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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
ここで、季節は初夏から夏休みに移る。
それも、お盆前。
こんなに飛ばすから、光陰矢の如しなどという諺が生まれるのだ。
しかし、何でもスピード化の時代。
飛ばすもこれ時代の流れ。
流れに乗るのが。
オッさんの義務の一つのような気もする。
そのうちに、乗り落ちて、
あっちこっちで、痛い目に遭うような予感はしてはいるのだが・・・
お盆前になると、妻のOさんは、
子供たちを引き連れて実家に行く。
その間は、私は一人になる。
私も一緒に行きたいのだが、
そうそう休みは、取れないので一人残る。
その代りに、盆の終わり頃に、
2~3日休みをとって、迎えにゆくのである。
5人家族から一人になると何となく淋しくなる。
1日も持たない。
会社から帰って、真っ暗な家に入るのは嫌なものである。
だから、玄関の明かりは電気代が勿体ないが点けてゆく。
外食も昼・夜と2回も続くと、もう飽きて来る。
下宿をしていた学生の頃は、それが当たり前だったのに、
今では、すっかり忘れてしまっている。
洗濯も面倒だ。
スイッチひとつとはいうものの大層だ。
干すのが邪魔くさいのだ。
そんなことを数え上げてゆくと、Oさんの存在は大きい。
大きいが、家族皆が当然のように思って、Oさんをコキ使っている。
もちろん、コキ使い始めの張本人は、この私。
一緒に暮らし始めた頃は、
用事の一つひとつに、重みがあったのに、
今では当然の事として、口からぽんぽんと飛び出してゆく。
Oさんの都合など全く考えないので、時々、Oさんを怒らせてしまう。
私も怒り返す。
口争いが始まる。
慣れのしっぺ返しもいい所だ。
つづく