コメの価格高騰が続いています
昨年から上昇した価格は高止まりのまま
ついに政府は今月、新たに10万トンの備蓄米を
放出する方針を発表しました
すでに先月、21万トンを市場に出していたにも関わらず
価格の落ち着きは見られません
江藤農水大臣は「夏まで毎月、政府備蓄米の売り渡しを
実施する」と表明
石破総理も江藤大臣を官邸に呼び
早急な対応を指示しました
この状況を見ても分かる通り
「米の安定供給」は今、急務となっています
なぜ、コメが不足しているのか?
今回の価格高騰の背景には
いくつかの要因が複雑に絡み合っています
■ 作付面積の減少と収穫量の変動
近年の農業人口の高齢化や異常気象の影響により
コメの作付面積や収穫量が減少傾向にあります
しかし、農水省がこの実態を十分に把握できていない
という指摘もあります
正確なデータがないままでは、需給のバランスを
取ることが難しく、結果として市場が混乱してしまいます
■ 買い占めや流通業者の動き
一部の業者による買い占めや買いだめも
価格上昇の一因とされています
特に外食産業や加工業者などが
「先を見越して大量に確保している」といった声も
あります
こうした動きは、さらに供給不足感を煽り
連鎖的に価格を引き上げてしまいます
■ 輸出需要の拡大
和食ブームを背景に、海外市場での日本産米の需要が
伸びています
高品質なブランド米は国内よりも海外で高く売れるため
生産者が輸出にシフトするケースも増加
結果的に、国内市場に回る量が
減少している可能性もあります
備蓄米放出は「応急処置」
政府による備蓄米の放出は
市場への供給を一時的に増やす“応急処置”としては
効果があります
しかしこれは根本的な解決ではなく
また放出すればするほど
将来的な備蓄の余力も減っていくという
リスクも孕んでいます
求められるのは「中長期的な需給の見直し」
コメは日本人の食の根幹をなす存在です
その安定供給のためには、一時的な備蓄米の放出だけではなく
以下のような中長期的な対策が求められます
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作付け状況や収穫量の正確なデータ管理
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流通在庫の見える化と買い占め防止策
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農業支援による国内生産の維持・促進
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輸出量と国内供給のバランス調整
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消費者や流通業者への正確な情報提供
最後に
農業人口の高齢化や異常気象が顕著であり
「コメが手に入らない」という状況が
日常的になる前に
国として、そして社会として
コメの安定供給体制を再構築することが
求められています