今現在は独立して仕事をしているが、
震災があった時は建築会社の社員だった。
震災の日から、約1ヵ月後。
俺の勤めている会社に復興関連の仕事が入ってきた。
街全体に大きな被害を受けたので、
膨大な数の物件が新たに建てられていく。
しかし、
その建築物の数を補うだけのコンクリートは無かった。
急遽、某大手コンクリート会社は六甲アイランドに、
コンクリート工場を作る事になった。
俺の勤めている会社は、
その工事の、鉄骨、床板、階段の工事を請け負った。
そして、
この工事の担当は俺になった。
後日、
打ち合わせのために現場に行った。
震災から1ヶ月以上経っているのに、
街の様子は悲惨だった。
アスファルトは割れ、
コンクリートブロックの壁は倒れ掛かっている。
斜めになった電柱、
ぶら下がった電線。
倒壊した家が、そのままになっていた。
現場までの道のりは、
それらの連続だった。
現場に入り、監督と顔合わせをした後、
監督は震災に関する話をした。
監督 「空気を見てみ。キラキラ光ってるやろ」
目を凝らして見ると、
太陽の光に反射するように、
空気がキラキラと光っていた。
俺 「確かに光ってますね」
監督 「これ、なんかわかるか?」
俺 「いえ、わかりません。コレなんですか?」
監督 「これはな、建物を解体した時に出る粉塵や」
「キラキラ光ってるものは、グラスウールや」
「普通やったら、粉塵の対策をして解体せなあかんけど、
今は対策せんと、解体しとるからな」
「こんなもんが舞うとるんやから身体にはええ事ないわな」
何も無いところで、空気がキラキラ光ると、
それは綺麗な光景だと思う。
しかし、
現場で見た空気は、
とても腹立たしいものだった。
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【グラスウール】
溶かしたガラスを遠心力で吹き飛ばして綿状にした繊維に、
少量の結合材(フェノール系樹脂)を加えて固めたもの。
繊維サイズは直径4~8ミクロン、
長さ10ミクロン以上の短繊維で、不燃材料。
ロール状、筒状、板状などに成形して、
断熱材、吸音材、保温材、フィルターなどに使われる。
住宅用の人工鉱物系断熱材としては、もっとも多く利用されている。
断熱材の表面はアルミ箔クラフト紙、
プラスチックフィルムなどで包まれる。
震災があった時は建築会社の社員だった。
震災の日から、約1ヵ月後。
俺の勤めている会社に復興関連の仕事が入ってきた。
街全体に大きな被害を受けたので、
膨大な数の物件が新たに建てられていく。
しかし、
その建築物の数を補うだけのコンクリートは無かった。
急遽、某大手コンクリート会社は六甲アイランドに、
コンクリート工場を作る事になった。
俺の勤めている会社は、
その工事の、鉄骨、床板、階段の工事を請け負った。
そして、
この工事の担当は俺になった。
後日、
打ち合わせのために現場に行った。
震災から1ヶ月以上経っているのに、
街の様子は悲惨だった。
アスファルトは割れ、
コンクリートブロックの壁は倒れ掛かっている。
斜めになった電柱、
ぶら下がった電線。
倒壊した家が、そのままになっていた。
現場までの道のりは、
それらの連続だった。
現場に入り、監督と顔合わせをした後、
監督は震災に関する話をした。
監督 「空気を見てみ。キラキラ光ってるやろ」
目を凝らして見ると、
太陽の光に反射するように、
空気がキラキラと光っていた。
俺 「確かに光ってますね」
監督 「これ、なんかわかるか?」
俺 「いえ、わかりません。コレなんですか?」
監督 「これはな、建物を解体した時に出る粉塵や」
「キラキラ光ってるものは、グラスウールや」
「普通やったら、粉塵の対策をして解体せなあかんけど、
今は対策せんと、解体しとるからな」
「こんなもんが舞うとるんやから身体にはええ事ないわな」
何も無いところで、空気がキラキラ光ると、
それは綺麗な光景だと思う。
しかし、
現場で見た空気は、
とても腹立たしいものだった。
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【グラスウール】
溶かしたガラスを遠心力で吹き飛ばして綿状にした繊維に、
少量の結合材(フェノール系樹脂)を加えて固めたもの。
繊維サイズは直径4~8ミクロン、
長さ10ミクロン以上の短繊維で、不燃材料。
ロール状、筒状、板状などに成形して、
断熱材、吸音材、保温材、フィルターなどに使われる。
住宅用の人工鉱物系断熱材としては、もっとも多く利用されている。
断熱材の表面はアルミ箔クラフト紙、
プラスチックフィルムなどで包まれる。
少量衣類についただけでもチクチクと痛いグラスウールが光りながら舞い飛ぶ・・・
ぞっとする光景ですね。
復興後の被災地の人達の健康状態はどうだったのでしょうか?気になります。
知らないという事の恐さを感じました
グラスウールやロックウールって、
肌に着くだけで痛かったり、痒かったりしますよね。
シャツに刺さると、洗濯しても取れないし。
俺ね、
鉄骨を現場搬入した後、職長として、現場に、1ヶ月以上張り付いていたのですが、
その期間だけでも、体調を崩しました。
被災者の方は、本当に大変だったと思います。
>薫さん
コメントありがとうございます。
これが、冬のゲレンデで、恋人同士で肩を寄せ合って見るダイヤモンドダストなら、こんなに素敵な光景は無いでしょうね。
でも、現場で見た光るものは有害物質。
見た目は似てても、内容は天と地ほどの差があります。
知れば怖いけど、
知らないのは、もっと怖いですね。
人体に影響はないとまず安全性をうたっていますが
使用上の注意には
肌や目、鼻、口を露出しない
粉じんが飛散しないよう清掃には真空クリーナーの使用を薦めています
そして散水してグラスウールを十分に湿らせ、できるだけ粉じんが発生しないように作業するようにも注意しています
これらの注意点を守っての安全性なのですよね
神戸の震災から10年、粉塵による健康被害の報告はないのでしょうかね
グラスウールの協会は「グラスウールは安全である」とうたってますね。
しかし、肺に吸入されたグラスウールは、解けて無くなる事はないと思います。
目に入った後、そのまま擦ると眼球を傷付ける事もあると思います。
人体に、どのような影響があるかは、その道(医学)の専門家ではないので「思います」としか言えません。
が・・・
「身体にはええ事ないわな」
は、正解でしょうね。
> 粉塵による健康被害の報告はないのでしょうかね
もし、健康被害があったとしても、この種の認定は難しいでしょうね。
今までの歴史が、そうであったように。