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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

坂口俊一

2016-09-20 21:51:07 | 日記
1957年

四回から先発石川(克)をリリーフ、6イニングを投げとおした坂口投手は無得点に抑えてプロ入り初の一勝をあげた。天知監督から「投げてみろ」といわれて「足がブルブルふるえた」そうだ。「こんなに早く一軍で投げられるとは思いもよらなかった。夢中で投げていたのでなにがよくきまったかわからない。ドロップと直球しか投げません。まだまだ勉強しなくてはだめです」とケンソンする。高校時代は投手で四番。昨年夏の高校野球愛知県予選では準決勝まで勝ち進んだ成章高(せいしょう)のけん引車。中日へ入団した当時肩を痛め外野手として打撃を買われていたが、三月末から再びピッチング練習をはじめた。一軍へ昇格したのはつい最近で天知監督も近藤二軍監督がすすめるままに登板させたというのが本音らしい。吉田正男氏は坂口のピッチングを「上手から重いモーションで幾分ぎこちなさはあるが、ドロップと重味のある速球がよかった。ボールのはなれぎわが低く、勢い低目をねらう結果になったのが好投した最大原因だろう。技術的には右足のケリがよく、腰の切れと体重がのっていることはまずまずだろう」といっている。大洋の青田選手は「坂口は別に大した投手ではないが、自然にスライドする外角低目の球がよかった」と語っていた。昭和十三年生まれ、右投右打、五尺七寸、十九貫五百、背番49。
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富永格郎

2016-09-20 21:24:42 | 日記
1957年

一時おとろえていた東映旋風がまた荒れ狂いはじめた。この夜首位毎日を食ってこれで四連勝。この夜の殊勲はもちろん富永投手の右腕だ。オーバー・スローから捕手のかまえたミットに音をたてて投げ込まれる速球とシュート、大きく落ちるドロップは「ゆるむな。ゆるむな」とドスのきいた岩本監督のシッタにこたえて最後まで威力がおとろえなかった。「風が左翼へ吹いているので山内さんには気を使った。一発入れられると終わりですからね。真ん中から外角へ落ちるドロップを多投した。シュートが内角ぎりぎりにきまるようになったので外角球がよけいに生きていると思っていたんです」五安打におさえたこの夜のピッチングを「打たれなかったのだから調子がよかったんでしょうね」とまるで他人ごとみたいにいってうれしそうに笑った。勝星は今シーズン二つ目。それはいずれも毎日から奪ったもの。「ぼくは去年もスタートが悪かったから勝星が少なくても気にしていないですよ。これからです。まあみていて下さい」という自信に満ちた言葉を残して暗い通路に消えていった。カチャカチャとスパイクの金を鳴らしながら・・・。

岩本監督の話 「なんといっても富永の好投が勝因だ。毎日のクリーン・アップ・トリオだけをマークすれば勝てるといっておいたがそのとおりになった。投手の調子がどうにか安定してきたので、早く不動の四番打者をつくりたい」
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