明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

独眼竜オババ

2021-12-07 | 母との確執
先日93歳になった母の話。

どうも母の目はよく見えていないようだ、
と弟は常々感じていたという。

「どう思う?」
「うん、見えてると本人は言ってるけどあんまり見えてないと思う。
 白内障の手術してるのになぁ」と私。
「手術は片目だけや。足元がよく見えへんから外歩くのも怖いんかもな」
「いっぺん病院つれていこか」
「そうやなぁ、イヤや言われへんかったらいいけど」

そんな話をしていたのだが。

ある日のこと、
弟は外出したついでにふらっと眼鏡屋さんに母を連れて行き、
検眼してもらったそうな。
そしたら・・・右目(手術した目)は裸眼0.2、メガネ矯正0.4
      左目は計測不能 
とのことだった。




数日後、弟は母を連れて近所の眼科を受診。
眼底検査をするも、左目は白濁どころかオレンジ色に濁っていて
眼底が見えないとのこと。

両眼とも角膜が傷ついているということで点眼薬が処方された。
2種類の目薬を1時間ごとに交互に一日6回、差すというもの。
朝8時にスタートしても夜8時までかかる

数日後、再受診したら、
目薬の効果か、右目の視力が0.6まで上がった。

さて左目はどうするか。
医者が言うことには、
手術は出来ないこともないが、高齢ゆえリスクが大きい。
白内障手術では水晶体を超音波で破砕してレンズを挿入するのだが、
高齢になるとこの破砕が難しくなるのだと。
「手術するならいい先生を紹介しますよ」

そんな話を聞いたら誰でもビビる。
母も、「もういいです、先短いのに手術なんか要りませんわっ」

とりあえず目薬治療をもう少し続けて、
右目の視力が落ち着いてきたところでメガネを作り直そう
ということになった。

左目は放置、である。



     


10年前に左目も手術しておけばよかったのにね。
その時はそこまで酷くなかったのだろうが、
年に一度ぐらい検査を続けていたら・・・
今さら言ってもしょうがないが、
見えるほうの目で自然とカバーしてしまうから、
悪くなっていても気づきにくい。
それと、いい先生だと評判の医者にかかっても、
通うのが遠ければ自然と足が遠のく。
継続して通えるかというのも
高齢者にとっての医者選びの目安のひとつではないか。
母もいい先生に手術してもらったが、そのあとが通えていなかった。

というわけで、独眼、隻眼となった母。
一日じゅう目薬を差すのが日課となった。
見た目に変わりはない。きれいな目である。
しかしメガネを作り直すにしても、左のレンズの度数はどうするのだろう。
独眼だけに、ダテということに?