ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

ラスプーチン(1996)

2006-01-24 20:27:05 | 映画:アラン・リックマン
Rasputin(1996)
HBO作成のTV用映画。ロシア王朝最後の時代、影でロマノフ家を動かしていた、といわれる怪僧ラスプーチン(アラン・リックマン)の物語を、ロマノフ家の長男アレクセイを軸にストーリー展開します。惨殺されたロマノフ家一族の遺骨が森で発掘された、というニュースは覚えていますが、映画はその場面から始まります。ロシアが共和制へと移り変わる激動の時代に生きた一人の男グレゴリー・ラスプーチンが、いかにしてロマノフ家の信頼を勝ち得たのか、どうして殺されなくてはならなかったのか、を史実を交えて構成された力作です。この映画は、TV映画として数多くの賞にノミネート、そして受賞しています。

アラン・リックマンはこのラスプーチン役で、エミーとゴールデン・グローブのTV映画主演賞を受賞。世界的に演技派、セクシー男優としての地位を確立しました。たしかにその演技は画面から飛び出そうな迫力。粗暴で野性的、エキセントリック、そして子供のように純粋な男を演じ、そのカリスマ的魅力に画面から目が離せません。歴史的人物であるラスプーチンを、決してよく言われている権力志向のいんちき坊主としてではなく、実際に奇跡を行うことの出来た可能性を否定せず、また聖者としての行いを自ら進んで選んだのではなく「神が私を選んだのだ」と運命を受け入れようと努力する、無垢な魂をもつ男として解釈しています。
アランの演技はまさに体当たり。神がかりか狐つきか?髪もひげもぼうぼうで、目だけがぎらぎらと光る恐ろしげな外見です。誘惑シーンもど迫力で、かなり具体的。(具体的の意味は見てから。)テーブルの上であんなこと、あのアラン・リックマンがこんなんあり?役者とは、自らをさらけ出す職業だな、とつくづく感じ入ります。

続けて3回みてしまったほど、このアラン・リックマンの演技はとんでもなく凄い。個人的にはシベリアで恍惚としてしまうシーンが好き。目がいっちゃってます。ロシア正教や宮殿ののきんきらきんのデザインやイコンは以前から好きでしたが、それがまたアランのゴシックな顔の作りと三白眼に合うのです。まだ見ていない方、心して見よ。「素敵な紳士」風アランのイメージを崩したくない人はやめとけ・・・

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アマゾンで買えるラスプーチンDVD。日本語版はVHSしかない。
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