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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

中山俊丈

2016-09-24 22:17:20 | 日記
1957年

連休を利用して後楽園のこの一戦を見に来たが、ヒヤヒヤさせられたうえに好天候でノドがかわいてしようがなかった。巨人を四連覇した中日の活躍を見ただけに私には印象の深い試合になった。このなかからヒーローを選ぶとなると私はためらいなく中山をあげる。空谷もよかった。身体全体でピンチの苦悩を表現する空谷は力感あふれていた。しかしその空谷が一点を取られた六回の満塁を、みごとにリリーフした中山のピッチングこそヒーローたるにふさわしいものにちがいない。名古屋から後楽園へ来たのははじめてであるが、彼中山が後楽園のマウンドをふむのもたしか今年はじめてだろう。中山があのとき(六回)巨人の打力を不発に終わらせることに失敗していたらどうなったか。それを考えると私は中日ファンとして中山よくやったといいたい。伊奈以外にたよれぬという中日投手陣に空谷、中山の活躍が見られたことはうれしい限りである。ことに中山が六回の危機に老練の代打平井、樋笠を三振させたの試合のヤマは圧巻というべきであった。外角シュートがきまった瞬間の平井のあの苦しい表情、空振りした樋笠の鬼のような顔、これは巨人側には無念の表情だろうが、私には痛快なひとときであった。今夜名古屋へ帰る私によい土産が出来た。試合後の中山は「リリーフの用意をするようにいいつけられていたが酒井(捕手)が速球の切れがいいから心配ないといっていた。だからカーブに限らず直球で勝負した。なんといった感じもない。ただホッとしたという感じですね」といい、天知監督は「まだカーブの切れが悪い。満足すべき出来ではないが、彼は夏場から調子の出る投手だ」と楽観している。中山は五尺八寸、十七貫五百、昨年は20勝11敗。
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石川良照

2016-09-24 21:39:25 | 日記
1957年

東京のファンにはあまりなじみのない顔。試合終了後ごった返すベンチの中でつめかけた報道陣も彼を見つけるのにひと苦労二回に2-0から先取点を取ったタイムリーを「あのコースは野球選手ならだれでも打てますよ」といい、四回宮本に左翼場外本塁打された球を「イン・コース高目の直球です。2-3になってからだから、いい球だって仕方がない」という。それをきいて「巨人ではだれがコワかった?」という質問を口に出せなくなった報道陣。そんな強気の割切った言葉がもっともふさわしい濃いマユ、強く引きしまった口もとを持っている。「だれにどんな球を投げたのか覚えていない」ともいう。巨人川上監督が「ウチの別所のような厚い腕と広い肩をもったいい投手だ。球も速い。これからの投手にはスピードがなければいけない」とつくづくいったがっちりした体格。「どうも球をはなすポイントが横の方におりてしまいがちなので、意識して上から投げるようにした。やはり甲子園のマウンドの方が投げいい。きょうはほとんどシュートを投げた。カーブはよく曲がらないから・・・。岩本選手にはイン・コースのストレートを投げて打たれた(七回)てっきりホームランだと思ったが・・・。ぼくには七回が限界、完投は出来なくても小山さんのリリーフなら安心だ」今シーズン急によくなった理由に率直にいって「チャンスをつかんで、自信をつけたのがよかった」のだそうだ。五尺八寸、十八貫、堺工高出身、二十一歳、右投右打。
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石川良照

2016-09-24 20:49:52 | 日記
1957年

無造作に大きくふりかぶってぐいぐいと速球を投げ込む。試合前藤村監督が「中日とやる時はどうしても投手戦になる。お互いに攻撃力が弱いからだ。だからエースをぶつけるんだ」と語っていたが、そのエースが石川。石川は岡島、井上を中心とする中日打線をわずか三安打に抑えて今年地元甲子園で初めて中日から勝ち星を奪った。「速球にコントロールがあったので打たれるとは思わなかった。シュートとカーブも使ったが、まず速球だけで勝負したといってもいいね」雨と汗でぐっしょりにぬれたユニホームに肩の冷えるのを気にしながら落ち着いた口調で語る。この夜の先発は二十六日の大洋戦が雨で流れたときにきまっていたそうだ。「この前の十回戦で岡島さんにサヨナラ・ホーマーされていますからね。仇討ちのつもりでしたよ、今夜は」自信に満ちた言葉。三十七日ぶりの白星。勝負師藤村監督に見込まれた不敵な勝負度胸が売物の彼である。
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