Doll of Deserting

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千代の華:予告

2006-06-23 22:12:38 | 過去作品(BLEACH)
 じっと見ているだけで心裏深くに開き入ることの出来る場合はそうない。ことこの男に対しては、こちらが見透かしているように思えて実は見透かされているような、背筋のぞっとなるような瞬間がままあった。



「私にそのような煤けたご忠告をなさるより、もっと他の、よく言うことをきく可愛らしい娘がいるでしょうに」


      

     「あの人は、一人の娘に捕らわれてはいけないご職業なのだわ。何せ絵師なのだもの。一生一人の女を描き続けるだなんて、そんな不毛なことがあるかしら」




「姐さん、僕は、あなたに苦渋を味わわせたいわけじゃない。そんな、まるで僕が昔噛み付かれたような悲劇を、あなたは歩んじゃいけないんです」




      「いけません、あなたが一人に捕らわれてはいけないように、私とて幾多を相手に生きてゆくことを強いられた女です」





          「俺のどこが不満だ?若輩なところか、大店を抱えていないところか、それとも―……」






             「いらっしゃい、こらまたお若い旦那やね」




 逃げることも、受け入れることも、全てが虚構のように思えた。いっそこのまま視線すら動かさずに座り込み、そのうち元のように束縛されるのを待つ方が幾分ましのように感じられる。おそらくまともに笑みを取り繕うことが出来るようになる頃には、この虚構が花影となって鈍く身を潜めることであろう。




           「辛抱強く、待っていなさい。そうして君は出来るだけ極彩色の色を使って、まるで珠玉のように目立って朗らかなものを描くといい。そうすればきっと、すぐに知れるさ」





―それは灯篭のやうに、それは宝飾のやうに、それは金色のやうに、それはあえかな媚態のやうに。





*****


 とりあえず、描けるものから書いてゆこうと思い、前々から頭の片隅に留めていた遊郭パラレルをやってみようかな、と。しかし復帰早々コレはどうなんだ…と思いますけれども(笑)
 かなり長くなりそうなので、アホっぽいギャグやアホっぽい感想なんかが先に来るかもしれません…(汗)  

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