明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

「早く帰りたい」

2022-09-29 | 母との確執
母にとっては初体験が続く。
こないだからヘルパーさんが来るようになり、
昨日今日は初めてのショートステイだった。
一泊2日、場所は提携先の特養。

時節柄、前日に指定の病院でPCR検査を受けてくださいと。
鼻の穴に綿棒突っ込まれ、相当痛かったらしい。結果は陰性。

朝の送り出しは私の担当。
指定時間よりずいぶん前に母宅到着し、持ち物をチェックし検温する。
「なんで私はそこへ行くん?」「みんな行くの?」
何度も同じことを訊き、何度も同じように答える。
不安なんだろうな。
まぁそれでもいつも通り、行ってきまーすと手を振り、車に乗っていった。
やれやれ。

何事もなく一日が終わりますように。
夜はおそらく眠れないだろう。
弟の家に泊まりに行っても眠れない母のことだ、
初めての知らない場所ではまず無理。
食事はちゃんと食べられるかな。
話相手は・・・いるわよね。女性は初対面でもすぐお喋りが始まる。


一夜明けて今日の昼前、
ショートステイ先から電話がかかってきた。悪い予感。

「あの~、お母さんが『早く帰りたい』と仰ってまして。
 予定より早くなりますが、お迎え大丈夫でしょうか」

「食事の時に向かいに座ったかたが認知症で大声をあげる人で・・・
 びっくりされたようです。こちらも配慮が足りず、申し訳ありませんでした」
 
物忘れ外来を受診した時も突然大声をあげる人がいて
母はギョッとして怯えていた。
いきなりそういう人に出くわしたら誰でも多少はびっくりするが、
母のようなほとんどの時間を家の中で穏やかに過ごしている者は
免疫がなくてショックが大きいのだろう。

迎えは義妹の担当だったので、私は直接は聞いていないが、
「あそこは行きたないな。夜は寂しかったわ」
「施設に入らんでいいようにがんばるわ」
と言っていたらしい。

「おかあさんがバナナやヨーグルトばっかりじゃなくて
 ちゃんと3食おかずとゴハンを食べて、ちゃんと薬もひとりで飲めたら
 入らなくてもいいですよ、と言っておきました」
と義妹。


確かにデイサービスに来るような介護度の低い人はいないから、
最初は戸惑うだろう。
施設もいろいろで、いろんな人がいて、
広告で見るようなきれいごとの世界じゃないよ。
とは思うものの、ちょっと薬が効き過ぎたか。
もう施設はイヤ、絶対行かない! となったら困るなぁ。

私だったら「イヤでも行かなアカン時は行ってもらうよ」
と憎まれ口をききそうだから、お迎えが義妹でよかった。