カラヤン指揮/ミラノ・スカラ座「ラ・トラヴィアータ」





 大好きなはずなのに愛聴盤がないと長らく思っていたヴェルディの椿姫ですがようやく満足できるディスクを見つけました(屋根裏部屋から探り出しました)。
 カラヤンのスカラ座での1964年12月22日のライブです。哀しみを深く湛えたメロディとパーティの躍動感にヴィオレッタの悲壮感溢れる美声。役者の揃っているクラシック界であればいくらでも候補はありそうですが何故か変なリズム、変な歌い回しばかりです。
 世評の高いクライバーの正規盤も音が緻密すぎて楽しめません。オペラなんだからワクワク感、ライブ感が欲しいです。その点、これまた海賊盤ですが、クライバーが1984年12月にフィレンツェ5月音楽祭管を振ったライブはいいです。

 ところでカラヤン盤にはおまけというか、主菜なのか、スカラ座で椿姫を20年以上封印させることになったフレーニが音を外して大ブーイングになったという12月15日の大事件の演奏の抜粋も入っていますが、どこが悪かったのか私には聴きとれません(そもそも肝心の箇所は入っていないのかも)。終演もすごい拍手で終わっています。どうしてフレーニは降板したのでしょうか。

 カラヤンはいずれの日も主役の3人を朗々と歌わせつつ、要所要所ではイタリア風ではないかもしれませんが音を爆発させて凄まじく盛り上げます。やはり何を振っても上手いです。

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「津軽こけし館」(黒石市)





 沢木耕太郎の「飛び立つ季節」という国内旅行エッセイを読んでいるのですが、第1作に比べて共感できる行き先が多いせいかすごく面白いです。
 いいアクセントになっているのが各エッセイの最後のページにある筆者撮影の写真です(電子版だけの特典らしい)。
 本を紙、電子書籍(kindle)どちらで読むかはその都度判断なのですが、これはkindleにしました。kindleでダウンロードしたものをiPhoneで読むこともできるのですが、iPhoneだと写真はカラーで見られます(なぜ初めからiPhoneでないかは逆はできないからです)。
 カラー写真付きだとイメージし易く印象が強くなっていいというのは作家からしてみれば素直に喜べることではなさそうですがエッセイだと事実なので仕方ありません。

 前置きが長くなりましたが、あるエッセイに旅のお土産はほとんど買わないのだが例外として16歳の東北初旅行で青森県黒石市に行った際、津軽こけし館で見た鳴子系のこけしがどうしても欲しくなり、買ってきて今も飾ってあると紹介されていました。

 私も同じで青森在住の3年間、津軽こけし館には確か4回行ったのですが、目当ては鳴子系の素朴で可愛らしいおかっぱ頭のこけしでした。ただ、こけしブームの影響か好きなタイプはほとんど追加されなかったです。宮城県の鳴子温泉が本場だそうです。それでも青森で購入した鳴子系以外も含めた12体は大事な記念のお土産というかお守りです。
 沢木耕太郎の写真のこけしは、私も一体持っている五十嵐勇かなぁと想像しました。


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