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す ず な り

なかなか辿りつけない辺鄙なブログへようこそ... メールはIDのplinkに続けて@willcom.comです

遅いにゃあ

2009-11-21 11:27:23 | ねこのおと
いつもの小川沿いの道で、向うから雉猫が小さく鳴きながら小走りして来ました。近くなると足も尻尾もせいぜい伸ばして前をゆっくり横切りました。そう、触ってほしい。私は手を汚したくないのです。きれいな猫だけど念のために。顔を近づけるとやはりびくびくしているので、今日は触りました。たいていのものには触れなくても済む小指を鼻の先へ。本当は両手全体で撫でてやりたいのです。急がないと次のぎりぎり電車になってしまう。きのうはもうひとつ早い電車で行ったのですが、今日はなかなか来ないなと猫が近くまで来てくれたみたいです。またあしたね。これから寒くなるから猫もあまり外に出なくなるかもしれないなと思っていたところ。駅に向かう自分の顔がにこにこしているのに気づきました。

以上を書いて2日後、いつになく遅く出たら、猫はかなり近くまで来ていました。いつものようにややおびえた鳴き方。手を伸ばすとびくびくしています。それなのに触ってほしくて、構われたいのです。猫に待ち伏せされるってなんとなくしあわせ。

猫はちょっとずつ親しくなっていく

2009-11-12 23:35:18 | ねこのおと
昨日の朝の通勤の道に、先日の雉猫がまたいました。視界に入るなりにゃー!と耳まで裂けそうな口して呼びかけ。覗き込んだら今回はためらいもなく顔を近づけてきました。しかし鼻が接触しないぎりぎりまで接近すると当たり前というふうにすっと引込みました。猫は親密になるのにも段階を順に踏んで慎重です。その程度は猫にもよるようですが。次回は鼻の先がひんやり感じる程度に親密になれるかも。

気持ちはさりげなく私だけに

2009-09-18 12:46:42 | ねこのおと
小川沿いの細い道に珍しく猫が出ていました。

「あら~クロちゃん久しぶりね」

名前は知らないけど勝手にクロちゃん。かなり前に声をかけたことをおそらく憶えてくれているとは思いましたが。

手を出すと指先をくんくん嗅ぎました。やっぱり私は怪しいか。返事もせず、ただこっちを見る程度。

そうするうちにクロちゃんは上体を起こしました。向こうから通行人ふたり。投げ出した脚を落着いて引込めて立ち上がると無表情のままおうちへ帰っていきました。屈んだ私の腰に横腹で好意の体重を預けながら。

猫はうまれながらにキザなのです。

窓ガラス越しの声をおもって

2009-07-09 08:29:13 | ねこのおと
職場の近くの駐車場には小さな事務所があり、昔風の木枠の小さい窓口から料金や領収証などのやりとりができるようになっています。そこによく猫が寝ているのが見えていました。大抵は縞模様の背中をこっちに向けて。

ある日猫がこっちむきで起きていたのでガラス越しに呼んだり手を動かしたりしていると事務員のおばさんが小さい窓を開けてくれました。

私がただ手を差し出しただけに見えても猫は耳や後頭部を預けてきます。「あらいいわね~。」普段はそんなふうには甘えないんでしょう。「猫を飼ってるんですか」と聞かれました。今は飼ってないんです。

申し訳なくも、私に気づいて窓を開けてくれたのが3回くらい。猫の甘噛みは気安くなった証拠。でもたいていはガラス越しに見合うだけでした。

はじめのうち猫は返事もせず見るだけ、しかし撫でた後は返事をくれました。窓ガラス越しなので声は聴こえず。その次に通りかかった時は私の声なしで口の動きだけの呼びかけに対して口を動かしていました。何度も繰返すうちにかすかに「にゃーあ」と。猫は私の声がガラスに遮られて聴こえないんだと思ったようです。普通猫はだいたい同じ大きさの同じ長さで返事しますから。

その後、見かけません。ずうーっと、あの窓口にいません。まだ若いと思うけど。普段奥にいて窓のところにはあんまり出てこないとはよく見かけていた頃に聞いていたのですが。

アピールはさりげなく

2008-09-13 17:54:43 | ねこのおと
昔家で飼っていた猫のしろにゃーは家の中には上げていませんでした。ごはん皿のある場所は一応屋根の下の鍵のかかる場所ではありますが、土間に。ここでは洗濯などの用がない限りは人が来ないのです。

よくしろにゃーは獲物を自分で捕ってきて食べていたようですが、その功績を見せる機会がなかなかありません。だからせめて証拠をごはん皿に置いていました。

鼠の頭。お皿で食べたのでしょうか。もしそうだったらかなりお行儀がいい。そしてある時は小鳥の羽2、3枚。しかし小鳥をお皿で食べるとなると羽がかなり散らかるはずです。なのに2、3枚。証拠として非常にさりげない枚数、しかも散らかさない。美しいやり方でした。

商店街の猫

2007-12-22 21:37:25 | ねこのおと
見ただけで微笑みたくなる雑種体型のシャム猫を長らく見かけないので八百屋さんに聞いてみると、死んでしまったのだとのこと。18年生きたから老衰だろうと。私はそのお店で何度か猫に遊んでもらう口実にお花やみかんを買いました。

ひったくり事件後は怖くて長らくその道を歩けず、その後はお店の開いている時に通りかかることが少なくて、やっと前を通ってもずっと猫はいませんでした。

猫があの世へ行ったのを知った後も八百屋さんの前を通る時は癖が抜けなくて目は猫を探してしまいます。

最近はその道を歩いていて時々行く手を黒猫に横切られて喜んでいます。

新聞を読むなら

2007-04-29 11:00:40 | ねこのおと
邪魔をするのが猫の愛情表現のひとつですから飼い主はいかに邪魔されて困っているかを嬉しそうに話すものです。

猫の邪魔の定番といえば、広げた新聞の一番目の行きやすい所にのることです。いまどきはパソコンのキーボード上が多くなってきているようですが。自分に構ってほしい。だけど猫はあからさまな表現を嫌い、さりげなさを大切にする生きものですから、「ねえ私を見て、構ってよ」と新聞の上で人と向き合うことはありません。偶然その場所が気に入ったから。そんなふりでほとんどの場合横向きです。撫でてもらえたら思い通りですが、待ってましたという顔はせず、「ん?相手しろって?しょうがないなあ。ま、構ってやるか」という態度。嬉しさを隠しきれない猫も多いけれど。

しかし新聞をさっさと読みたい場合は困ります。そこでうまいやり方を思いついた人がいました。新聞を広げる前に、近くで週刊誌でも広げておき、猫がその上を陣取ったところで新聞を広げるのです。猫は「ほかでもないここが偶然気に入った場所なんだ」という態度で座り込むのだから、そう簡単に移動するわけにはいきません。人間は安心して新聞が読めます。

朝の台所

2007-03-12 22:52:55 | ねこのおと
私が子供の頃、母が冬に和服をよく着ていた時期がありました。朝母が台所に立つと仔猫が爪をたてて着物をよじ登り、肩に載るのがいつものことでした。そんな身軽なことができるのはまだ若い内だけ。特に小さい猫は襟から冷え切った手をつっこんで温めるのです。@#※&!!(悲鳴)。ちょっとばかり大きくなるとそういうことはしないのだそうです。母が言うには、猫はそういう気遣いができるようになると。

当時猫の不妊手術の後に今のようなカラーは無く、病院から帰った猫は四角いさらしを四つの穴から手足を出してお腹に当て、端を背中側で三個所ほど紐で結んで留めていました。台所の母の肩に載るにはもう大きいので横に並んでおすわりするのですが、その様子を後ろから見ると割烹着のお揃いで並んでいるように見えておかしかったです。

自分の声を楽しむ

2007-02-25 09:38:56 | ねこのおと
猫が高い場所から飛び降りて着地した拍子に声が出ることがあります。これが猫にとって面白いらしく、飛び降りる度に声を出すようになるのが普通のようです。あるいは、この声を楽しむために飛び降りる方の順路を選びます。
ん」
最初の「う」が大きく、「ん」が小さいです。確実に声が出るように、飛び降りながら鳴き始めるやり方もそのうち覚えます。
「にゃーーーん」
着地の瞬間の「お」だけが大きい声です。しかし用もないのに声を出すところを人間に聴かれると恥ずかしいらしく、誰かに聴かれていると、照れ隠しに「にゃん」か「ごろにゃん」をつけ加えます。
んにゃん」
んごろにゃん」
あるいは
「にゃーーーーんごろにゃん」
など。
誰にも聴かれていないと思ったらつけ加えません。

音を立てて楽しむ

2007-02-25 09:24:32 | ねこのおと
猫は足音のしない様子の例えにも使われるけれど、安心できる環境ではよく積極的に音をたてて楽しみます。

猫の首に鈴をつけると、音が鳴るように走ったりいつも以上に首の辺りを蹴ったりします。しかし鳴らしたくない時は鳴らさないので、鼠獲りのうまい猫は鈴をつけたままちゃんと鼠を獲ります。

ある猫は若い間、廊下を軽快な音で走っていました。ぱっぱらぱっぱらぱっぱらぱっぱら…………。もうちょっと年を取ると床に爪が当たる音を楽しんで歩いていました。普段はそうでも気付かれたくない時は音をたてません。私がテーブルについている時に、何も音はしないままテーブルの向こうの端から尻尾だけがのぞいてリズミカルな動きで移動していくのがよく見えたものです。

玄関から、すり寄って今日の楽しかったことと今の嬉しさを報告するべき誰かがいる台所へ、「ただいま」を言い続けながら小走り。その足取りは全身を上下させます。動かないままなら「にゃーーーーーーーーー」となるところですが、揺れて「にゃんあんあんあんあんあん」。
猫にとってもこれは楽しいようです。時にはこの声を楽しむためのあの足取りなのではないかとも思えました。

猫のタイプと鳴き方

2007-02-20 00:01:58 | ねこのおと
「動物のお医者さん」という漫画に、三毛猫は大阪弁で鳴くと書かれていたように記憶しています。もしかしたらそれに出てくるミケがたまたま大阪弁に設定されていただけで一般論ではなかったのかもしれません。記憶が曖昧です。

我が家で飼っていた猫で、やはり三毛はそれなりな特徴がありました。

まず、発声はべったりした感じ。そして独特のこぶしのような抑揚と強弱のアクセントがありました。
「にゃあおーーーーーーおっ」
音量は最初の「にゃ」と最後の「お」がやや大きく、ピッチは「にゃ」だけが高かったです。三毛でも最後の「おっ」をいうのといわないのがいました。私の知っている限りでは抑揚がないとしてもだいたいべったりした声が三毛猫に多いようですが、昔どこかですんなりした発声の三毛に出会ったような気がします。

特徴の際立ったのでは、澄んだ高音でか細く切れぎれに「にゃ、ほ」と鳴く、黒と茶のまだらの猫がいました。島倉千代子風。少し長めに鳴く場合は「にゃ、は、ほ」。この柄に特有というよりある程度は肺活量の乏しさによると思われます。道で見かけた似た柄の違う猫は切れぎれではありませんでしたから。

「にゃ、ほ」と鳴くのは臆病でしたが、同じきょうだいには極端にのんびりした性格の真っ白なのもいて、「あーおー」と鳴きました。猫はだいたい呼びかけの長さに応じた長さの返事をするようですが、しろにゃーは結構いい加減。
「しろにゃー」←これが本名
「あーおー」
「しーろ」
「あーおぉ」
「しろ」
「あおぉ」
しろにゃーはある時期鼠を獲り始めたのですが、それと同時にだらーっとした姿勢はしゃきっと変わり、身だしなみが良くなり、「にゃー」と鳴くようになりました。

年を取ると「あーおん」というようになるおじさん猫がいますが、ものぐさになると発声が口を開けて舌が口蓋から離れた後になる傾向があるのでしょうか。それとも普段舌を口蓋に着けていない?ある種のシャム猫のようにもともと「あー」としか鳴かないのもいるようですが。

しろにゃーはかなり老け込んだ頃に若くて可愛いボーイフレンドが通ってくるようになり、若返って長生きしました。見習いたいものです。

それぞれの、いつもの

2007-02-12 10:57:18 | ねこのおと
普段飼い主とどういうことをしているか、していたか、わかることがあります。

可愛い猫が急にこちらを上目づかいに睨みながら向かってきたことがありました。顔が怖かったです。危なくなさそうなのでじっとしていると猫はその額を私の額に押し付けました。額と額を合わせる、愛情表現だったのです。これと同じことを後によその赤ちゃんからされました。やはり最初は少々怖かったです。

ある時期務めていた職場の関連の事務所に猫が居ついていました。机の上にいたその猫は人間で言えばけっこうおじさんですが長毛で目が丸い可愛いタイプ。急に私の胸に手をかけたと思ったら立ち上がり、私の片方の肩に両手をのせ、私が手を添えるだけでだっこになる姿勢になりました。

そんなふうに可愛がられたんだなあと思うとほっとします。人間を信用できればたとえ道に迷っても生きていくのはそうでない場合よりはるかに楽です。

猫と人間の隔たり

2007-02-12 10:51:07 | ねこのおと
職場付近の道を歩きながら、目はいつも探していました。あれからずいぶん経つけどあの猫を見かけないなあと思いながら。するとむこうを横切る影。有料駐車場に入ったのはもしかしたら。近づいて覗き込んでみると、いました。やはりあの三毛です。

おいでと言ってもまだ二度目に会ったばかり、しかも警戒心は強いタイプ。目を細めて囁いてみると、猫は少々応えてその場で体を捻って後頭部と背中を見せました。手の届く場所であっち向き。猫特有のポーズで建前としては「あんたにゃー興味ないよ」、本音は「撫でて欲しい」。でも、それは猫感覚でいう手の届く場所で、人間には無理な障害物や境界に阻まれるのは非常によくあることです。

植込みのこちら側でうずうずしていると、「おや、なんで撫でてくれないの?帰った?」と頭を戻し、友好的に細めた目をこちらに向けました。「なんだ、いるじゃない。早くしなさいよ」とまたあっち向きに。

私が駐車場に入るわけにもいかないのを猫がわかってくれるはずもありません。そうして私は職場へ帰っていきました。次回に期待。

猫の照れ隠しと笑い

2007-01-29 20:02:07 | ねこのおと
猫が笑うのを見たことがあります。声は出さず顔が、そしてそれ以上に体の動きが、笑っていました。よくある照れ隠しの踊りと同じように、見た当時はそんなに特別なものとは感じませんでした。照れ隠しと笑いは繋がっていて境界が曖昧なのです。

いたずらをしてまだ気付かれていないという状況だったのだろうと当時思ったのですが、どんないたずらなのかわかりませんでした。ただうしろめたいことをしたのか、いたずらしようとしたけど私が来たからきまりわるかったのか。おそらくそのどちらかでしょう。

当時猫がよくやっていたいたずらは、誰かが眠っていると音を立てずに走って来て思い切りその人に向かってジャンプすることでした。私は何度か胸にのられました。末の妹は顔に。猫は人がびっくりして慌てる様子を楽しむのです。ある日もう一人の妹が壁にもたれて眠っていると、猫が足音をひそめて走って来て、力いっぱい高く跳んで膝へ。しかし妹は何事もなかったように眠り続けました。失敗。格好悪いところを私が見ていました。猫はいかにも楽しそうに頭の向きを変えたり足を奇妙に動かしたりの猫六方で部屋を出て行きました。