森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

ATM(現金自動支払機)盗撮について

2005年10月22日 16時31分12秒 | Weblog
ATM(通信屋さんの世界の略語ではなく、現金自動支払機のほうです)盗撮についてですが、関係者というわけではないのですが、またシビアなことを書くと物議をかもすので、静観していました。少し落ち着いてきたようなのでちょっとコメントするのですが…

当初、「暗証番号を入力する手元の画面だけ映して、どうするの? 暗証番号だけだと何も出来ないのでは?」みたいな報道が多かったのですが、ディスプレイ画面だけ映しても十分情報量があります。振込口座だけでもわかれば大きな情報ですし、使い道はいろいろとあります(何、言ってるの?? 一人で突っ込んでいましたが…)。まあ、この問題は予想通り、複数のカメラでカードの映像も撮っていたということで、カード偽造のための情報という線も濃くなったわけですが…

さらにニュースでは、「相当の技術を持った、しかも組織的な犯行…云々」みたいなことを言っているのですが、あの夏休みの工作みたいなセットを見る限りは、それほど技術を持っているとは思えません。また、「何百メートルも離れたところで、見ているとか、録画している」とか言ってますが、あの機材で何百メートルも電波が届かないでしょう。せいぜい20mぐらいだと思いますけど。

いろいろな人が好き勝手にいろいろなことを言って、むやみに不安を掻き立てるのもどうかなぁと思います。以前のスキミングでも、服やカバン越しに、スキミングの装置を近づけただけで、カード情報がすべて取られるみたいなことを言っていましたが、それはあり得ません。もちろん、SUICAのような非接触型ICカードは、その危険性はなくはありませんが、磁気カード(ICカードも)ではありえません。

たぶん、TV局って…

2005年10月22日 15時57分20秒 | Weblog
たぶん、テレビ局って、誰でもが無くなるんだろうなぁ…と正直思っているところでしょう。キー局とか一部の有力地方局が持っているコンテンツクリエータ&ディレクタとしては残るでしょうけど、コンテンツプロバイダとしてはラジオ局以下になると思います。ラジオ局を決して卑下しているわけではなく、ラジオというのは十分残るでしょけど(紙にメモを手書きして送ることが重要なように)、今のテレビは中途半端なプロバイダになる可能性が十分あり、10年後も安泰とは決していえないでしょう。テレビ局にとっては大きなお世話でしょうけど、三木谷さんや堀江さんが危惧するのも十分うなづけます。

以前、堀江さんの騒動の渦中、そのテレビ局とトップが「テレビ局だって、インターネットを無視しているわけではなく、十分活用したり、研究もしている!」と言っていましたが、発想は7年ぐらい前の「インターネットテレビ」と同じで、テレビでインターネットを見る?ことに固執した同じで、その轍を踏むような気がしてなりません。

…とこんなことを書くのは、今、羽田空港内のラウンジで、いつものように無線LANに接続して、仕事をしていたのですが、ふと久しぶりに「GYAO」のサイトを覗くと、そのコンテンツの充実ぶりに驚かされました。特に、CMを提供している企業が早々足るところです。TVよりもこちらに移行しつつあるというところでしょうか。

http://www.gyao.jp/