大きくなったら。

毎日毎日、３歳児に『ダメだし』や『理不尽な要求』をされ、
心底、疲れ果ててしまっている。
お嬢はすごく可愛い。食べちゃいたい程に可愛い。
可愛いけど…
『メルヘン』じゃないのダ、子育てライフって…。
楽しい～なんて気持ち、ほん～とにちょっびっと。
…はあ…。全然余裕無い。疲れた。

どうしてアタシはこの歳になってから
子育てすることになったんだろう。
もっと若くて体力気力のあるうちに
子どもが授からなかったんだろう。
（それに、姑様との同居生活も、ストレスになっている。）
自分が選んだ道とはいえ、ついつい弱音を吐いてしまう。
『子育てがいやだ』というわけでは決してないのだが。

昨日の祝日休みも１日つきあって、
お嬢の気まぐれに振り回されて…
心身ともにクッタクタだった。
「嗚呼、そういえば、今日（23日）は誕生日だったなあ～…」
ぼんやり思い出し、
よせばいいのに自分のしょうもない半生を振り返って
くよくよしていた。
ほんっとに、実にならない大バカな半生。
できるならもどってやり直したい。
以前は『やり直したい』なんて、考えもしなかったのにな。
ネガティブが、止まらない。

40代が終わる頃には、自信をもってキラキラしていたい、
厚みのある人間になっていたい、
きっとなれる。そう思ってた。
なのに、どうだ？まだ、こんなザマである。情けない！
子育てもそろそろ一段落し、仕事をしながらさらに学校に通って
イキイキ過ごしてる、そんな友人がいる。
すごく前向き。社交的。
なんであんなに元気なんだろう。素敵だよなあ。

「…アタシ、もうダメだ。」
すっかり老け込んでしまった自身の姿を見るに付け
『終わった』気分になってしまう。

夜、いじけた気分でお酒を飲んでいると、
ふと、お嬢が言った。

「ママ、元気でちゅか～？」
「あんまり元気じゃないねえ。」
「これ、何？」
「お酒。だよ。
お嬢はまだ子どもだから、飲めないよ。」
「…大きくなったら、ママと、お酒、飲む！」

…あ、あ、あ…？

のどの奥のほうがジンと熱くなった。
正体不明なその固まりがこみあげてきて…
泣きそう。なんだか、アタシ、泣きそう。