有害物質

2015-10-06 15:44:50 | 日記
単に有害物質というと極めて幅広い概念といえるが、大気汚染対策、水質汚濁対策など個々の分野ではそれぞれ厳密な定義を設けて施策を進めている。
大気汚染防止法(1968)では、「物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、フッ化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れがある物質で政令で定めるもの」(第2条第1項第三号、第3条第2項)とされ、政令では例示された物質のほか、カドミウム化合物、塩化水素、フッ素、フッ化ケイ素、鉛化合物、窒素酸化物が指定されている。
いずれも、工場・事業場に対して排出基準が設けられており、常時排出規制を受けている。なお、同法はこの有害物質の他に、継続的な摂取が健康を損なうおそれのある物質を「有害大気汚染物質」(第2条の第9項)と定義したうえで、対策推進につき規定している。
一方、水質汚濁防止法(1970)では「カドミウムその他の人の健康に被害を生ずるおそれのある物質で政令で定めるもの」を「有害物質」とし(第2条第2項一号、第7項)、政令で、カドミウム及びその化合物、水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物、PCB等の26項目の物質を指定している。

レアアース

2015-10-06 15:43:29 | 日記
 「レアアース」とは、「希土類元素」の酸化物や塩化物のことで、元素の周期律表の第III族に属し、原子番号『21』のスカンジウム、『39』のイットリウム及び『57』ランタンから『71』ルテチウムまでのランタノイド15種を含む17種類の元素の総称である。発見当初(18世紀末)それまでの土類・鉱石に比べ希少であったので「希土類」と名づけられたといわれている。これらの元素は単体として分離することが難しく、混合物(ミッシュメタル)として利用されることが多く、全体を「レアメタル」の1種として分類している。
 世界全体での埋蔵は、中国やアメリカ、オーストラリア、ブラジル、インドなどに偏在しており、いわゆる貴金属ほど希少ではないが、採掘や精錬に伴なう放射性物質(トリウム)の扱いなど環境対策が重要であり、生産がコスト高になることから、中国の寡占化が進んだとされている。
 2010年9月、中国(埋蔵量は世界の約30%、生産量は90%超)が、輸出停止するという事態を受けて世界的に関心を呼んだ用語である。
 「レアアース」は、ネオジム磁石のような超強力磁性体がハイブリッドや電気自動車のモーターに使用され、セリウムやサマリウムのように自動車の排出ガス浄化用触媒として使用されるなどハイテク製品に欠かせない物となっている。

藻類

2015-10-06 15:41:53 | 日記
主として水中で生活する酸素発生型の光合成を行う生物であって、高等植物(海草、水草等の維管束植物)以外の生物の総称。藍藻、紅藻、灰色藻、クリプト藻、渦鞭毛藻、黄金色藻、珪藻、褐藻、黄緑藻、ハプト藻、ラフィド藻、クロララクニオン藻、ミドリムシ藻、プラシノ藻、緑藻、車軸藻などの分類群(門あるいは綱)が含まれる。
陸上で生活する種子植物、シダ植物、コケ植物などに比べ、藻類の体の基本構造は比較的単純であるが、形態的、生理的、生態的には著しく変化に富む。水界生態系の中では、藻類は一次生産者として直接・間接的にほかの従属栄養生物の生活を支える重要な役割を担っている。一方で、一部の藻類は、湖や海で生活排水の流入などによる富栄養化が起こると、しばしば異常発生し、景観の悪化や異臭の発生、魚類等の死滅などの問題を引き起こすことがある。
富栄養化によって異常増殖するのは、アオコでは植物プランクトン(藍藻類)のミクロキスティス、オシラトリア、アナベナなど、赤潮では植物プランクトンのウログレナ(黄色鞭毛藻類)やペリディニウム(渦鞭毛藻類)など。これらの中には有毒物質を生産するものがあり、例えばミクロキスティスは肝臓に害を及ぼすミクロキスチンという毒をつくり、アオコの発生した水を飲んだ家畜などに被害がでている。