ローリングストーンズ「STILL LIFE」

          

 本、新聞、雑誌などで紹介されているモノにすぐに飛びつくほうでして・・・。

 村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を読んでいて、ローリングストーンズのサティスファクションの記述があり、そうだストーンズだとピンときました。
 私は音楽であればロック、ポップ、ジャズ、クラシック、Jポップ、演歌と何でも聴くのですが、大物の中ではローリング・ストーンズだけはどうしても良さが分からなくてパスしてきました。正確にいうと、1980年の「エモーショナル・レスキュー」だけは大好きでシングル、アルバムともにたまに聴いてきました。ただ、それ以外の有名曲はどうも魅力が分からなかった。

 それまで理解できなかった音楽を突然好きになるのは大体そうですが、従来聴いてきた音楽に飽きてしまって、空いてしまった心の音楽空間にピタッとそのサウンドが嵌る。
 今回は2週間近くどっぷり浸かったブルックナー9番で音楽の満腹感があり、当分いいなと思っていたところにストーンズのギターリフが心地よく響いた。そうなるとどうしてこれまで好きでなかったのか思い出せなくなります。

 早速HMV横浜に立ち寄り、「ベスト 1971~1993」と「STILL LIFE」(アメリカンコンサート1981)を買いました。

 どちらもよいのですがライブ盤の方が勢いがあっていいです。ベスト盤はミックとキースの選曲ということで渋い名曲もあるのですが有名曲が一部入っていません。この2枚を繰り返し聴くのがちょうどいいです。
 一番好きなのは「エモーショナル・レスキュー」であることは変わりませんが、ストーンズの良さがようやく分かってきました。これからどう進むか分かりませんがアルバムで名盤とされているのもあるでしょうからいろいろと聴いてみようと思います。




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村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」

          

 村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」、再読です。以前読んだ時はあまり面白くなかった感想でしたが今回はとても楽しく読み終えました。
 巻末に単行本としての刊行が2007年10月とあります。3年前の本とは思えません。もっとずっと前に読んだ印象があります。確か随分前から走りに関する本を出すことを書き物の中で予告していて、「走れ、歩くな」という仮題だったと思います。なかなか出版されずに忘れたころにようやく出て早速読んだ。どうしてその時は面白く感じなかったのかは覚えていません。




          

 村上春樹の走りに関するまとまった文章は、雑誌「ブルータス」の特集で初めて読みました。1999年6月号なので今から10年ちょっと前、ちょうど私もヘビースモーカーから脱却して、禁煙を習慣とするためにジョギングを始めた後でした。村上春樹も小説家を専業とするようになり生活習慣を変えるために33歳の頃に禁煙して走り出したという記述に自分がダブるようで共感を持って食い入るように特集の文章と写真を眺めたものでした。因みに、この村上春樹走る特集号は、その他のいくつかの特集号(焼肉、麺、宿など)と一緒に今でも大事に手元に残しています。

 その時の熱中時は結局、ハーフマラソン2回まで辿り着きました。1回目は厚木の米軍基地の中で開催された大会、2回目は福岡の海の中道海浜公園で開催された大会でした。ベストは2回目で2時間6分、フルマラソンの世界記録のちょうど倍のスピード(遅さ)です。
 大会は一緒に走る人が沢山いる、給水あり、声援ありで辛い反面、とにかく楽しかった。その後、日々のランに時間を取られるのが辛い時期に入り、徐々に運動から遠のいていきました。いつかはフルマラソン、ホノルルかゴールドコーストで走ることを夢見つつ・・・。

 あれから随分時間が経ちました。久しぶりの運動モードです。生活がシンプルになると生活の中で運動が習慣になり易いです。始めはスポーツジムで泳いだり、機械を使って走っていたのですが、マシン上で30~40分走っても汗はかくのですが終了後の爽快感(脳内がパンと抜ける感じ)がイマイチで少しずつ飽きてきました。やはり外を走るジョギングです。日吉は多摩川のような気持ちのいいリバーサイドのコースが近くになくて快適とはいい難いのですが信号を避けたそこそこの周回5kmコース(皇居一周と同じ)を設定して少しずつ走っています。やっぱり外を走る快感は最高、もう5kmでは満足できなくなりつつあり新たなコースを画策中です。


 この本はブルータスの特集での文章を再編集、一部始まりとして、2005年8月から過去を振り返ったり、先のレースに準備したりと走ること、マラソン・トライアスロンに参加すること、また走ることにまつわるエトセトラをいろいろと綴ったものです。走る喜びを共感できる人には堪らない一冊だと思います。アメリカの東海岸、ニューイングランドに住み、ボートが練習する河のほとりを走る生活なんて素敵です。これでは誰でも走りたくなるようで羨ましいです。
 小説は好き嫌いあるのですが、この手のエッセイは鉄板で面白いです。なんだかんだで村上春樹は一番好きな作家なんだと思います。





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