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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 新益京の駄犬コロ(025)
コロは、数年前にわが家に住みついた白い雑種の牡犬である。
誰かが生後数か月の時、わが家の近くに捨てていったのだろう。
そのまま黙って縁の下に住みついてしまったのだ。
子供達も飼ってと譲らなかったので、そのまま住まわせている。
最近では、子供達もコロを相手にしなくなり、
Oさんも散歩に連れていかない。
一日中寝そべっている。
そんなヤツを見ていると、無性に腹が立ってくる。
定年後の己れの姿を見ているようで吐き気を催してくる。
去勢手術を施しているので、食うことだけが楽しみみたいだ。
そうだ、駄犬コロに喝を入れてやろう!
最初は5kmほど離れた山の辺の道に、
コロをサヤカに乗せて置いてきた。
私は、わざと自宅から遠い方へ走った。
ヤツは必死に追い掛けてきたが、所詮犬の足のこと、
バイクに適うものではない。
そのうち撒いてやった。
それでもヤツはその日のうちに帰ってきた。
ワンワンと吠えてOさんに告げ口しているようだ。
彼女は何も知らない。
ヤツが私を恨めしげに見上げるが、そ知らぬ振りをしてやる。
つづく