「バードストライク」は、野鳥が人工物等に衝突して死傷する問題を取り扱う際の用語。高速道路等での自動車との衝突、空港周辺での飛行機エンジンへの吸い込みあるいは建築物の窓ガラスへの衝突などが問題にされてきた。
近年、地球温暖化対策の一環として、自然エネルギーである風力発電施設の設置が進展することに伴い、風車の回転翼でのバードストライクも注目されるようになった。
初期の大規模ウインドファームとして設置された米国カリフォルニア州アルタモント峠では、設置場所が猛禽類の生息地と重なり多数のバードストライクが発生した。日本でも、猛禽類等の衝突死が報告されており、渡り鳥や猛禽類により頻繁に利用される環境と風力発電適地との関係の調査、アセスメント等の事前調査や事後モニタリングの必要性が叫ばれている。いずれのケースのバードストライクにおいても、防止策・緩和策の検討にあたっては、野鳥の繁殖・渡り・採餌等の行動や習性等に関する調査研究の充実が望まれる。