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plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

契約切れ寸前で通話不能に

2007年01月07日 | ニューヨークあれこれ
昨日起床した途端に、厄介なことを知った。寝ぼけ眼で携帯電話を手にすると、見慣れた待ち受け画面の8割方を覆った白い四角形の中に、信じられない英文が。

"Insert sim." 「SIM カード(GSM方式携帯電話用のICチップ)を御入れ下さい。」・・・・・・あの、それが入ってるから今まで電話できたんですが?

どうやら一晩中、指一本触れずにいた携帯電話のチップが翌朝いきなりお亡くなりになったらしい。
携帯電話だって精密機械なのだから、落としたり、水浸しにしたら壊れた、というなら納得もするけど、何時間も1ミリたりとも動かさないでいて、なんでいきなり?

ちなみにこの携帯電話の2年契約があと3週間で切れる。まさかそれを見越しての時限爆弾的故障か?
とにかく、つい最近固定電話を解約したので、これが無いと電話できない。ありえなさすぎる。自分の留守番メッセージを他人の電話機からチェックするなんて、日本滞在中、ぢゃぁないんだから・・・。

速攻で電話会社に電話したら、この状態ではチップを新たに購入するしかないとのこと。当然その時いっそ電話機を変えようかと考える。確かに新品チップの値段に5ドル上乗せしただけで変えられる機種はあったが、なんだかアップグレードでなくてダウングレードってことになりそうでやめた。それに来月契約が切れた途端に他の会社に移れば、最新機種をタダで貰えるし。(正確にはタダぢゃないけど)

実際不便だったけれど、実は「不便に思えた」というべきだったかも。生きるか死ぬかを、直接は左右しない類いの便利さは、それなしでも生きて行けると分かっていても、いざ無くなると途方に暮れる。普段の生活の盲点を突かれたというか、忘れていた基本事項の一つを思い出した気がした。

ジャパナメリカ

2006年12月28日 | ニューヨークあれこれ
去年の春頃、僕の演奏を聴きに来てくれたことがきっかけでRoland Kelts, ローランド・ケルツさんと知り合った。アメリカでは作家であり編集者であり、また同時に東京大学の非常勤講師でもある。その彼が先月、"JAPANAMERICA: How Japanese pop culture has invaded the U.S."という本を上梓した。

最近アメリカでブームになっている日本産の漫画とアニメとゲームが題材。とはいっても幾つもの作品を事細かく紹介したガイドブックではない。主にアニメに関わる様々な人へのインタビューを軸にしての、業界のこれまでの軌跡と今後についての洞察が書かれている。そしてアメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、幼少の頃から現在まで両国を頻繁に行き来してきたケルツさんならではの経験が大きく反映されている。

アメリカでは、つい最近まで国産の漫画とアニメとゲームが子供向けというコンセプトに捕われすぎたため、思春期以降の世代には見向きもされなかった。そのため時代的には後発だが、大人向けにも成りうる幾つかの日本産漫画とアニメが若者を中心としたアメリカ人にウケた。かつて自動車や電化製品で日本製品がアメリカを席巻した時と同じような調子で、これからは日本産漫画とアニメがバッシングを受けていく可能性がある。ケルツさんによればもう一部でバッシングは始まっているそうだ。

一方日本では、知的財産を取り巻く環境が先進国の中では劣悪なようだ。例えば世界一ヒットしたアーケードゲームとして、ギネスブックに掲載されているパックマン。25年前に開発したのは当時24歳だった一人のナムコ社員なのだが、世界中の殆どの人に知られていない。また全般的に日本の知的財産の価値があまりにも安く見積もられたため、次世代を惹き付けて育成する資本が枯渇しているそうだ。これは多くの日本人が持っている協調性が度を越して「個」を抑えつけ過ぎた結果なのだろうか?

「ジャパナメリカ」には秋葉原でアニメーター志望の少年にインタビューした件などで、メイドカフェやフィギュアショップなど旬(?)のアキバスポットがしばしば登場する。だからアキバ、と聞いただけで拒絶反応を起こす人には手に取りづらいかもしれない。しかしその拒絶反応さえなければ、1990年代以降のアニメについて何も知らない人でも楽しめる内容になっている。簡潔な英語で書かれているし、コムヅカしい単語やフレーズが少ないから、ネイティブスピーカーでなくても読みやすい。大雑把に言えば比較文化論なのだろうけれど、肩肘張らずに楽しめます。日本のアマゾンのサイトでも購入できるようなので、興味のある方は是非一度手に取ってみて下さい。

これってタンデム自転車?

2006年09月27日 | ニューヨークあれこれ
仕事帰りにふと見た道端に上の画像にある自転車が。画質が悪いのでわかりづらいかもしれないけれど、普通の自転車のサドルの下からもう一つのパイプが伸び、前輪が無いもう一つの小さい自転車がくっ付いている。さらにメインの座席の前方にはチャイルドシートが付いている。後ろの小さい自転車は子供用だろうけど、なんだかとても運転しづらそう・・・。

タイムズスクエアの看板

2006年08月04日 | ニューヨークあれこれ
先日タイムズスクエアを歩いていたら、大勢の人が斜め上に携帯カメラを向けていた。何があるのかと思ってみたら上の画像のとおりの看板があった。

内容は自分の旦那の浮気を発見した奥さんの三行半というところだ。公共の場に大きく晒されているのでさすがにFワードは無いけど、極めてストレートでキツい表現はここニューヨークだと現実味が出る。自分でもバリバリ働いて稼いで自己主張の強いニューヨークの女性だったら、とてつもない広告費を払ってででも浮気した旦那に復讐するかもしれない、なんて。しかもこの広告で登場するエミリーという女性が書いたらしいブログがあり、彼女の旦那の浮気現場を押さえたビデオがyoutube.comにアップされたらしい。

確かにこんなことをやろうと思えばできるくらいのお金持ちは掃いて捨てるほどこの街にはいるが、実際はこれ、マーケティング会社がケーブルテレビの新番組用に仕掛けたもの。現に間もなくこの看板上に、番組宣伝が書かれた細長いシールのような広告が斜めに貼付けられていた。

後から検索したら、この看板はニューヨークだけでも数カ所、他にもシカゴやLAにも出現していたらしい。この看板のことを書いたブログやビデオ、画像ページの数は相当なものに。これが広告代理店の期待していた"buzz"、日本語でいうところの「口コミ」だ。ただ実際にどれだけの人がこの番組を見るかは不明。こういう裁判ものの番組は地上波局でしつこいくらいやっていることもあり、いい加減に飽きられていると思う。それに偽装のブログやビデオも、ただ反感を買うだけじゃないかなぁ。

やっと停電が直って、いない!

2006年07月22日 | ニューヨークあれこれ
今週の月曜日までの3日間は、稀にみる熱気で35℃を超える日々だった。その最終日の夜、我が家の小型エアコンが突然、ひ弱な音を出し始めた。何しろ中古で買ってから今年で満10年のエアコンだから、ここは当然とうとう寿命かなと思うわけです。

ところが実際はそうでなく、なんと我が家周辺の電気が虫の息!
かろうじて冷蔵庫は動いている、ん、どうもトイレの灯りがいつもより暗いなぁ、あ!電子レンジのデジタル時計が消えてるよ!うあ、ケーブルのモデムが落ちた!うう、でもそろそろギグに行かなきゃ・・・なんて具合で出勤。

ギグの後の帰路、「あぁ我が家は今頃サウナ風呂かよ・・・。」なんて思ってげんなりして帰宅したら本当に運良く熱気が過ぎ去り、とりあえず首筋に汗をかく程度で寝られることに。

しかしこれがまだ続いているもんだからたまらない。今日はもう金曜日。道路の信号は黄色がチカチカしたまま、まともに機能していない。我が家なんてまだ良い方で、同じクィーンズのアストリアという地区の一部では数日間全く電気が来なかったそうだ。ネットもメールも2日間くらい控えました。

これが、予期せぬ自体で起こったなら納得出来る。世の中電気もガスも水道も無い所がまだまだ沢山あるのだし。

でもここは世界で10番目に物価の高いニューヨーク、世界でも有数の機能を謳っているニューヨークだ。庶民はそれなりの対価を払って必死に暮らしているのである。それにいくら熱気が来たって言っても、この程度の暑さはまるで異常ではない。ニューヨークの夏としては当然なのだ。

しかも巷のニュースが正しければ、今年の春先から独占電力会社、コン・エディソンに改めて行政指導が発せられていたと言う。それでこの体たらく、呆れかえるしかない。電気代返してもらったって埒があかないほどの経済的損害があらゆるところで発生した。

冷凍していた食材を全部処分した飲食店、スーパーマーケット、超不安定な電流で精密機械を見事オシャカにした会社などが一体幾らあるだろう。どうせ誰も補償なんてしないだろう。ここのイカレた地下鉄と同レベルである。電車や電気を管理するのはキツい仕事だろう。でも誰もタダで働いているのでは無い!スト権もあり、ちゃんと年々給料はアップしているはずである。貰った給料分はしっかり仕事してほしい。

コン・エディソンってトーマス・エディソンに因んで名付けたのだろうが、あの世のエディソンはどう思ってるだろう。

今回怒りまくった庶民がメディアのカメラの前で最も頻繁に使った単語はembarrassingという単語でした。

そして日本の各地には洪水の被害がまだ残っている。それを一刻も早くなんとかして欲しい。

画面で叫ぶ、ポスターの前で唸る

2006年07月01日 | ニューヨークあれこれ
今日メールを開くと、毎週月曜日のギグを一緒にやっているバンド仲間、Jから全て大文字で書かれたメールが届いていてちょっとビックリした。

昨日メールでとあることを質問しておいたのだが、何か気に触ることでも書いたかと思わず彼に電話してしまった。もっともJは普段からインターネットに興味が無くメールも面倒だと言っているから、多分メールや書き込みでの大文字が "shout"、大声で言っていることを表すってことを知らないだろうなとは予想していたが、果たして想定そのものだった。
「タイプ中にcapital lockを押したままだったとか?」なんていう問いには、苦笑いとともに「いや、ただ大文字の方が見易いからさ。」という返事が。なんだかホッとしたというか、心配して損した、ていうか・・・。

このように小文字が読みづらいという自国民がいるアメリカだが、その一方で非常に凝っていて一体どのアルファベットだかさっぱりわからない、という文字をたまに街中で見かける。

今日も自宅付近でハリウッドではない映画のポスターが貼ってあり、一番大きい文字の10個中4個しか判別できなかった。wやpがあったから、アルファベットだったはず。

全体がセピア色をしたそのポスターに写っている俳優は中東系というか、西洋というか・・・。スラブ系の言葉か、それともギリシャ?どれだか知らないけどこれで一般への宣伝になるのか?
それともここで引っ張ってネットでホームページを探させ、その後は気になってしょうがなくなって、気が付いたら映画館でその映画のチケット売り場に来ていた、てのが狙いか?

道端に置かれたモノ

2006年05月21日 | ニューヨークあれこれ
この画像は工事現場前の歩道で撮影した。今更言うまでもないけど、ニューヨークのような大都会には沢山のホームレスがいるから、多分そのうちの誰かが置いているのだろう。と思ってはいても何だか不気味だ。特に左側にあるスーツケースにはあまり近寄りたく無いなぁ。そういえばこの日は地下鉄でも不審物に遭遇したのだった。どうも2001年のあの日以来、こういう置き去りにされたモノに敏感になって仕方が無い。

メールを出す処

2006年04月28日 | ニューヨークあれこれ
先日久しぶりに郵便局へ。最後に手紙を郵便で出したのはいつだったろう。スラングでsnail mailって呼ばれてる。利用する側としては郵便局入り口から窓口に辿り着くまで、こっちがカタツムリになった錯覚に陥るんだけどな。それはいつどこの郵便局に行っても長蛇の列だから。余程のことが無い限り行くのを避けるのが人情ってもの。ところがこの日、買い物帰りに覗いた郵便局で驚きが二つ。

まずは3人ほどしか並んで居なかった。そして営業時間が伸びていた。
今までず~っと5時で閉まった郵便局だが、最近は7時まで開いているようだ。という訳で一度家に戻り、すかさず宛先をカタツムリが這いずり廻った後のような字で書いて、郵便局にトンボ返りしました。

たった2時間の違いだけど、夜型の生活をしている身としてはラッキー。そういえば銀行も遅くまで窓口を開けるようになった。毎日じゃないけど。

日本の郵便局や銀行は近頃何時まで開いていますか?

ある晴れた春の午後

2006年04月03日 | ニューヨークあれこれ
昨日のブログ記事にまだ春になっていない等と書いていたら、今日はなんともいい天気の春らしい日になった。でもまだ肌寒さはある。

そんな日曜日の買い物がてらの散歩中、スキンヘッドの後部にタトゥーをしているお父さんがいた。ヘビメタで使われがちなフォントで、読みにくい単語を彫ってある。多分僕より若いだろうけど、奥さんらしき人と赤ん坊が側に居たので、多分彼は一児の父だろう。

子供の頃に読んでいたギャグ漫画で、スキンヘッドのキャラの後頭部に『落書きするな!』と書いていたのを思い出した。現実ではタトゥーだけど。でもそのタトゥーに飽きたら髪を伸ばせばいいよね。意外に融通の利くポジションかもしれない、タトゥーを入れるにしては。

ニューヨークの今と昔#2

2006年02月16日 | ニューヨークあれこれ
観測史上、最大降雪量を記録した先日のブリザードの残雪が殆ど溶けたほど、今日は暖かく晴れ上がった。あまり水はけの良くないニューヨーク中の排水溝付近には許容量を超えた大量の水が流れ出し、交差点付近は走行中の車からの泥水攻撃の場に。歩道にも至る所の庇から水が滴り、皆それを避けるために端に寄りそうように歩いていた。

そんな一日の夕方、足下と頭上の泥水に気をつけながらフト目に留まったのがこの風景。少し分かりづらいかもしれないが、画面最右のビルはICP、インターナショナルセンターオブフォトグラフィー。1974年に建設された。その他のビルの名前は知らないが、殆どはここ20年以内に建てられたと思われる。

その高層ビルに囲まれているのが、画面中央の2つのビル。これはかなり古そうだ。そのうちの一つの側面に、「WOODSTOCK」と書いてある。さらに画面左の手前にはこれからまた新しいビルが建てられる予定だ。何か数十年の、この大都市が経て来た時の流れの一部が凝縮されているような風景でした。

2006年NY吹雪第一弾

2006年02月13日 | ニューヨークあれこれ
今年のNY市の冬、年が明けてからでさえ、零下になった日は殆ど無かった。このまま春にはやはりならず、昨晩から今朝に至るまで、まるで今シーズンの暖かさを打ち消すかのような、猛烈な吹雪である。昨夜夜半少し前から横殴りに降り出し、朝10時半現在も威力を落とす事無く、黙々と雪を至る所に積もらせている。

夜中にふと目がさめた時には、雷が鳴っていた。雨が降っている時とは異なり、まるで音が形になってみえるかのようにはっきりと、そしていつもより長く鳴り響いていた。閉め切った窓越しだと、雪の降る音は殆ど聴こえないので、乾いた雷の音だけが聴こえた。

まるで冬の神様NY担当が、「今年の冬は全っ然冬らしく無くて、申~し訳なかった!今からしっかり冬にするけん、堪忍してつかーさい!」てな感じで鼻息荒くしてテンパっているかのような吹雪である。去年は数回吹雪あったわけだが、僕にとって一番の思い出は、やはりギグ当日夜に降り出し、ギグを思いっきりキャンセルにしてくれたやつだ。

ここまで書いたからには…そう、今年のこの吹雪第一弾の夜、僕はギグに行く筈でした。勿論キャンセルです。このギグは去年と全く同じギグです。2年連続で同じ気象条件で、同じ労働条件のもと、プチ失業しました。(泣)失業手当は、自宅での休養です。今日のギグはキャンセルになりませんように…。

効率と仕事のでき具合

2006年02月12日 | ニューヨークあれこれ
いつも乗っている地下鉄に、地上波で見られるテレビ局の広告が数種類貼っている。ある日このうちの一枚のポスターに「ん?」と気が付いた。グラフィック上のエラーなのだが、かなり堂々としたものだ。

画像はコメディーアニメで有名なキャラクターの、お腹から足元を写している。著作権侵害だなんて後で揉めたくないのでポスターの絵全部は載せていないが(こういう態度、世界中のストリートで海賊版DVDを売っている人達には到底理解してもらえないだろう)、おじさんが横になってスナックを食べながらテレビを見ている。でその足下に置かれたスナックの箱には、灰色の猫だか犬だかが描かれているようだ。ここでいきなり曖昧な描写になるのは、ポスターのこのスナックの容器から唐突に灰色が放出されているからだ。

形は異なる幅を持った2つの楕円。まるでPCで絵を描くソフトで、灰色の楕円を引き伸ばして上から落書きしたようだ。構図的に明らかにおかしい。そう思ってこれに気付いた日からしばらくの間、地下鉄に乗る度に同じポスターのこの部分をチェックしたが全てに同じものがあった。

こんなにまですごいエラーを堂々と何百枚もNYの公衆に晒しているのは、有名なメディア会社。自社が配給した映画の終わりを、「パンパカパ~ン!」というファンファーレとサーチライトに照らされた20の文字を写して締めくくる、あの会社。
おそらくポスターが全て刷り上がってから、このエラーは会社上層部に報告された筈だ。そこで敢えてこのまま地下鉄に貼ってしまったのは、予算がもったいないからか、それとも大量のゴミを出すのは環境上良ろしくないからか?それとも上層部は未だにこのことを知らなかったりして…。