似た者父娘

昔、母に言われたコトがある。
アタシと親爺は良く似ている、と。顔も性格も。
知ってる(笑)。
…嗚呼…ゾッとする。

鏡に映った自分の顔が、親爺の面影と重なる時、
アタシは激しい失望感に捕らわれる。

親爺みたいな人間にはなりたくない。
親爺みたいな男とは絶対結婚したくない。
…ずうっと、そう思ってきた、長年。

結局、自分を形作るDNAはどうあがいても変えられない。
おまけに、結婚した相手は、親爺みたいな男だった。
（別れたけど。）。

それでも…アタシは親爺とは違うから。
後ろを振り向いてばかりで、前に進めず、
結局のところ何も掴めない。
そんな放棄した人生など、歩みたくない。
アタシはいつだってこの手で何かを勝ち取ってきた。
絶対諦めたくない。

貧乏は悪…そんな考え方しかできず、
そのくせ努力しようともせず。
信仰深いフリで実は心のどこかで「仏など居ない」と思っている親爺よ。
アタシは、あなたとは違う。