Judas Kiss（1998）

しいていえばアラン・リックマン版マイアミバイスですか？アランはニューオリンズのよれよれ刑事役。軽いフィルム・ノワール調クライムムービー。主役はCarla Gugino（この人知りません・・）、詳しくは調べていませんがSKYTV用テレビ映画みたいです。映像もムービー品質ではありません。にもかかわらずこの豪華キャストはすごい。エマ・トンプソン、アラン・リックマン、グレッグ・ワイズ、サイモン・ベーカー、ギル・ベローズ（アリーMYラブのビリーね）その他傍役もどっかでみたような人々がいっぱい。

可愛い悪女のココ（Carla Gugino）はボーイフレンド（サイモン・ベーカー）とIT長者（グレッグ・ワイズ）を身代金目当てに誘拐します。ところが誘拐を目撃した女性をココが射殺したことから、物語は思わぬ方向へ・・・。ストーリー自体に新鮮味は無いですが、ストーリー進行や回想シーンの見せ方、ちょっとしたエピソードに達人の技を感じます。ニューオリンズらしいカラフルなカメラワークとジャージーな音楽、エスプリのきいたloveシーン、そしてどの配役も適役でラブリー。監督とシナリオライターは良い仕事しています。きちんと映画として公開したら、良い線行ったのでは？？

見どころの一つは英国人エマ・トンプソン、アラン・リックマンが南部アメリカ人を演じていることです。なんで？？と疑問が頭を駆け巡りますが、そこはありがたく名優２人のアクセントバトルを楽しみましょう。エマのアメリカンアクセントは強調しすぎ！で本当に笑えます。アランのアクセントはゆっくりと語尾をのばす、ものうげなサウザンアクセント。彼のソフトな声質との相乗効果で色気倍増だと思いませんか？。２人のキャラクタ設定も、タフで切れ者かつお茶目なFBIエージェントのエマと、仕事は出来そうだけど愛想が悪くて多分私生活ではだらしない万年刑事のアランという美味しいメニュー。話が面白くならないわけがありません。エマのローラーブレード姿や、くわえたばこ姿なぞ、貴重すぎてうろたえてしまいました。アランはぶち切れシーンでゴルフクラブを振り回して同僚を襲い、ピストルぶっぱなし、この凶暴さがたまりません・・・刑事物でシリーズにしてくれていたら、なんて決して叶わない想像をしてしまいます。