多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

店スタッフとの会話も楽しみのひとつ 築地はしご酒2019

2019年12月01日 | 居酒屋・銭湯紹介
恒例の築地はしご酒、今年で6回目だそうだが、わたくしの参加は4回目だ。このイベントに参加するメリットは、前にも書いたが、1000円でその店の雰囲気がわかることだ。
午後用事があり、わたくしが到着したのは受付開始1時間遅れの16時半ごろだった。この時間になると、並ぶ人の列は10人程度だったので落ち着いていた。
今年は、今まであまり行ったことのない北西ブロックの築地1-2丁目を目ざした。有楽町線新富町や区役所・築地警察、旧・電通本社の近くなのでサラリーマン向けの居酒屋が数多くある地域だ。

まず、旧・電通本社の南向かい、コンワビル地下にある「くずし割烹 天ぷら竹の庵 東銀座店」に行った。新富寿司、ステーキハウス、とんかつ屋、インドカリーの店があったので、いかにもサラリーマンのランチ地下街の様子だった。
食べログでみるとランチはサラリーマン向けだが、夜は6000-7000円と接待用の店の価格だった。500円メニューは海老天、穴子天、野菜天盛合せ、海鮮サラダなど、わたしは穴子天と田酒を注文した。酒はすぐ出たが料理がなかなかこない。右隣の家族連れはわたしより後の来店だったのに、2品も3品も届いている。どうなっているのかスタッフを促すと、しばらくして来た。左隣の方もわたくしより早く来たのに、穴子天が届かない。待つあいだ少しお話しした。茅ヶ崎の方で今回は3回目とのこと。どうしてそんなに遠方からと聞くと、以前なじみのすし屋が場外市場にあったからとのことだった。その方に「はしご酒」でお勧めの店を聞くと「生ハムとワインのお店 piglet」とのことだった。今度行ってみようと思う。こういう客同士の情報交換ができるのも、このイベントの魅力のひとつだ。

穴子天。後方に4種の塩つぼがみえる
天ぷらは、前に4丁目(場外市場)の人気天ぷら店「黒川」に並び食べたことがあるが、またひとつ違う仕上がりだった。少なくとも料理は、黒川よりボリュームがあった。専門店なので塩は「金目」「カレー」「山椒」、それに説明札のない粗塩の4種あった

2店目は「居酒屋 元帥」、ここも地下の店だった。料理は山形の芋煮、キクラゲ卵炒め、まぐろのかぶと煮の3種、「山形の芋煮」は有名だが、わたくしは食べたことがないので注文した。牛肉、里芋、ネギ、しめじを煮た汁ものだった。てっきり芋煮の芋はジャガイモだと思っていたが里芋、また豚でも鶏でもなく(ぜいたくにも)牛肉だった。米沢牛の関係もあるのか。また予想に反し、薄いミソ味で体が温まった。ママさんが山形出身とのことだった。おそらく本場の芋煮だったのだろう。

酒は千寿の舞の燗酒をいただいた。竹の庵の田酒は冷酒で、小さいグラスの下1/3くらいだったが、こちらは普通のとっくりだったので、ゆっくり味わえた。
この店はママさんの人柄のよさが印象に残った。機会があれば再訪したい。

最後に「すぽーつ居酒屋 おかだ」に寄った。店名から大型ディスプレイがデンと置かれている若者向けのカフェバーのような店かと思った。しかし食べログでみると、魚料理が名物のようなので行く気になった。たしかに大型ディスプレイはあるが、いまの時代では普通の家庭にあるものの少し大き目なもので、それほど気にはならなかった。たまたま大相撲中継をやっていたが、それものんびり感を強めたのかもしれない。
カウンター中心で30席程度だが、ずいぶん広い気がした。
500円料理はあん肝、鰹たたき、さんま蒲焼き、メンチカツ、クリームコロッケと種類が多い。元帥でけっこうお腹がいっぱいだったので、さんま蒲焼きにした。酒は醸し人九平次、名前は知っていたが蔵元が名古屋とは知らなかった。

すぽーつ居酒屋というだけあり、阪神の新聞記事、下柳選手のユニフォーム、元大関・把瑠都(ばると)の断髪式のポスター、国学院久我山の高校野球出場の新聞、そして久我山のラグビー・ジャージが飾られていた。聞くとマスターは久我山の元ウィングだったとのことだ。すごい! きっとワールドカップ中継のときはすごい客だったのだろう。わたくしにはプロレスラーのフィギュアに見えたが、棚に人形が40体ほど飾られていた。ファンには垂涎ものだろう。
このイベントは、だいたい3-4人連れグループが多い。今年は幼児連れのファミリーも2組見かけた。そういえば田中屋もファミリーが多かった。平和な時代だ。

翌日から使える「1DRINKサービス券」で1週間後、「立ち飲み といろ」に行った。昨年行った「熊ごろう」の1本南の細い路地にある。今年初参加の店だが、聞くと店そのものがオープンして半年くらいとのこと、以前は秋田料理のあるラーメン店で、オーナーは同じ方だそう。そのせいか、高清水、太平山、両関など秋田の酒40種ほどの書き文字ののれんが店内にあった。
はしご酒当日は客が多く、とてもスタッフと話しはできないが、普通の日はゆっくり話ができてよい。若いスタッフが3人でやっていた。マスターは元陸上自衛隊員、新潟出身で、入隊直後は神奈川県武山にいてその後練馬の駐屯地に3-4年いたそうだ。しかしもともと将来の希望は飲食店経営で、池尻大橋で和食の修行をしたそうだ。もう一人は関西の方で、京都の大学出身。京都駅からそれほど遠くない地域で推薦できる居酒屋まで教えてもらった。
2人とも日本酒が好きだそうで、いろいろ有名な蔵元や珍しい酒びんが並んでした。たとえば新潟の鶴齢やなつかしい広島の誠鏡があった。この夜は和歌山の「黒牛」を燗酒で頼んだ。海南でも酒をつくるとは知らなかった。料理は、揚げたてあつあつ厚揚げを注文、たしかに揚げたてで、鰹節とネギが山のようにかかっていた。
飲み物は日本酒だが、ちゃんとワインボトルに入ったチェイサーの水が丸1本ついてくる。酒飲みのことをわかっているいい店だ。しかもラベルはていねいにはがしてあった。

あつあつ厚揚げとチェイサーの水
八丈島の焼酎「情け嶋」があった。これもかつてときどき飲んだ酒でなつかしかった。つまみも追加することにした。300円のつまみが10品もあるのがうれしい。高菜とチャンジャを頼んだが、チャンジャというものがこんなに辛いとは知らず、追加で海苔チーズを頼んだ。
はしご酒の日は大入り満員で、ずいぶん疲れたそうだ。オープン半年だが徐々に固定客もついてきたそうだ。日本酒が好きなスタッフがやっているだけあり、自分たちが実際に飲んでうまいと思った酒を、季節により入れ替えて置いているそうだ。今後も長く築地周辺で営業してほしい店である。

だんだんこちらが慣れてきて回り方のコツがわかってきたからか、今年のはしご酒も楽しい一夜だった。やはり築地は地価が高いせいもあり、客単価5000円程度と料金が高くなってしまうので厳しい。そういうなかでこういうイベントを続けてもらえると、客にとってもありがたいことである。今年の参加店は54店、まだまだ行ってみたい店がある。
また「1DRINKサービス券」で通常の営業日に行き、店の方と親しく話せるのもアフターの「サービス」だと実感した。

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