失われたものはすべて音の中に：チキンとプラム～あるバイオリン弾き、最後の夢～(2012)

コミカルで、人間くさくて、愚かで、ビター。「ペルセポリス」のマルジャン・サトラビ原作コミックの映画化、死を決意したバイオリン奏者の最後の8日間と彼の人生を巡る辛口のコメディ。 . . . 本文を読む

宇宙と裏庭を繋ぐ樹：ツリー・オブ・ライフ(2011)

厳しい父と慈愛に満ちた母、３人の息子の関係を長男の目を通して描くドラマ。家族とはなにか、人生とは何かを宇宙的視野から考える壮大かつ斬新な試み。 退屈で寝てしまった人、反対に「今まで見た映画でもベストに入る」という人まであまりに評価が分かれているので密かに期待して見に行った。 . . . 本文を読む

妖精嵐：The Tempest(2010)

「アクロス・ザ・ユニバース」のジュリー・テイモア監督が撮ったシェイクスピア劇だということ、もともとは男の魔術使いの主人公を女性にしてヘレン・ミレンが演じるということでひそかに大期待していったテンペスト。 . . . 本文を読む

99％の努力と1％のFワード:英国王のスピーチ(2011)

見た人の気分を明るくしてくれる、こんな時だからこそ見たい映画。私はソーシャル・ネットワークより断然こちらの方が好き。 . . . 本文を読む

ブラディ・セプテンバー：ザ・コーヴ(2009)

第82回アカデミー賞「ドキュメンタリー部門」を受賞した、和歌山県のイルカ漁を追うドキュメンタリー「ザ・コーヴ」。イルカ保護活動家、冒険家、特殊撮影のプロらが結集、５００万ドルという資金で機材を調達し、イルカ漁の実態を突き止め公表するまでがスリリングに展開するエンターテイメントとして非常に優れた第一級のドキュメンタリー。 . . . 本文を読む

私たちの血と肉を作るもの：イートリップ(2009）

フードディレクター野村友里による、食をめぐる様々なインタビューで構成されたドキュメンタリー。食べることとは生きること、人生は「食べる旅」であるというコンセプト。 . . . 本文を読む

想像力を纏う身体：ファッションが教えてくれること(2009)

『プラダを着た悪魔』の編集長のモデルとなった（と言われる）『ヴォーグ』の編集長アナ・ウィンターを中心に、２００７年の９月号発行を追ったドキュメンタリー。映画の内容と関係ないけど、この人がいつもつけているネックレスが気になって気になって・・・ . . . 本文を読む

下町ショコラはちょっぴり塩味：幸せはシャンソニア劇場から(2009)

パリの劇場を舞台にした、一口で食べてしまうのが惜しい可愛いショコラみたいな可愛くて愛しくてちょっぴりほろ苦い下町ドラマ。こういう映画を作らせたら、フランス人は凄いです。 . . . 本文を読む

希望という名のデッド・エンド：善き人のためのソナタ（2007)

地味でもなければ派手でもない、芸術的でもなければアクションも無い。しかし見終わった後確信できるのは、この映画は心に刺さった刺の様にいつまでも説明の出来ない痛みを私に与えるだろうという事。 . . . 本文を読む

音楽はいつもそばにいてくれる：路上のソリスト(2009)

心の病で社会に適応できずホームレスとして生きる、かつてチェロ演奏の天才と呼ばれた男と、彼のことを記事にし名声を得えたジャーナリストの実話に基づくドラマ。主人公がただひとつ信じるのが音楽。 . . . 本文を読む

内臓は暖かいうちに食え：ミーシャ ホロコーストと白い狼(2009)

第２次世界大戦中、べルギーに住むユダヤ系の少女が「東に連れて行かれた」両親を探して、ドイツ、ポーランド、ロシアと旅をする実話を基にした辛口のファンタジー。で、これ本当に実話ですか？！ . . . 本文を読む

筋肉馬鹿、涙の必殺技：レスラー(2009)

俺にはプロレスしかない！そのために失うものがあろうがなかろうが、すべて受け入れる。ミッキー・ローク捨て身の必殺技に涙。 . . . 本文を読む

老犬は無駄吠えしない：グラン・トリノ(2009)

西部劇なら、モン族が友好的なインディアン、イーストウッドがかつて早撃ちで有名だった老ガンマン。生きるか死ぬかの修羅場を経験してきた老ガンマンが、若者に伝える人生で最も大切なこと。 . . . 本文を読む

運命の４択：スラムドッグ＆ミリオネア(2009)

アカデミー賞８部門を受賞、世界を驚愕させたダニー・ボイル監督のドラマ。手に汗握るようなドラマと思わず涙するような純愛を、ムンバイという混沌と近代化の混在する都市を舞台に、２時間に詰め込んだダニー・ボイルの最高傑作。 . . . 本文を読む

電車を降りて月夜の寄り道。：ホルテンさんのはじめての冒険(2009)

キッチン・ストーリーの監督ベント・ハーマーによる、急ぐことなくゆっくりと流れる時間のなかで少しずつ起こるエピソードをつなぎ合わせた、すがすがしい春の月夜のお散歩みたいな映画。 . . . 本文を読む