村上春樹「雑文集」

              

 村上春樹のエッセイ、序文、解説、あとがき、挨拶原稿などを寄せ集めた本です。まさに雑文集。この本の前書きも含めると70の文章が掲載されています。400ページなので平均5~6ページ程度ですが、安西水丸の娘さんの結婚式への祝電1ページからしっかりとした考察文20ページまで長短いろいろです。

 村上春樹のこの手のエッセイの面白さは鉄板でおそらく過去20年以上、楽しくなかった本などないと思います。ファンへの定期的なプレゼントのようなものです。今回も翻訳、人物、自伝的な内容までどれも惹き付けられるのですが、やっぱり最高なのは音楽ものです。

 オーディオ、ジャズ、ジム・モリスン、ビートルズ、ビーチボーイズ、ビリー・ホリデイなどなど。単なる面白さ、楽しさを超えた中味の詰まった珠玉の文章です。

 この音楽のパーツを読むだけでも至福の時間を過ごせます。村上ファンなら絶対の一冊です。




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