森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

2ちゃんねるで佐賀県が...(その2)

2006年10月26日 03時18分13秒 | Weblog
先の投稿記事にいくつか、コメントと質問を頂きました。それについて簡単ですが、回答と補足をさせて頂きます。

ネットでの「言論誘導」(情報操作)ですが、先に書きましたように私は否の立場を取るほうではあるものの、存在自体は認めています。「どちら取らず」の意見ではなく、自分に有利なように発言しようとするのは避けられないからです。そのために虚偽や逸脱した誇張は許されるべきではありません。あるグループが意図を持って発言することは当然のことです。ですから、その発言を行う媒体がどのような立場を取るかです。2ちゃんねるが「あらゆる組織的で意図的な言論誘導は許さない」というのであれば、それを宣言し、その宣言の支持者が集えれば良いだけです。マスコミの「言論誘導」にしても、過去の歴史が示すように、その存在は明らかであり、問題は、「編集方針、編集意図」を宣言せず、あるいは虚偽の宣言を行って、あたかも中立(公平という言葉もありますが、どうなのでしょうか?)であるように論評することです。

先の投稿中での「暗黙の了解」という言葉ですが、正確さに欠き、誤用であったかもしれません。「公然の事実」だと私は認識しています。佐賀県が調査を委託した会社、(新聞紙上で会社名が公開されてます)「ガーラ」ですが、6年以上前から、その業務を行っています。「ガーラ」は調査報告をまとめるだけであると思いますが、当然その先に有るのは「対抗手段」です。例えば、「調査結果」に基づいて、自社の製品を広めるために「口コミ」と称して、ネット上で情報操作(誘導)しています。その事実を述べただけです。もちろん、その先には「言論」「世論」誘導があるでしょう。私の教育者としての一面からは(議論がそれるので、書きませんが、大学は教育機関ではありません。研究開発教育機関であり、学生の教育も行っていますが、それだけではありません。端的な例は、私の大学での予算は、教育予算と研究予算に分かれていますが、研究予算が教育予算を上回ります。同じ大学の教員でも、その比率が異なります。この10年で大学は大きく変わりました。)「中立なマスコミは存在しない。特に一つ一つの論評、さらに記事に関しては何がしかの意図のもとに書かれている。もちろん、中立という意図も存在する」ということを主張するだけです。

余談ですが(本当は題目に則すると本論)、佐賀県は若干、危機管理意識が根本的に欠如しています。「危機管理からネットを監視している」というならば、それを公然と発表することが、どのような結末となるかを考えるべきです。相手(ネット)をかなり軽視しています。ネット側から反発というか「怒り」がこみ上げても当然でしょう。いわば、「監視カメラの抑止効果」を期待して公表していることになるわけですから、その対象は「犯罪者まがい」としていることになります。

2ちゃんねるで佐賀県が...

2006年10月25日 10時00分36秒 | Weblog
私もご贔屓にしていただいている、また重要な情報源でもある「2ちゃんねる」で佐賀県がブームになっています... といっても今は少し落ち着いているのですが。発端はこの「朝日新聞」のニュース記事です。『監視』という言葉が、住人の方々を強く刺激したのでしょう。ただ、佐賀県が行っていることは、組織としては当然のことであって、大手の企業ならば、担当セクションが存在して、WATCHしています。自分の身を守るためには当然のことです。

実は、我々の研究室で5年以上前から、ネットの動向をWATCHするシステムの開発を行っています。論文も出しているのですが、実際的なシステム開発も行っていて、昔に新聞紙上でも紹介されました(地方紙ですが...)。その絡みで、いろいろな会社さんや組織とお付き合いもあるのですが、その話は残念ながら内容が内容だけに控えさせてもらいます。

で、佐賀県の話ですが、私のほうにも少し原因の一端があるかもしれません。朝日新聞の元記事にも書いてますように、きっかけは「佐賀銀行の取り付け騒ぎ」です。当時、その話題について、新聞や雑誌でコメントを数多くしたのですが、(また言葉足らずで申し訳ないのですが)「ネットの動向を軽く見るな!」というようなことを言って、危機管理と事前状況把握の必要性を説きました。なぜ、佐賀銀行の取り付け騒ぎと(直接的に言うと)「ネット監視」が結びつくのかというと、携帯電話でのメールが発端となった取り付け騒ぎの裏で、「佐賀銀行のネットでの噂」が根付いていたからです。このことは、佐賀銀行を含む「第二地方銀行協会」の機関紙にも論評を掲載させて頂きました。これが佐賀県庁の頭の片隅にあったのかもしれません。

最後に、今でもこの分野の研究開発、システム開発を行っていますので、共同開発や導入に興味をもたれた方はぜひご一報を。


MicrosoftがYahooを買収するという噂ですが...

2006年10月18日 23時51分09秒 | Weblog
表題のように、MSがYahooを買収するのでは、という噂が少し現実味を帯びています。昔であれば、一笑に付される話なのかもしれませんが、GoogleがYouTubeを約2000億円で買収したことで、少しですが状況が変わっています。まだまだGoogleの「一人勝ち」なんかは空想事と考えていたのですが、勢いとしては完全に「一人勝ち」の様相ですし、時価総額を眺めると、いつの間にか、対等にまでのし上がっています。 Googleの時価総額が約14兆円、MSの時価総額が約30兆円で、その差が2倍にまで近づいています。何兆円とか言われると、よくわからない数字になってしまうのですが^^; 日本最大の時価総額企業のトヨタが約24兆円です。IT関連企業なら、NTTが約10兆円、ドコモが約9兆円、松下が6兆円、ソニーが5兆円です。ついでに書き続けると、キャノンが松下より高く約8兆円、トヨタ系のデンソーが結構高く約4兆円で、ともに国内で時価総額20位以内には入っています。さらに、Yahoo(日本)とソフトバンクがほとんど同額で約3兆円、ともに30位ぐらいです。富士通、三菱電機、シャープ、日立、東芝がそれぞれ、ソフトバンクより時価総額が低く、2兆円から2.5兆円といったところです。

話をMSに戻して、本国アメリカのYahooが約3兆円ぐらいで、MSの1/10まで下がっています。無理をすれば、MSがYahooを買収できなくもない時価総額まであと少しにまで近づいているのです。ちなみに、GoogleはYouTubeを時価総額で言えば、
1%強ぐらいの価格で買収しました。

今週の「インターネット講座」は、その手の話に絡めて書きました。

朝日新聞徳島版 森井教授のインターネット講座 「第355回 IT経営」

さらに時価総額で余談を続けると、一流企業の証である、東証一部上場企業だけに絞っても、時価総額100億円(つまり、設立8年、上場2年の幼い企業であるGoogleの時価総額の1/1,000以下)以下の企業が100社近くあります。

試してみれば...本当でした

2006年10月16日 23時43分41秒 | Weblog
Googleに『儲けない』を入れてみましたら、トップに、近畿ろうきんの「なぜ、儲けない金融機関なのか」というページが表示されています。本当だったのですね。最近、検索をかけさせようとするTV広告が増えていて、それも、社名や商品名ではなく、連想する、あるいは関係する「一言(一語)」を入れさすパターンが多いようです。

朝日新聞徳島版 森井教授のインターネット講座 「第349回 検索エンジン(下)」

ちなみに、Googleに「森井」と入れれば、52万件のトップに私のページが出てきます^^; 「インターネット講座」でも、5位以内で出てきます。


さぬき市での講演

2006年10月13日 08時02分37秒 | Weblog
昨日夜は、さぬき市(香川県)において講演を行ってきました。予定では以下の内容だったのですが、どうだったでしょうか。一番参考になったのは、「大学との付き合い方」かも知れませんが...

それと、「具体的なビジネスのアイデア」を期待していた人はごめんなさい。なくはないのですが、うかつにはしゃべれません^^; それと特定銘柄の株価動向について聞かれた方もごめんなさい。これもうかつなことはしゃべれません^^; もし、損失を被られても責任が取れませんので。 確かな^^;予想は持ってはいるのですが...

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『ITを利用した新規ビジネスの可能性を探る
  --その具体的な戦術と戦略とは--』

 森井昌克(神戸大学工学部教授)

インターネット、さらにITと言われて久しく、そのビジネス利用については必須であり、すでに定着した感があります。IT企業と呼ばれる情報の授受に関わるサービスを主体とする企業も既に淘汰の時期を越えつつあり、その新規ビジネスの立ち上げに対して困難性を指摘する声さえ聞かれます。しかしながら、技術としてのITはともかく、文化としてのITはその入り口に立ったところであると考えられます。この10年で加速度の付いたIT技術の浸透は、まさに次の10年の文化として変革を誘おうとしています。今年の総務省による情報通信白書のキーワードは、「ユビキタスエコノミー」であり、まさに今から真にIT技術を利用浸透させたビジネスの誕生をうたっています。情報だけでなく、ポスト「もの作り」の時代として、新しい概念に基づく『もの作り』も求められています。これからの社会は、ものの『所有』という概念がなくなり、いわゆる利用する『権利』の授受が経済行為の中心になることでしょう。このパラダイムシフトの流れに応じたビジネスモデルが生き残るのです。このパラダイムシフトを臨みつつ、ユビキタスエコノミーというキーワードを支える3本柱、「ロングテール」「消費者発信型メディア」、そして「オープンソース化」という事象の本質を取り入れたビジネスの有り方、しいて新しいビジネス形態について論じます。
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ここ数日のコメント、謹んで拝見しております。

2006年10月10日 22時06分22秒 | Weblog
ここ数日来にお寄せ頂いたコメント、すべて目を通させていただいております。質問等に対する回答は今までのBLOGで書いた範囲を超えるものでは有りませんので、再度投稿は差し控えます。

ただ、繰り返しになりますが、「ネットも気になる」マスコミ偏重の八方美人といわれようが、御用学者といわれようが(初めて言われましたが^^;)、誰からの圧力でもなく、ましてや読売新聞社からの無言の圧力でもなく、私自身の意志で抗議は行いません。その理由は書いたとおりです。また、記者も含めて私もネット(「2ちゃん」に限定しても構いません)を否定しているわけではありません。私は学生のときから20年以上、インターネットという環境・文化に浸かっており、否定できるものではありません。ただ、潜って見ることもできるからそこそ、問題点も指摘しているのです。今回についても、一般の人(ネット側の人ではなく)にとって、ネットの誹謗中傷が言葉以上の恐ろしい集団暴力であると感じている人も多いという警鐘です。決して、ネット上の意見を誹謗中傷だとかいっているわけではありません。確かに新聞記事では、『「(両親は)身銭を切るべきだ」「子どもを利用した詐欺」という心ないもの』という表現が使われており、誤解を生んでいます。これは読売新聞社の失態と言っても良いと思います。具体的な対象は、単に「詐欺師」と書き捨てたり、「○○ちゃん、死ねば」とかだけ書いている不気味な記事をさしています。こういう雑音を雑音として捕らえられない人もいるのです。読売新聞社、少なくとも経営側ではなく、記者周辺ではネットをライバル視していても、悪い意味で敵視していません。新聞に完全な正確さを期待するのは酷です(たぶん、こう表現すると、何を言っているのか!! マスコミの責任はどうなるのか!という声が聞えそうですが、どこかの国のような統一思想国家ではないのですから、正確さというのをそれこそ誰でもが単一の意識を持つとように誘導するという意味での正確さを完全には期待できません。マスコミに対して幻影を追っているのではないでしょうか)。

「ネットの負の側面」という言葉に、過剰に反応したのですが、そろそろ「意識の集合体」である2ちゃんねる自身が、その「正の側面」を実力と実際の社会的評価を自覚してもよいのではないでしょうか。

読売新聞の取材と担当記者さんの考えを推測するに...

2006年10月08日 15時02分29秒 | Weblog
読売新聞の記事:『米で心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ』に記載されています、私のコメントに対しまして、先日来、補足とそれに対するコメントに対する回答(すべての質問に対する回答になっていませんが...)をさせていただきました。

その後もその回答等に関して、直接ブログにコメントを頂いたり、当該掲示板のスレッドに意見を頂いています。その中で、「コメントが歪曲、さらに捏造されているではないか! 厳重に読売新聞に抗議すべき」との意見がいくつか見られますし、「抗議しない理由は?」との問い合わせもいくつかありました。それについて、簡単ですが回答させていただきます。

まず、私は、あのように書かれたコメント(あのコメントが正確には私の真意を伝えていないことは、ブログに先日書かせていただきました)が歪曲、さらに捏造であると強く抗議するには至らない内容であると考えているからです。これは読売新聞社と私の間ではなく、担当記者と私の間での問題として考えているからです。私は、「ネットの負の側面」という表現を使っていませんが、「ネットでは差別なく、そして区別なく誰でも発言でき、それが誹謗中傷であっても、正当な意見であっても、さらに価値ある情報であっても、同じ『文字』として存在する。それがネット(掲示板?)だ」というような表現をしました。誹謗・中傷に論点を置けば、「ネットの負の側面」という語句が頭を過ぎるのは理解できなくもないのです。記者さんとの電話取材の内容については、ブログで先に要約(数行でまとめているだけですが)させていただきました。「根拠のない誹謗中傷は問題だ」ということも確かに言いましたが、それはネットの雑音であり、雑音を取り除くフィルタ (もっとも、そのフィルタの性能は区々であり、設計原理も個々のマスコミ組織によって異なるのですが...) を備えた既存のマスコミとは性質が異なるのだ、というようなことも、表現は異なるとしても強く言っております。

抗議の件を含めて、なぜ紙上でのコメントをするのか、続けるのかということですが、それについもブログで投稿(昨日)した通りです。結局は誰かのコメントが掲載されることになるのです。したがって、自分の意見を述べ、あるときは記者さん自身に意見し、さらに情報提供および説得し、できるだけ正確に(内容的には私個人の意見であり、世論に受け入れられない場合もあるのですが)掲載されるように努めています。実際、捏造、歪曲に近いコメントをされる場合もなくはありません(最近は滅多にありませんが)。一度、そのような目にあった組織・機関からの取材はお断りしています。逆に、取材を受けてコメントをしたからといって、必ずしも掲載されるわけではありません(私が記者さんにとって受け入れられないコメントをする場合があるからでしょうが...)。新聞の場合、採択率は50%ぐらいでしょう。

担当記者さんの弁護をします。恐らく担当記者さんと接触された方はおられないでしょうから。ただ、取材を受けて以降は、連絡を取っていませんので正確ではなく、推測部分も含みます。なお、この担当記者さんとは今回が初めてではなく、以前から電話取材のお付き合いがあります。F2Fの面識はありません。

まず、記事ですが、もちろん、この担当記者さんが主となって書いているはずですが、責任取材ではないので、デスク等、場合によっては複数の手が入っている可能性があります。そして、この担当記者さんが、どの程度の取材に基づいて、さらにどの程度、内容を把握、理解して書いているかということですが、掲示板で書かれているように、最初からネットに批判的な立場で書いているわけではありません。すくなくとも最終的に紙面に掲載された表面的な内容で満足していないはすです。ブログにも書きましたように、私へのコメント取材においては、「さくらちゃん」関係に限定せず、個別にもその名前は出していませんが、当然、その支援団体等にも取材をされているようでした。今回の記事では、あえて「ネットの負の側面」という記述をし、それがネット全体の否定につながるように解釈されてしまったわけですが、これはこの記者さんの本意ではないはずです。あまり詳しくは話されませんでしたし、それに即して私も詳しくは書きませんが、何がしかも問題意識は持っておられるようでした。「負の側面」という表現を使った以上、「ネットの正の側面」を考えておられるのだと期待しています。

前日の投稿に関するコメントに対しまして

2006年10月07日 13時27分34秒 | Weblog
先日、読売新聞の『米で心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ』という記事の中での私のコメントに対して、補足を致しました。それについていくつかコメントを頂きましたので、私のほうからもコメントさせていただきます。まずは事実(少なくとも私がそう考えている)について述べます。

1)当然のことですが、コメントを含めて私が書いた記事ではありません。また、これも当然ですが、新聞記事内のコメントについて、事前に了承を求められたわけではありません。

2)記者さんからの電話での取材では、「さくらちゃん」関連の件について、コメントを求められたわけではありません。記者さんも私も「さくらちゃん」という言葉は一切使いませんでしたし、それを想定して話したわけでもありません。記者さん側からは、「以前から移植手術等での寄付に関して、ネットで批判が起こり、誹謗中傷も増えているがどう思うか」という質問です。「さくらちゃん」の基金やその他特定の団体、人の寄付行為に対してコメントを求められたわけではありません。したがって、一般的な内容のコメントをさせていただきました。もちろん、紙上に書かれている数行を話したのではなく、30分近く話しています。

3)紙上のコメントだけを読むと、一般的で、ほとんど内容のないものであるため、このブログで頂いたコメントでは、「何も状況もしらず、調べもしないでコメントするな」と解釈できるコメントを頂いています。確かに独自の調査や私自身が動いての取材はしていません。しかし、ネットで話題となっている「死ぬ死ぬ詐欺」については完璧にネット上での議論には目を通しているとは言いませんが、少なくとも主だったスレッドには目を通していますし(ずいぶん以前から)、まとめサイトの存在も知っており、概観しています。

4) 2)と3)に関係しますが、取材を受けた際に、「さくらちゃん」について一切頭に浮かばなかったかというと、確かに浮かんだことは確かです。また、記者さんの断片的に話される内容から、「さくらちゃん」関係の件をイメージしているであろうということは察しました。しかし、取材内容はあくまでも、特定の団体や人の寄付行為ではなく、一般的な寄付を求める行為(子供に対する手術費用捻出)に対するネット側の対応についてです。

5) 「誹謗・中傷が多いとは思えず、意見が整然と述べられており、若干の雑音があるものの、正当な討論となっているのでは」というコメントもいくつか頂きました。これについては同意します。紙上のコメントの中で、またそれを補足したブログ記事で「中傷」と書いたのは、中傷がすくなくなく、スレッドによっては中傷も多いことから、一般的な事柄として述べました。

6) 「かならずしも(紙上での)正確なコメントが載らないとわかっているなら、コメントするな。あるいは新聞社に抗議しなさい」ということですが、コメントを一切しなければ、当然ですが、私の意見はまったく掲載されません。少々、はずれた内容になったとしても、あるいははずれる可能性があるとしても、コメントに応じているのは、誰かがコメントしなければ、適当なコメント(特に記事内容、そして新聞ですから、事実の羅列ではなく、ある程度の意図を持った内容にそった)が掲載されてしまうからです。今回でも、記事の最初の意図は、「ネットで叩くのは問題だ」ということだったのを察しましたので、そうではなく、「今までのように表面的な事柄だけで正義のレッテルを貼り、その正義において何をしても許される時代ではない。具体的には子供の命が一番だからといって、募金行為が正当化されるわけではなく、説明責任もある。実際、疑惑をもたれている募金行為も少なくない。募金行為を否定されたからといって、その原因を認識しない側にも問題がある。特に誰でも自分と同じ考えであるというような認識は甘い。いわれのない誹謗・中傷は問題外だが、募金を募る側にも襟を正す必要があるのでは。」というような趣旨を言いました。そうした中で、新聞社として、その内容を最大限抽出した結果が、「募金に反感を持つ人もいる」という一文だったのでしょう。何も言わなければ「ネットは悪だ」というコメントになってしまう可能性があります。今回、コメントを頂いた方は新聞というメディアを自分の考えを持って認識しておられる方々でしょうが、一般には、そのままの形で受け入れてしまう人も多いようです。その人たちの中で幾人かでも踏みとどまって自分で考えてくれる人がいればと思い、コメントしています。

7)「ネットの負の側面」という言葉が私のコメントで使われていますが、これを言った覚えはありません。むしろ、いくつかの掲示板のスレッドで書かれていたように、「正の側面」も垣間見れると考えています。


読売新聞へのコメント:米で心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ

2006年10月06日 16時16分18秒 | Weblog
読売新聞の記事:『米で心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ』にコメントを寄せました。

題目の通りなのですが、コメントとしては 「いろいろな考えもあって然るべきだが、多くは無責任な意見であり、許せない」と結んでいます。限られた文字数でのコメントですので(実際は電話での記者さんとのディスカッション^^;で30分近く)、正確には伝えにくいのですが、許せないのは「無責任な誹謗中傷」であって、ネット上での意見ではありません。むしろ反対意見や疑問は書いて然るべきと考えています。逆に、支援団体は、十分想定すべきです。このような自体は想定できないものではなかったはずです。逆に、支援団体も説明を含めて、責任をもつべきところがあるでしょう。 これはネットだけを責めるわけにはいきません。繰り返しますが、無責任な誹謗中傷は許されるべきではありません。否定的な意見と誹謗中傷を分けるべきです。

【CEATEC2006】 5年も前に出しているのに...ドコモさん、頑張ってくれたら。

2006年10月04日 17時53分36秒 | Weblog
CEATECが幕張で開催されてますが、そのニュースの中で 手書き原稿をFAXで携帯に一斉送信「伝助くん」という記事を見つけました。FAXで送った画像を携帯電話で表示させるというソリューションなのですが、5年も前に、研究室で開発して、発表もしています。

久保 義人, 高木 峰子, 白石 善明, 森井 昌克 : 携帯電話を使ったFAX送受信システムの開発, 電子情報通信学会技術研究報告, Vol.OFS2001-51, No.558, 1-6頁, 2002年1月.

しかも、その前から、ドコモ四国と共同開発して、ニュースリリースまで行っているのに。

ここに当時の新聞記事と紹介があります。

ドコモ四国さんが頑張ってくれたら... どうなっているかわかりませんけど。ビジネスというのは技術だけではなく、時間、それに...も味方に付けなければなりません。

【追伸】  我々の研究室では、多くのソリューションを生み出していて、蔵の中に埋もれています。 興味があれば、ぜひお問い合わせください。