quieto

喜怒哀楽。その全てが生きている証。

備忘録 【阪神大震災】 (2)

2004-11-04 00:15:00 | 備忘録 【阪神大震災】
その日は結局、
1番仲のいい友人・H君とは連絡が取れなかった。

心配だった。
生きているのか。
怪我してないか。


震災から3日目、
H君から連絡があった。

無事だった。
出社して、会社から電話をしてきた。

俺 「おいおい!無事なら連絡せえよ!」

H 「すまん。バタバタしててん」

そんな会話だった。

そうだよな。
人生で、こんなにバタバタする事って、
まず経験しないよな。

俺は、会社を早退して、会いに行った。

H君は、とても元気で、いつもと変わらないように見えた。


俺 「家は?」

H 「家は大丈夫やけど、前の道路なんか、すごい段差が出来て
   車も走られへん」

俺 「すごい揺れやったやろな」

H 「おう!すごかったそ!ゴジラのプラモ、落ちて潰れてしもた!」
  「地震はゴジラより強いで!」

俺 「おまえ、それネタにしようって思てるやろ」


H君は、いつもふざけて話す癖がある。

話を聞いていると、普段と変わらないH君だった。

俺 「ゴジラはしゃあないな。せやけどHが無事でよかった」


素直に「よかった」と思えた。

数キロ先では、死者もたくさんでてるのに、
「Hが無事でよかった」と思った。

人の視点とは、このようなものなのかも知れない。
いや・・・
俺だけなのかな。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こういう場合 (夏鈴)
2004-11-04 00:42:16
明暗ははっきり分かれますね。

わずかの差で被害に巻き込まれた人と、からくも逃れた人と。

運、不運と言ってしまえばそれまでですが、

まさに天国と地獄・・・

ひとたび天災があれば人の命などあっさりと奪われてしまいます。

なんとも儚いものだと思います。
返信する
運って、ありますね ()
2004-11-05 00:13:11
地震の規模から考えると「数キロ」なんて、わずかの差ですよね。

Hは天性の能天気なので、ケロッとしてました。

もしかしたら、気を使っていたのかな。とも考える事も出来ますが・・・

とにかく人の良い男で、無事で良かったと本当に思いました。



気をつけていても、どうしようもない場合もありますし、怖いですよね。

人の力なんて、微力なものだと感じます。
返信する

コメントを投稿