沙塵暴

2016-12-22 15:05:33 | 日記
中国で、特に強く風が吹き荒れ、視界が利かなくなる激しい黄砂現象のことを言う。中国語で、「沙塵」は砂と粉塵、「暴」はあらしを表す。近年には、平均で月1回の発生が観測されるなど、被害が甚大化しており、日本政府でも対策への支援を行っている。
なお、黄砂現象とは、中国の乾燥地帯(ゴビ砂漠など)や黄土高原などから、大量の微細な砂じんが風によって吹き上げられ、上空の偏西風に乗って遠距離を運ばれたのちに沈降し、あたり一面に黄色っぽい砂ぼこりを降り積もらせる現象のこと。季節風に乗って、数百・数千キロを超えて影響を及ぼす。日本国内にも毎年春先に、偏西風に乗って運ばれた黄砂が空や大地を黄色く染めている。

キラー海藻

2016-12-22 15:01:34 | 日記
海藻(緑藻)の仲間。イワヅタ類の一種であるイチイヅタの変異型。どんな基質にも生育でき、繁殖力が強く、また、毒性を持つのでこの海藻を食べる動物がいないため、他の海藻を駆逐しつつ急速に生育地を広げる。このため、海産生物の産卵・保育・生息の場である海藻を駆逐し、本来の海域生態系を破壊するので、「キラー海藻」とよばれている。
変異していない本来のイチイヅタは、沖縄以南から太平洋、カリブ海の熱帯・亜熱帯海域のサンゴ礁などに生育する海藻であったが、ヨーロッパの水族館などで飼育されている間に、低水温に耐性を持つとともに強力な繁殖力を持つ株(変異型)になって、水族館や熱帯魚販売店などを通じて広がり、やがて自然界に流失したものと考えられている。
地中海では1984年にわずか1平方mの変異型イチイヅタ群落が発見されたが、船の錨や漁船の網などに付着し分布を拡大したこともあって、2003年には13,000ha以上の分布域となったことが報告されており、北米、豪州でもその分布が確認されている。
日本においては、1992~93年に能登半島沿岸で一時的な繁茂が確認されたが、現在のところ、キラー海藻が定着しているとの報告はない。

レアアース

2016-12-22 15:00:27 | 日記
 「レアアース」とは、「希土類元素」の酸化物や塩化物のことで、元素の周期律表の第III族に属し、原子番号『21』のスカンジウム、『39』のイットリウム及び『57』ランタンから『71』ルテチウムまでのランタノイド15種を含む17種類の元素の総称である。発見当初(18世紀末)それまでの土類・鉱石に比べ希少であったので「希土類」と名づけられたといわれている。これらの元素は単体として分離することが難しく、混合物(ミッシュメタル)として利用されることが多く、全体を「レアメタル」の1種として分類している。
 世界全体での埋蔵は、中国やアメリカ、オーストラリア、ブラジル、インドなどに偏在しており、いわゆる貴金属ほど希少ではないが、採掘や精錬に伴なう放射性物質(トリウム)の扱いなど環境対策が重要であり、生産がコスト高になることから、中国の寡占化が進んだとされている。
 2010年9月、中国(埋蔵量は世界の約30%、生産量は90%超)が、輸出停止するという事態を受けて世界的に関心を呼んだ用語である。
 「レアアース」は、ネオジム磁石のような超強力磁性体がハイブリッドや電気自動車のモーターに使用され、セリウムやサマリウムのように自動車の排出ガス浄化用触媒として使用されるなどハイテク製品に欠かせない物となっている。