作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

現実

2012-08-09 | コラム
 「マインド(創造的思考力)なくしては宇宙は存在し得ないことが量子物理学によって発見されています。さらに、マインドが、実際に知覚するすべてのものを形作っているのです。」

 量子物理学者アランウォルフの言葉です。人間の思考がすべてのもの、宇宙をも形成していると言っています。にわかには信じがたいことですが、私たちの思考が現実のものに作用することは、科学的に確認されているのです。1927年、ハイゼンベルクという学者は、素粒子の研究で、対象を観察すること自体が粒子の状態に影響を与えてしまうことを発見しました。観察者の意識によって、粒子の状態が変わってしまうというわけです。

 私たちは、一日に十万回思考すると言われています。その思考がどの程度現実に影響を与えているかは定かではありませんが、影響を与えていること自体は事実だと思います。一つ一つの思考を細かく確認し、コントロールするのは不可能でしょうが、大雑把に考えて、プラスの影響を与えているか、マイナスの影響を与えているかを判断することはできそうです。

 そのものさしになるのは、感情です。それが強い感情ではなくても、なんとなくいい気分でいるときには、ちょっとした幸せをいくつも発見できるものです。逆に、ぱっとしない気分でいるときには、ついていないことが重なったりします。もちろん、すべてが簡単にそう言い切れるわけではありません。表面の感情とは裏腹の潜在意識の力が働いたり、他者の感情の影響を受けたりすることもあるからです。

 しかし、少なくとも、現実を創造しているのは自分の思考なのだという認識を持つことは重要です。思いも寄らないことが起きてしまったとき、目の前の現実になすすべもないとあきらめるか、自分の力で切り開けると信じるかによって、人生は大きく変わってきます。人間の感情は絶えず揺れ動いているので、それをすべていい方向にコントロールするのは難しいでしょうが、ここぞというときに、前向きになれるかなれないかは、自分の決心次第なのです。冒頭に紹介したアランウォルフの言葉は、そんな前向きな決心を下すための後押しになるのではないでしょうか。

 思考が現実を作っているのだとしたら、漫然と毎日を過ごすことは実にもったいないことだと思います。創造したい現実を思い、なりたい自分を心に描いていたら、そして、それを深く信じ、わくわくした気持ちでいれば現実は動き出します。自分の行動も変わっていくはずです。目の前の現実は、自分の心の内の反映に過ぎません。現実とは、自分の外側にあるものではなく、自分の内側にあるものなのです。


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