学研究科)

中澤 公孝(総合文化研究科)

小国 喜弘(教育学研究科)

浅井 幸子(教育学研究科)

金 美恵(総合文化研究科)

高橋 英海(総合文化研究科)

保立 道久(名誉教授)

Diana Kartika(総合文化研究科)

中村 元哉(総合文化研究科)

田中 創(総合文化研究科)

二井 彬緒(総合文化研究科)

桜井 英治(総合文化研究科)

安野 裕美(人文社会系研究科)

渡邊 日日(総合文化研究科)

具 裕珍(総合文化研究科)

堀江 宗正(人文社会系研究科)

針貝 真理子(総合文化研究科)

清水 晶子(総合文化研究科)

竹峰 義和(総合文化研究科)

高橋 宗五(名誉教授)

田中 純(総合文化研究科)

星野 太(総合文化研究科)

馬路 智仁(総合文化研究科)

伊達 聖伸(総合文化研究科)

三枝 暁子(人文社会系研究科)

カペル・マチュー(総合文化研究科)

李 太喜(総合文化研究科)

牧原 成征(人文社会系研究科)

浜田 華練(総合文化研究科)

横山 伊徳(名誉教授)

油井 大三郎(名誉教授)

高橋 典幸(人文社会系研究科)

定松 淳(総合文化研究科)

小森田 秋夫(名誉教授)

米本 昌平(教養学部)

原田 純孝(名誉教授)

上 英明(総合文化研究科)

納富 信留(人文社会系研究科)

古荘 真敬(人文社会系研究科)

鳥山 祐介(総合文化研究科)

野村 剛史(名誉教授)

髙橋 史子(総合文化研究科)

伊藤 徳也(総合文化研究科)

品田 悦一(総合文化研究科)

黒嶋 敏(史料編纂所)

吉澤 誠一郎(人文社会系研究科)

武田 洋幸(名誉教授)

佐川 英治(人文社会系研究科)

古井 龍介(東洋文化研究所)

崎濱 紗奈(東洋文化研究所)

小島 浩之(経済学研究科)

秋葉 淳(東洋文化研究所)

森本 一夫(東洋文化研究所)

鬼頭 秀一(名誉教授)

福永 真弓(新領域創成科学研究科)

清水 光明(総合文化研究科)

森 政稔(総合文化研究科)

大久保 由理(経済学研究科)

秦 邦生(総合文化研究科)

谷本 隆之(史料編纂所)

小宮 木代良(史料編纂所)

宇野 鈴音(史料編纂所)

六反田 豊(人文社会系研究科)

石田 英敬(名誉教授)

糟谷 幸裕(史料編纂所)

杉本 史子(史料編纂所)

柴垣 和夫(名誉教授)

鶴田 啓(史料編纂所)

林 遼(史料編纂所)

佐橋 亮(東洋文化研究所)

古木 景子(史料編纂所)

加治屋 健司(総合文化研究科)

【2024年2月29日現在】

 

 

関東大震災から今年で100年を迎える。当時起きた朝鮮人虐殺について「虐殺はなかった」などとする声も一部で残る。東京都の小池百合子都知事は、歴代知事が続けてきた朝鮮人虐殺の犠牲者追悼式への追悼文送付を見送っている。節目の年に、私たちは過去にどう向き合えばいいのか。在日朝鮮人の歴史を専門とする東京大学大学院の外村大教授に聞いた。

 とのむら・まさる 1966年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退。早稲田大学社会科学研究所助手などを経て、15年から現職。専門は近代日本史で、主な研究テーマは在日朝鮮人の歴史。著書に「朝鮮人強制連行」など。

—虐殺の事実関係について説明してほしい。
虐殺については、証言も資料もあって、歴史の教科書にももちろん書かれている。都が出している「東京100年史」、政府の防災対策会議の報告書にも(記述が)ある。「本当に全然知りませんでした」という人には資料を見せればいい。わかってて否定したい層が一定数いるんだと思う。自分たち日本人が残虐な人だと認めなければならないという恐れなのではないかと思う。
—「朝鮮人が放火した、井戸に毒を入れた」などといったデマが広がって虐殺が起きたのか。
震災直後に朝鮮人を殺しているのを見ましたって子どもが作文に書いたり、自分は何人殺したとか自慢してる自警団の人たちもいたり、殺せば報奨をもらえるものなんだとか言う人もいた。現在の感覚から言うと「人が殺されているのを見ました」と言うだけでも恐ろしいし異常な話。だけどそこは、近代国家になっていく過程の中の当時の日本がどのような状況にあったのかを考える必要がある。
1880年代以降、日本は10年ごとに海外で軍事行動をしていて、朝鮮が舞台になっていた。植民地化の過程では、民衆蜂起した朝鮮人を虐殺している。そこから、日本に従わない朝鮮人を暴徒だといって弾圧を始めていったんです。朝鮮に対しては、一貫して自分たちに従うものだという態度で接している。
その中で、日本からの独立を目指す3・1運動(1919年)があっても、日本は非論理的な暴徒の動きとしか見なかった。実際は、3・1運動の独立宣言を読むと、とても理性的で、日本を憎んでいるのではなく、東洋平和と日本と仲良くするためには朝鮮が独立した方がいいと書いている。その後、闘争の中で朝鮮人が爆弾テロを起こすようになると、さらに危険だとみなすようになっていった。
—「朝鮮人=危ない人」というイメージができあがっている中で、1923年に関東大震災が起きた。
関東大震災の直前あたりから、働く場所を求めて、東京に朝鮮人がどんどん流入してきていた。(当時の日本人は)「自分たちの生活圏に、危険な人が入ってきている」という印象を抱いていたわけです。それと同時に、当時は忠君愛国の教育を受け、日本帝国の敵には命をかけて戦わなきゃいけないと思っている。その中で震災が発生し、デマが発生していく中で、自警団の人々が朝鮮人を当たり前だと考えて殺していった。
—虐殺ではなく、暴徒化した朝鮮人に対応するための自警団の正当防衛だったなどとする意見もある。
1980年代くらいまでは、自分が小さい時に震災があって、朝鮮人が殺されたの見たよっていう人、家族から話を聞いた事がある人がいくらでもいたので、虐殺を否定できる状況になかった。そういう人が時代の流れで減ってきた。
加えて、日本国民にとっても、他の歴史問題に比べて否定したくなる事実でもある。軍部の一部の人たちがやってたんじゃなくて、庶民の普通の町で暮らしていたごく善良だった日本人が殺していた。否定したくなる気持ちは人間の感情としてあるなと。
あとは、朝鮮、韓国との枠組みで考えると、また韓国人が反日で騒ぐのではないかとか、自己正当化というか、虐殺否定したいという気持ちになるかと思う。
震災直後に刑法犯罪で検挙された人の中に朝鮮人もいたという記録はあるが少数であり、人口比で見ても日本人より多いという話ではない。意図的に朝鮮人が集団行動をしていたという研究は全くない。
—虐殺の被害人数について、都立横網町公園(墨田区)にある犠牲者追悼碑には「6000人余」と書かれているが、6000人より少なかったとする人もいる。
正確な人数は分からないとしか言えない。分からないのはなぜかというと、当時ちゃんと調査してないから。6000人説がおかしいという見方があるけど、6000人説が間違ってるという学説も確立しているわけではない。政府の防災対策会議でも、全死者(10万5000人余り)の1%から数%として、1000人だったかもしれないし、6000人だったかもしれないというほかない。
その上で、政府の報告でも1000人は下らないということは、その何倍も殺されかけていたということだし、加害に関わった人はものすごい数になる。いくら戦争が当たり前の当時の社会であっても、虐殺現場を見たことでつらい思いをしている人もいるわけですね。たとえ少なく見積もった1000人だとしても、大変な社会的影響力を持った歴史だということを考えないといけないと思う。

◆小池知事について「ちょっとがっかり」「追悼の意必要」

外村教授

外村教授

—小池知事は、朝鮮人虐殺の追悼式について、今年も追悼文を送らないことを決めた。
ちょっとがっかりですよね。と同時に、なぜここまでかたくななのかよく分からない。虐殺問題は、震災100年を機に改めて考えようという動きもあるけど、大きな流れにはなってない。世論的にもそんなに大した問題じゃないから送らなくても、一部の人が騒いで終わりになるという判断なのかなと思う。
影響力ある指導者や政府、自治体のトップが、関東大震災でこんな痛ましい事件が起こったんだということを認めて、二度と起きない追悼の意を示すことが必要だと思う。その意味で小池知事は逆行している。曖昧にすることによって、過剰に自分たちが悪いんじゃないかと思うことにもつながっている。そうすることによって、否定したくなる気持ちが生まれてくる。
善良な庶民も加害者になった背景を説明することによって、加害に向き合えるようになる。自治体や政府はそれをやってない。過剰に加害を意識してしまう状態から解放させるためにも事実は事実として説明しなきゃいけないんだと思っている。
—都は2022年、朝鮮人虐殺に触れた飯山由貴さんの映像作品について、都人権プラザでの公開中止を決めた。都職員が関係者に送ったメールには、知事の追悼文見送りに関連し、歴史認識として虐殺の事実を疑問視するような内容があった。
人権行政としてかなり深刻です。学校の義務教育の教科書にも書かれている朝鮮人虐殺は事実ではないみたいな話を流布させてしまったとすると、朝鮮人の命に関わるわけです。災害時の命にも関わるし、あるいは間接的な殺人でもある。
—都職員の対応と、小池知事が追悼文を送らないという姿勢の関係をどうみるか。
都民を向いてるんじゃなくて知事を見てるんだと推測せざるを得ないし、みんなそう思ってしまう。違うのであれば、違うんだと言う必要がある。他人事ではないと思ってほしい。
日本では、日本国民で両親とも日本人という人がマジョリティーだけど、国際結婚などで自分の子どもや孫が韓国人になる可能性はある。インターネット上で「朝鮮人虐殺があったのかどうか分かりません」といった不確実な情報が流れている中で、震災などが発生し「朝鮮人は危ない」というデマが出たら、自分の周りの韓国人はどうなるのか、自分はどうするのかという想像力は持ってほしい。
在日朝鮮人の存在を当たり前として、そういう人たちも意識しながら次の社会をつくっていく。その際に、朝鮮人虐殺の話題は自然に出るようになればいいと思う。過去にはそういう事実もあって何で起きたかっていうと当時の日本の軍国主義教育が異常だったねと語ればいいし、二度とないように追悼式をやりましょうっていう話になれば、それでいい。そういう社会を目指したい。
実践している自治体もある。秋田県花岡町(現・大館市)で、強制連行された中国人労働者400人以上が死亡した花岡事件(1945年)では、市主催で事件の追悼式典をずっと開いている。地元の人たちも、歴史を落ち着いて受け止めることができる。
朝鮮人虐殺についても、「これが事実です」「人数についてはよく分からないところもあります」と、聞かれたらそう答えればいい。その上で、行政のトップには歴史否定的なデマは違うんだということを、メッセージや行動で示して欲しい。事実を事実として、国民は語り継がなければならない。

 

 

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2 コメント

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Unknown (暗黒大将軍)
2024-08-09 22:54:51
宗教法人を所管するのは文部科学省ではなく「都道府県」ですから、巨大宗教法人の多くが本部を置く東京都の知事は彼らにとって余人に替え難い存在です

都知事の小池も、彼らから強力なエージェントが自分のために遣わされることを当然のこととして受け入れます

現状ではやはり、それは「萩生田」を措いて他にはいないんでしょうね
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Unknown (暗黒大将軍)
2024-08-10 21:35:17
追悼文取りやめについては勿論2009年の工藤美代子のデマ本も影響してますが、俺は小池がこれを読もうと読むまいとやはり取りやめたんじゃないかと思いますね

小池は自民時代JーNSCの番頭格でした
野党叩き、中韓叩きに於いてここではステマ、ここではフラッグと使い分ける責任者ですからね
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