岸田内閣を支持する人は、4月調査から0.3ポイント減って50.4%。支持しない人は0.2ポイント減って44.5%だった。

5月19~21日にG7広島サミットが行われたが、今回、支持率は上昇せず横ばいだった。サミットの評価の他に、マイナンバーカードをめぐり相次いだトラブル、少子化対策の財源として検討されている社会保険料の負担増、岸田首相の長男の翔太郎秘書官が公邸で親族と忘年会を開き記念撮影をした問題などが影響した可能性もある。

広島サミット岸田“議長”を評価する70.3%

G7広島サミットに対する評価をみてみたい。議長としての岸田首相を「評価する」という人は、「大いに」(15.1%)と「ある程度」(55.2%)をあわせて70.3%で、7割が評価していた。一方、「評価しない」という人は、「あまり」(15.2%)と「まったく」(7.2%)をあわせて22.4%だった。

支持政党がないという人に限ってみると、議長の岸田首相を「評価する」は、「大いに」(8.6%)と「ある程度」(50.5%)をあわせて59.1%。6割が評価し、無党派層からも一定の評価を得ていた。「評価しない」は、「あまり」(21.6%)と「まったく」(10.2%)をあわせて31.8%だった。

今回のサミットには、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日して出席した。これがウクライナの状況の改善に「効果があった」と思う人は、「大いに」(12.3%)と「ある程度」(47.7%)をあわせて60.0%。「効果がなかった」と思う人は、「あまり」(26.3%)と「まったく」(7.1%)をあわせて33.4%だった。

被爆地・広島で開催されたサミットで、「核兵器のない世界」の実現に向けた機運が「高まる」と思う人は、「大いに」(5.3%)と「ある程度」(33.5%)をあわせて38.8%。「高まらない」と思う人は、「あまり」(39.1%)と「まったく」(17.2%)をあわせて56.3%だった。

G7広島サミットを受け、岸田首相が、今の国会(6月21日が会期末)で衆院の解散・総選挙に踏み切るのではないかとの見方が出ている。調査では、衆院の解散・総選挙に踏み切るとしたら、いつ頃がいいか聞いた。

その結果、「できるだけ早く解散すべき」が16.0%、「年内に解散すべき」が24.8%で、年内など早期の解散がよいと思う人が4割だった。一方、「来年以降に解散すべき」は18.9%。「再来年の任期満了まで解散する必要はない」と思う人も32.4%いた。

期待する野党 維新29.2% 立憲15.7%

また、現在の国会の野党の中で、どの政党に最も期待するか聞いたところ、注目すべき結果が出た。日本維新の会が29.2%で、立憲民主党の15.7%の倍近い期待を集めたのだ。

国民民主党は5.1%、共産党は3.2%、れいわ新選組は3.3%、社民党は0.4%、政治家女子48党は0.6%、参政党は1.6%。「期待する野党はない」という人は35.2%だった。

4月の統一地方選で議席を伸ばした維新。国会では、立憲との共闘を解消し、野党第1党を目指す構えだ。次の衆院選に向け、立憲の泉健太代表や岡田克也幹事長の選挙区に対抗馬を擁立すると発表した。勢いに乗る維新の今後の動向が注目される。

少子化対策で社会保険料の負担増 反対66.6%

一方、今政府与党で焦点となっているのは、岸田首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」の財源だ。政府は、歳出改革などを行った上で、まかなえない分を社会保険料に上乗せする形で徴収し、負担増を求めることを検討している。調査では、社会保険料に上乗せする案に「賛成」は28.1%、「反対」は66.6%だった。

自民党支持者で見ても、賛成39.3%、反対56.7%と、反対が半数を超えている。政府は、6月の「骨太の方針」までに大枠を示すとしているが、国民の負担増につながる問題だけに、岸田首相の対応次第で、今後の政権運営に影響する可能性もある。

(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)