毛唐もすなるブログといふものを

日本男児もしてみむとてするなり

阪神電鉄

2005-10-11 17:41:14 | 社会
村上屋が今度は阪神電鉄株の買占めに走りました。例によって法(TOB規制)の抜け穴を突くという遣り口です。色んな事を言ってはいますが、ニッポン放送のときと同じく、結局は高値で売り抜ける積りなのは疑いないところです。「お宅の会社はその資産からしてもう少し株価は高くていいはずですよ」と言いながら突然やって来る。しかも正面玄関から来るのではなく、秘密トンネルを見つけて突然入ってくる。やってることはヤクザ(というより北朝鮮か?)と変わりません。

もっとも、日本の株価水準が低過ぎるのは事実であり、本格的に外資が入ってくるであろう来年4月以降に備えて日本企業が訓練を積む機会と考えれば、有益という側面もあるにはあります。郵政民営化は、こういうことを正面から肯定する時代の到来を告げるものですから。日本もこれからはこれまでのぬるま湯から否応なく野獣蠢く荒野へ出ていかねばならないわけです。小泉与党に3分の2を超える議席を与え、結果としてこれから4年間のフリーハンドを与えたことの帰結です。騙されたと今更言ってみてもこれを覆すのは容易なことではありません。

グローバル化といいますが、EUはアメリカ流のグローバル化を容易に認めようとはしません。アングロサクソン流のグローバル化を認めたなら、金融技術ついて圧倒的優位に立つアメリカが全てを収奪しかねないと意識されているからでしょう。フランスなどは明確にそういうことを言っています。シラクはフランスにとって重要な企業の乗っ取りには政府が介入できるという姿勢を崩していません。それは政府が正面から介入しないとそういう自体を防げないこということです。グローバル化を言うアメリカ自身も、実際は自国にとって重要な企業の乗っ取りを許さないのですが、政府が正面から介入しなくても済んでいるだけです。それを可能にしているのは世界一の軍事力、金融力、情報力、機軸通貨発行国等々によるもので、日本にはないものばかりです。

今にして思えば、小泉首相の就任はアメリカの本格的な日本乗っ取りの始まりだったのだったわけです。アメリカはメディアを使って世論を操作するのに長けた国です。ノウハウの蓄積も相当進んでいるはずです。そのノウハウが集中的に投入されたのが今回の選挙なのでしょう。選挙民は自分で選んでいる積りで実は選ばされているのです。現代は民主主義社会などというものではないのかもしれません。一部の連中がメディアを使って大衆世論を誘導して支配する社会。昔のむき出しの暴力による支配が巧妙なものに摩り替わっただけの社会。もっとも、国民は暴力革命によらずして投票を通じて革命をなし得るという点が決定的に異なっており、その分進歩した社会ではありますが。人間の進歩などというものはこの程度の亀の歩みなのかもしれませんし、それでいいのかもしれません。

それはそうと、今回の阪神電鉄買収劇で、いまひとつ疑問に思うのが、鉄道事業などという極めて公的色彩の強い事業(特許事業)の株式が投機の対象になっていいものかということです。こういう会社は自由に設立できる一般的会社とは相当異なる会社である以上、一般会社とは別異の規制があって然るべきとおもうのですが、どんなもんなんでしょうかね。

コメントを投稿