クロマグロ

2018-10-31 16:00:18 | 日記


 スズキ目サバ科に分類される大型の海水魚で重要な食用魚。学名は、Thunnus orientalis。日本近海など太平洋北部、大西洋暖海域など北半球に多く、南半球にはほとんどいない。分類上では大西洋産のタイセイヨウクロマグロと同種、または、亜種(タイヘイヨウクロマグロ)とする見解もある。寿命は20年以上にもなり、中には体重400キロを超えるくらいに成長するものもある。肉食魚でカツオやイワシ類、イカ類などをエサとする。
 食用になるマグロ類はクロマグロのほか、ミナミマグロ、キハダマグロなど7種あるが、クロマグロがもっとも北方にまで回遊し、もっとも大型になる。魚介類として流通する場合にはホンマグロの名称も用いられる。このほか地方名としては、シビ、クロシビなどがあり、また、特に幼魚を指す地方名としてメジマグロ、ヨコカワなどもある。一本釣り、曳縄(トローリング)、延縄、巻き網、定置網などで漁獲される。用途は刺身、寿司種、焼き魚など幅広く、日本での消費がほとんどを占めている。
 日本の輸入量が多くなったこともあり、近年は未成魚を中心に資源が衰退してきたため、日本は2010年より「中西部太平洋まぐろ類委員会」における国際合意に基づき漁獲制限を行うなど資源回復に取り組んできた。更に、2014年に国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストでクロマグロを絶滅危惧種?類としたこともあり、2015年からは30キロ未満の小型魚の漁獲量を、2002年から2004年までの年平均漁獲実績の半減とする措置を講じている。
 なお、飼育の難しさから完全養殖は不可能と考えられていたが、2002年、近畿大学が卵からの完全養殖に成功、2012年からは商業化が開始された。

ベントス

2018-10-31 15:57:58 | 日記
底生生物(水域の生物のうち、水底を這い回ったり、穴をあけたり、また、水底や壁面に付着するような生物)のこと。語源はギリシア語で「海底」という意味の言葉。
ベントスには、付着藻類、カイメン、フジツボ、貝類、ゴカイ、ヒトデなどのほか、ヒラメやハゼ類などの底生魚類を含む。食物連鎖では、消費者としての役割のほか、付着藻類は生産者として、ゴカイ類などは分解者としての役割を担う。最近では干潟などにおけるゴカイ類やアサリなどの二枚貝類のもつ水質浄化作用も注目されている。

地盤沈下

2018-10-31 15:56:21 | 日記
自然的・人為的な要因により、地表面が広い範囲にわたって徐々に沈んでいく現象。自然的要因とは地震による地殻変動などを指すが、環境保全上問題となるのは、地下水の大量揚水や鉱物資源の採取などによる人為的要因による地盤沈下である。また、トンネル工事や農地排水など、土木開発や農地開発が原因となることもある。
環境基本法(1993)による公害の定義では、「事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる...地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)...」とされている。
地盤沈下が起きると、いわゆる「海抜ゼロメ?トル地帯」が生じたり、地表面と河川等との高低差がなくなり、排水が悪くなることによる冠水や、また道路や建物などの建造物が物理的に歪みや破壊を受けるなどの障害が発生し、社会的に大きな被害が発生する。
沈下の防止対策としては、地下水の汲み上げの禁止(ビル用水法、工業用水法、地方条例などによる)のほか、使用後の水や天然ガス採取後の地下水を元の滞水層に戻す地下水人工涵養などがある。ひとたび生じた沈下を回復させることは困難で、堤防のかさ上げ、損傷個所の補修といった対症療法しかない。
現在では、各種の規制措置の効果が出て、沈下現象は全国的に沈静化してきている。しかし過去からの累積の沈下によるゼロメ?トル地域は、関東平野134km2、新潟平野208km2、濃尾平野374km2、大阪平野71km2、筑後・佐賀平野207km2となっている。