ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

ジュエリーとアートの境界線:New Directions In Jewellry

2007-09-17 02:15:11 | アート:写真・イラストレーション他
芸術の秋。という訳で本日はジュエリーの最前線について、面白い本を買いましたのでご紹介いたします。イギリスのブラックドッグ・パブリッシングから出ているNew Directions In Jewellry。2004年のエディション。

この本は「ジュエリーの新しい方向性」について、いろいろな作家を紹介しています。まず、「ジュエリー」についての定義から考え直さないといけません。ジュエリーと言われるものは装身具の中でも金等の貴金属や貴石を使ったもので、それに対して貴金属を使っていない物は「コスチューム・ジュエリー」と呼ばれるのですが、ここでは「装身具」一般をジュエリーとカテゴライズしています。
しかし、どこまでが「装身具」なのか、何をもって装身具と呼ぶのか。人工的に「身を飾る」物全てがこの本では該当します。中には豚の心臓をぶら下げたブレスレット、鼻からキノコをはやした女性や、体よりでかいオブジェも登場。

最初に紹介するのは比較的判りやすい、野菜とリングのコラボを行っている、ベルギーのHilde De Decker。なすやトマトにブッ刺さったリングを彼女の畑で創作しています。オリジナルですね。オーガニックで可愛いです(爆)。

「トマトと金の指輪」(1999)

ナイロンの糸で繊細なオブジェを編み込む、Nora Fok。こんなネックレス、どお?奇麗ですね。

「計算機」(2002)

Lesley Vikの口かせ。なんでも昔、余分な事をしゃべらない様に夫が妻にはめさせたものを元にしているそうで。

「口かせ」(1998)
この辺の怖げな作品は、上の歯と下の歯が鎖で繋がっているマウスピースや、実際に体内や骨に埋め込むパーツ(レントゲン写真付き・・)等、見るだけで恐ろしそう。

恐系でもう一つ。英国のNorman Cherry。実際に体の組織を変形させて「装身具」とするという、入れ墨ともまた違うボディ・アート。体に傷をつけて、傷が盛り上がる性質を利用しているそうですが・・

「アンジオジェネティック・ボディ・アドーンメント」(2004)

単純明快なElizabeth Galtonの蘭シリーズ。しかしどうするんですかね、こんなでかいもの・・・歩けません。

「キング・ドラゴンの腰ピース」(2000)

という訳で、ジュエリーの新しい方向性ってこういう事ね、と判っていただけたでしょうか。アートとの境界線は、限りなく曖昧になっていますね。
次は2冊目のご紹介をいたします。こちらも目からウロコのアイデアや、痛そうなアート、笑える装身具満載です。

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