「利庵」(白金台)

          

 珍しく白金で用事があり、有名な「利庵」で蕎麦をいただきました。

 蕎麦については、本店が荻窪にある「本むら庵」の六本木支店で開眼しました。15年以上前のことです。ビールを飲んで板わさや何かをつまんで、そして剣菱の升酒。ほろ酔い加減で、田舎そばと季節のせいろと2枚。休日の昼間に贅沢な時間を過ごせることを覚えました。蕎麦とは鼻に抜ける香りと食感、こんな旨いものがあったのかという驚きと感激です。絶対のうどん派がそば派に転向したものでした。

 本むら庵があまりにも快適だったので、あれがスタンダードになってしまい、他の多くの蕎麦屋ではもう満足できません。最大のネックは、店の狭さと混雑です。六本木の本むら庵は、4人掛けのテーブル席を一人で使える広さがありました(蕎麦好きの年配者があまりこないエリアだったのでちょうどよい混みようだったのだと思います)。「お好きな席にお座りください」、私のいい蕎麦屋の第一(あるいは絶対)条件はこれです。ここに座れ、相席で良いかは論外です。贅沢かもしれませんが、料理だけでなくリラックスした雰囲気を味わう蕎麦屋で相席は勘弁してもらいたいです。蕎麦、つまみ、酒はその次です。

 その後、本むら庵の六本木支店は閉店していまいました。また、立ち食いそば屋、大衆そば屋の水準が滅茶苦茶に上がって十分に満足できるので、量ちょっとで値段の高い所謂有名そば屋には行きたいとは思わなくなりました。

 前置きが長くなりましたが、利庵、狭いので混雑するそば屋です。一人だと相席で座る席を指定されます。ただ、味はとてもいいです。「天せいろう」(1900円)。食感、喉越しは申し分なく好きなタイプです。昼の混雑時を外すと2~4人で行けば相席ではなくテーブル席に座れるようです。


          


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