ファンタジーの主役は黒髪に限るって法律作ってよ：エラゴン 遺志を継ぐ者(2006)

Eragon (2006)

中世っぽいファンタジーで、豪華メンバーで、読んではいないけれどベストセラーの原作ファンタジーと聞けば見たい一本。しかし～。良くある魔法＆ドラゴンものファンタジー映画の域は超えていない、至って普通の作品。想像するに、複雑で長いストーリーを２時間に縮めて、ダイジェスト版にしてしまったのでしょうか？各キャラクターは生き生きと描かれるところまで深く紹介されておらず、ただの登場人物説明の様。この豪華キャストでああもったいない。

←勢揃い。右から２番目がマータグ（ジャレッド・ヘドランド）、こっちを主人公にしろ！

エルフやらなんやらファンタジーな帝国アラゲイシア。エルフのアーリア（シエンナ・ギロイー）が魔術師ダーザ（ロバート・カーライル）に奪われそうになったドラゴンの卵と運命的に巡り会ったエラゴン（エドワード・スペリーアス）。彼はそのドラゴン、スフィラのライダーになります。んでもって伝説のドラゴンライダーになった彼は、世界征服（おおげさか？）を企む邪悪なガルバトリックス王（ジョン・マルコヴィッチ）と対決するのだ。

←アーリア（シエンナ・ギロイー）とエラゴン（エドワード・スペリーアス）。雰囲気「砂の惑星」ですね？！

ドラゴンとうだうだしてるうちにエラゴン君の育ての親のおじさんは、ガルバトリックス王の魔術師ダーザの手下に殺されてしまいます。え～ん。未熟なエラゴンに稽古を付けるのが、飲んだくれ語り部ブロム（ジェレミー・アイアンズ）、もとドラゴンライダー。ほとんどスターウォーズの初期作そっくりではないですか？アイアンズはヨーダですか？エルフのアーリアはプリンセス・レイアですよ、彼女を助けにいくところまで同じです。てことはマータグはハンソロだし。てことは次回ではマータグとアーリアはくっつきますね？それともだれかがエラゴンの血縁だってことが判明する？

唯一素敵なのはブロム（ジェレミー・アイアンズ）でしょう。ただのいい人ではなく、複雑な過去を持つ元ドラゴンライダー。主人公のエラゴンに棒で稽古をつけたり、手下と剣で戦うシーン、かっこいいです・・・時間は短いですが、この剣さばきがこの映画中一番の見所でした。本人がアクションしているんですよね？とてもリアルでしかもプロフェッショナルな動き。ジェレミー・アイアンがあれをこなしているのだとしたら、彼は凄い。
もう一人、マータグ役のジャレッド・ヘドランド。こっちを主人公にしろ！と思ってしまったほど素敵かも。元々私は悪役スキーですから、こういういわくありげで陰のある役が気になります。ジャレッド・ヘドランド、「トロイ」のアキレスのいとこ役の人なんですね！覚えてますよ！主役のエラゴンを演じるエドワード・スペリーアスがなんかいかにも上流優等生顔なので余計こちらの何となく拗ねた感じのジャレッド・ヘドランドが気になるのでしょうか。

←魔術師ダーザ（ロバート・カーライル）、アジハド（ジャイモン・フンスー）、ブロム（ジェレミー・アイアンズ）。アジハドの娘が色気たっぷりで可愛かったんだけど写真見つからず。

むっちゃ期待していたロバート・カーライルの悪役魔術師ダーザが一番期待はずれかな～！もともと不気味君のカーライル、きっと不気味で恐ろしいに違いない！って思ってましたが、どうってことないな。おでこに穴開けられても冷静なところは良かったですが、もっときゃ～怖い！あの人怖い！って見た人に思われるくらい怖いと良かったのに（個人的希望）。アジハドのジャイモン・フンスーも、マルコヴィッチもなんだこんなけかよ！の扱いだし。次回ご期待、ってこと？

←ドラゴン、スフィラ。

主役級のドラゴン、スフィラ、CGの造形はとっても良く出来ています。ただ表情がぎこちない。とくにしゃべる時の口の辺りの動きです。もちろんドラゴンなんて実在していませんから、どんな表情なんだか分からないので作るしかないけど。ちゃんと筋肉の配置を考えて動きの計算してますか？感覚的にどうもナイトライダーの感情を持つ車K.I.T.T.の域を出ていないですね・・・・ネバーエンディングストーリーのファルコンのほうがよっぽどよかったなあ・・・CGと違ってあれはパペットですけど。