いつも寝不足 (blog版)

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北野美術館へ行ってきた

2005年07月21日 | 外出
北野美術館へ行ってきた。

以前はノルディック複合の荻原兄弟や、今はモーグルの上村愛子が在籍する北野建設(※)のオーナー父子のコレクションが基盤となっている。
※メジロで有名な北野建設とは別会社のはずだが不確か。

何か、まぁ、ここも「採算取れてんの?」といった感じ。平日見に行くのはろくな奴じゃない証拠かな。

さほど期待していたわけではないのだが、予想以上に良かった。私は絵の良し悪しはほとんど分からないが、それでもいくつも魅せられた作品があった。例えば、上村松園の「風」なんかは、私の持っていた日本画のイメージからはちょっと外れていて、確かに題材はいかにも日本画風なのに、何とはなしに浪漫主義や星菫派なんかの匂いも感じてしまった。

また、懐古園にも美術館があった小山敬三が、なかなかに凄い画家だったのだということをこちらで確認した。と言うか、若い頃の小山敬三の作品は私の心に響くが後半の作品群は私にはサッパリ分からないと書いた方が正しいか。戦後の混乱期以降の作品は既に名声を得た画家の、良く言えば余裕、悪く言えば残滓みたいなものが感じられて好きではない。

さて、内外の様々な作家の作品が展示されていたのだが、そのうち私が魅せられたのは以下の諸作品。最初の4作品はちょっと私への響き方が他の作品を圧していた感じ。
  • 上村松園「風」
  • モーリス・ド・ヴラマンク「池のほとりの家」
  • 小山敬三「アルカンタラの橋」
  • 岸田劉生「真田氏像」


次の諸作も素晴らしく、何度も見るうちに味わいが分かるようになるのかもしれない。特に、「松竹」と「青海波」は最初は単なる屏風絵かと思ったが何度も見るうちに良さが分かってきたような気がする。
  • 横山大観・下村観山「松竹」
  • 石踊達哉「青海波」
  • 中路融人「富嶽」
  • 堀泰明「河風」
  • 福井爽人「はまなすの浜」
  • 矢谷長治「菖蒲」
  • アルマン・ギョーマン「風車」
  • モーリス・ド・ヴラマンク「シャトウの引網船」
  • ルイ・バルタ「つづれ織」
  • 木村荘八「牛肉天帳場」


以上で名を挙げなかった諸作も水準を抜いた作品ばかりであることは分かるが、単に私の心を動かす度合いが少なかったのだな。それでも、何も考えずに作品に対峙できると作家の思っていたことがこちらにも伝わってくるようで面白い。下手に解説とか読むと自分なりの感じ方が阻害されてしまう。そして、それが的を射た解説だと尚更質が悪い。その解説の通りにしか見られなくなるから。

また、数は多くないが彫刻や銅像も展示さていた。絵も分からないが、こちらの方はさらに分からないので何とも言えないが、多分、良い作品なんでしょう。

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