新交響楽団「第191回演奏会」


 今日は池袋の東京芸術劇場に新交響楽団の定期演奏会を聴きに行ってきました。大好きなアマチュアオーケストラです。
 曲目は「シベリウス 交響詩“ポヒョラの娘”」、「シベリウス ヴァイオリン協奏曲」、「ドヴォルザーク 交響曲第9番“新世界より”」、指揮は渡邉康雄氏です。

 「シベリウス 交響詩“ポヒョラの娘”」は初めて聴いた曲でもあり、特に印象には残りませんでした。

 あれっと思ったのは「シベリウス ヴァイオリン協奏曲」です。独奏者はウクライナ出身のアナスタシア・チェボタリョーワ。1994年のチャイコフスキーコンクールで最高位を得たんだそうです。
 実演では初めて聴きましたが、さっぱりとした若干早めのヴァイオリンです。この曲にはムターとチョン・キョンファの情感溢れる魂の叫びのような濃厚な演奏があります。この二人の演奏しか聴いたことがないので、このさっぱりとした演奏は意外でした。それと音がそんなに大きくなくか細い感じです。
 だからでしょうか、オーケストラが音を控えようとしているのか、なんかぎこちない絡みです。結局、最後まで不一致感は続きました。変な意味でこんな音楽だったっけと首を傾げながら聴いていました。

 休憩後のメインは「ドヴォルザーク 交響曲第9番“新世界より”」。たまにはメジャー曲を実演で聞きたいです。
 渡邉氏の指揮は若干早めの音楽運び。オーケストラは前曲の不一致感を引きずっているのか、珍しく金管が合わなかったり、音程が少し外れます。
 これまで新交響楽団の演奏は常にレベルが高く、弦の響きが艶、繊細さに欠けるのはアマチュア特有とはいえ機能的にはプロに近いとすら思っていたのですが、今回は初めてアマチュアオーケストラであることを意識しました。よく分かりませんが、指揮姿を見た印象では、常連の飯守氏や小泉氏と比較すると指揮者の統率が悪いような気がしました。

 アンコールは、ドヴォルザークのスラブ舞曲、7番でした(何番かは分からなかったのですが退場する時に知りました)。ようやく油がのってきて勢いのある音楽の途中・・・グラグラ、ミシミシ・・・地震です。私は3階席で聴いていたので余計に揺れたのかもしれません。結構怖かったです。前に掴まりながら、もしかしたら演奏を中止するかと思いましたが、舞台では演奏が続いています。下のほうの揺れはそれ程でもなかったのかもしれません。いずれにしても無事でよかったです。

 なんか辛口のコメントばかりになりましたが、水準の高い新交響楽団だからこその違和感について印象を述べさせていただきました。正直言って今回は満足したとまでは言えませんが、十分楽しめました。
 次回は来年1月、ショスタコーヴィッチの交響曲第8番だそうです。超重量級の音楽、響き、機能に自信がなければ決して取り上げることの出来ない曲です。大いに期待したいと思います。


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